初診と再診について


医療費を計算する上で、最も基本的な算定項目が、初診料と再診料です。

医療機関を受診するとほぼ必ずといっていいほど発生します。

初診料と再診料の違いとは一体何か、どこからが初診でどこからが再診なのか疑問に思うことがあります。

初診料と再診料

初診料や再診料は「基本診療料」という区分に入り、その名の通り医師が患者を診療する上で基礎となる項目です。

医師が患者を診察するだけでその費用を算定することができます。

料金に関しても、医療報酬点数という決められた点数があるので初診料と再診料では違いがあります。


診察

「診察」とは、医師・歯科医師が患者の病状を判断するために、質問をしたり体を調べたりすることです。

医師が患者から現在の症状や受診に至った経緯を聞き取ったり、目や口の中を見たり、聴診器を当てて身体の中の音を聴いたり、血圧を測定したりすることまでが「診察」に含まれます。

診察には、問診・聴診・視診・触診などがあります。

更に、検査を行って病気を診断し、治療を開始します。

その治療が適確であるかを判断することまでが診察に含まれます。


初診料および再診料の点数

初診料および再診料の点数(費用)が以下の通りです。

1)初診料:288点 (2,880円) 健康保険の3割負担で860円

2)再診料:73点    (730円) 健康保険の3割負担で220円

 ※令和2年度 診療報酬点数改定にて

医師がたとえ1.2分程度であっても「診察」をするだけでこれだけの費用が掛かります。

初診と再診の違い

初診は、その症状やケガで初めて受診した際の診察のことで、その症状やケガの診察の間は最初の1回のみ初診料が算定されます。

再診は初診後、2回目以降の診察のことで、治療が終了するまでは、受診のたび再診料が算定されます。

医療機関を受診するきっかけとなった症状やケガで初めて受診する時に算定されるのが「初診料」で、それ以降、治療が終了するまでの受診時に算定されるのが「再診料」です。

初診料・再診料の算定基準

基本的に、3か月空いたら初診料、病気や怪我が治ってたら初診料、定期的に通院してれば再診料です。

一つの症状やケガに対する治療が終われば、再び別の症状やケガで受診した時はまた「初診」での診療となります。

しかし、症状やケガの状態は一定ではないので、例外もたくさんあります。

初診と再診の違いは、初診の場合は医療機関にかかる時に初めてかかる事ですが他にもある一定の期間を過ぎると初診として扱われます。

歯医者の場合はある一定の条件があてはまるひとになりますが、それは歯科疾患管理料をもらっているかもらっていないかです。

もらっている場合はその日から2か月、来なかった人は初診になります。

患者の症状・ケガの経過や受診状況などは様々であるため、ある程度は医療機関の裁量にも任されています。

たとえば、風邪で受診して初診料を算定後、二日後に転倒してケガで同じ医療機関を受診には再診となります。

高血圧症の患者が風邪をひいたので診てほしいと受診し、「今日は風邪の診察だけでいいですよ」という場合でも、再診になります。

特定疾患などの治療管理を継続的に必要とする患者の場合は、何年間もずっと再診ということもあります。

医療機関にかかっていたが完治して一ヶ月以上たっている場合に、新たに受診するときは初診になります。

お医者さんが治療の終了を伝えないうちに自分の都合で医療機関を3か月以上行かなくなってしまってから、やはり調子が悪くなって受診したときは初診になります。

手荒れ症状で皮膚科受診した場合、軟膏を処方してもらうも、ケチなので医師の指示より少ない量を塗り、半年後に再び同じ症状で受診した場合は初診となります。

乳幼児が熱を繰り返し、頻繁に熱を出すため短い期間に何度も医療機関を受診している場合はすべて初診となります。

1年に一回、経過観察だけで受診し、毎年来年の予約を取っている場合は、再診となります。

薬がなくなる時期も、定期的な検査や診察も、医師の指示なので、3か月以上空いていても再診料です。

200床未満の医療機関では、医師が患者または看護にあたっている人から電話等によって治療上の意見を求められて必要な指示を行った場合にも、電話再診として再診料が請求されます。

「初診」とするか「再診」とするかは医療機関で定めるルールによって異なるので、病院によって同じパターンで再診になったり、初診になったりすることはあります。

同じ病気や怪我で複数の医療機関を受診することを「はしご受診」と言います。

継続的に同じ医療機関を受診する場合は、1回目は初診料、2回目以降は再診料となりますが、はしご受診で医療機関を変えるたびに毎回、初診料がかかります。

初診料は再診料よりも点数が高いので、医療費が割高になってしまうため、要注意です。

初診と新患

「初診」と混同しやすい言葉で「新患」というものがありますが、初診と新患は明確に異なります。

新患とは、その医療機関に本当に初めて受診した時のことを言います。

たとえば、A病院にとってあなたは何度も「初診患者(初診料算定患者)」になることはできますが、「新患」になることは最初の一度だけです。

そのため初めての病院に受診する際は窓口で、「初診です」というのではなく、「新患です」や「全く初めてです」というとやりとりがスムーズにいきます。


初診料・再診料に対する加算

初診料および再診料には、受診した時間帯や曜日によって加算される項目があります。

医療報酬点数は厚生労働省が決めた点数で計算して行きます。

時間外加算:初診料+85点 再診料+65点

休日加算:初診料+250点 再診料+190点

深夜加算:初診料+480点 再診料+420点

乳幼児加算:初診料+75点 再診料+38点


医療機関による違い

2006年までは診療所と病院で初診料・再診料が少し違っていることがありましたが、2020年現在は両者に差はありません。

ですが、診療所などからの紹介状なしに大病院を初診で受診すると、初診料とは別に「選定療養費」を追加で支払わなければならないことになりかねませんので注意が必要です。