村上春樹の「騎士団長殺し」を読んで
第1部と第2部にそれぞれ分かれているのですが、それぞれが500ページ以上あり、合わせて1000ページ以上あるのでかなりの長編です。
小説の流れが、分かるようで、一部分からないところもあります。
『騎士団長殺し』の主人公は画家で、この小説はその画家の一人称で書かれてます。
作中では主人公である「私」の名前が示されないめずらしい設定になっています。
でも「私」以外の人物は、基本的にはフルネームで登場します。
「私」の妹や妻だけがファーストネームだけなのは、「私」の名前が明かされていないからですが、そのまま1000ページ以上も読ませてしまう何とも不思議な設定です。
あらすじは以下の通りです。
主人公の「私」は36歳の肖像画家です。
この小説は、「私」が妻と別れ、友人の懇意で、友人の父親であり、今は認知症が進み療養施設に入っている日本画家・雨田具彦の住んでいた山の上のアトリエに一人で暮らし始め、再び元の生活に戻る9か月間の物語です。
ある日、「私」は屋根裏部屋で「騎士団長殺し」と題した日本画を発見します。
モーツァルトのオペラ「ドン・ジョバンニ」に題材をとり、若者が「騎士団長」を刺殺する場面を描いた作品で、雨田が描き、ひそかに隠していたものでした。
「私」に肖像画の制作を依頼するスマートで洗練された資産家・免色や、「私」の絵画教室で絵を習っている14歳の美少女・秋川まりえの登場とともに、「私」は「騎士団長殺し」に秘められた謎に次第にのめり込んでいくことになります。
深夜の不思議な鈴の音に導かれて、雑木林の祠の裏手の大きな石で塞がれた穴を、免色の力を借りて暴くとそこに石室を見出します。
石室から解き放れ異世界イデアから突然現れた身長60センチの「騎士団長」は、「あらない(=ない)」といった奇妙な喋り方をし、「私」をイデアの世界へ引き込んでいきます。
やがて「私」は「騎士団長」の暗示に従い、死期を彷徨う雨田の病室を訪れ、友人が電話で出ていった間に、突然現れた雨田の絵の中の登場人物「顔なが」の出てきた穴から、地底の非現実世界へ迷い込み、モヤに包まれた川を渡って、狭い横穴を潜り石室へ抜け出るまで不可思議な数日を過ごすことになります。
あらすじは以上ですが、いきなり1部の読み始めに「顔のない男」が登場し、それは物語を読み進むと、地底世界の川の渡し場の男のようなのですが、なぜその男が「私」に肖像画を描くことを要求しているのか前後の繋がりが良く分からないところもあります。
深夜の不思議な鈴の音に導かれて、雑木林の祠の裏手の大きな石で塞がれた穴を、免色の力を借りて暴くとそこに石室を見出します。
石室から解き放れ異世界イデアから突然現れた身長60センチの「騎士団長」は、「あらない(=ない)」といった奇妙な喋り方をし、「私」をイデアの世界へ引き込んでいきます。
やがて「私」は「騎士団長」の暗示に従い、死期を彷徨う雨田の病室を訪れ、友人が電話で出ていった間に、突然現れた雨田の絵の中の登場人物「顔なが」の出てきた穴から、地底の非現実世界へ迷い込み、モヤに包まれた川を渡って、狭い横穴を潜り石室へ抜け出るまで不可思議な数日を過ごすことになります。
あらすじは以上ですが、いきなり1部の読み始めに「顔のない男」が登場し、それは物語を読み進むと、地底世界の川の渡し場の男のようなのですが、なぜその男が「私」に肖像画を描くことを要求しているのか前後の繋がりが良く分からないところもあります。
また雨田具彦が「騎士団長殺し」に込めた謎も、最後は雨田具彦の死と、山の上のアトリエの火事による消失によって、そのまま謎のままエンディングとなります。
作中には、音楽がBGMとして流れ、プジョーやジャガー、ミニ、スバルやカローラまで出てきて、車好きはそれだけで、それぞれの車の個性に登場人物を重ね合わせてしまいます。