ステルス艦について
ステルス艦というのは、とても奇妙な形をしていますが、最近の軍事用船舶ではトレンドになっているようです。
ステルス艦とは
水上艦船におけるステルス性の寄与として、レーダー波反射面積の減少を試みるための艦体の単純化・平面化があります。
従来、艦体の断面は生産性を考慮して垂直や曲面になるのが普通でしたが、艦体や艦橋の断面を従来の垂直から台形や菱形にすることで、反射したレーダー波を海面や空中にそれて、レーダー波の減少になります。
マストの支柱の断面を台形や菱形にすることも試みられており、中には先進型閉囲マスト/センサー(AEM/S)のような思い切ったレーダー断面積を減らす工夫もあります。
煙突も、平面で構成したりマストと一体化、さらに煙突を廃して舷側排気にすることで反射面積を最低限にすることができます。
また、艦体上にある突起物(マスト・兵装類)も、艦体に格納したり平面のカバーを被せることで、レーダー波の反射面積を減少させることができます。
中には欄干も断面を菱形にするなどして徹底したステルス性を追及する例もあります。
形状にとらわれないステルス性の寄与法として、レーダー波を吸収する素材(例えば炭素繊維強化プラスチック(CFRP))を貼り付けることもあります。
この方法を用いると、それまで保有していた非ステルスの艦艇にステルス性を与えることも可能です。
ミサイルの発射装置をVLSにして艦体に組み込むことも、低視認性も相まって反射面積の減少になります。
計画のみに終わりましたが、アーセナル・シップは上部構造物がほとんどなく、低レーダー反射断面積と低視認性を強く意識した設計となっていました。
艦載砲も、砲塔を平面で構成した多角形にすることでステルス性を持たせたものがあります。
射撃時以外は砲身を砲塔に格納するものもあります。
艦載艇格納部や対艦ミサイルの発射管、魚雷発射管をシャッターで覆うことで反射面積を大幅に減少させることができます。
問題点として、ステルス性を重視した戦闘艦では、平時におけるレーダー波反射面積も少ないため、そのままでは衝突などの海難事故の可能性があります。
そのため、平時の航行中には、わざわざコーナー・リフレクタを甲板上の見通しの良い場所に設置して、ステルス性能の漏洩を防ぐと共に一般航行時の安全を図るように留意するケースがあります。
艦船でのステルス性能が今後一層向上すれば、一般船舶や友軍艦船との衝突事故を防ぐためにも必要な処置になります。
ズムウォルト級ミサイル駆逐艦
ズムウォルト級ミサイル駆逐艦(英語: Zumwalt-class destroyer)は、アメリカ海軍が取得を進めている新型ミサイル駆逐艦の艦級です。
高度なステルス性などの先進的な設計と強力な対地射撃能力を備えており、当初は30隻以上の大量建造が計画されていましたが、のちにコスト増などのためにナン・マッカーディー制度によってアメリカ合衆国議会にその旨を報告され24隻に、次いで7隻に、最終的には3隻にまで削減されました。
2011年に建造され、2016年に就役 しました。
船体
満載排水量は14,000t以上で、これは現在アメリカ海軍が唯一保有する巡洋艦であるタイコンデロガ級ミサイル巡洋艦よりも大きいです。
仕様
満載排水量:14,797t
全長:183m
幅:24.5m
喫水:8.4m
推進器:スクリュープロペラ 2軸
電源:MT30ガスタービン発電機 (35 MW/47,000 hp)×2基
RR450ガスタービン発電機
(3.8 MW/5,100 hp)×2基
非常用ディーゼル発電機 複数
最大速力:30.3 ノット (56.1 km/h)
従来の艦艇では、上甲板から吃水線にむけて船体幅が絞られ、乾舷は外傾していたのに対し、本級では吃水線付近が最も幅広く、乾舷は船体内向きに内傾しているタンブルホーム船型を採用しています。
これは木造帆船時代に船体上部の重量軽減のために考案された船型であり、19世紀にも鋼鉄水上戦闘艦の登場時にも一部で採用された実績があったものの、第二次世界大戦期以降姿を消していたものでしたが、ステルス性向上の必要から復活することになりました。
また、船首形状も、従来は波を乗り越える形状であったのに対し、本級は波浪を貫通する形状となっており、水面上より水面下の方が前方に突き出ています。
広い船尾トランサムも1枚の単純平面で構成され、側面同様に内傾しています。
これらをあわせて、波浪貫通タンブルホーム船型(Wave Piercing Tumble Home hull form)と称されています。
アーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦やフランス海軍のラファイエット級フリゲートのようなステルス性が重視されている艦は、前から見るとひし形のような形状をしていますが、この場合水平方向からくるレーダー波は上部にあたると空に向かって、下部にあたると海に向かって反射され、直接もとの方向へ戻ってしまうことはありません。
しかし海に向かって反射された電波は海面で乱反射し、ある程度もとの方向へ戻ってしまいます。
DD(X)で採用したタンブルホーム船型は、水平方向からくる電波はほぼすべて空に向かって反射されるため、旧来のステルス性設計を凌駕します。
艦船や航空機に搭載されているレーダー機器から発射される電波波長領域(2-18GHz, S-Ku Band)では、現在運用されているアーレイ・バーク級に比べ、レーダー反射断面積(RCS)が50分の1程度になるといわれています。
船体中央にデッキハウスと呼ばれる大きな上部構造物が設けられており、単純な平面で構成された壁面はいずれも内傾しているため、上部構造物は多角錐型になっています。
煙突はこの上部構造物に収められていて、天井部に開口部があるだけです。
炭素繊維などの複合材料で作られた壁面には多数の開口部が設けられて、同一平面を成した平面アンテナや電子光学機器の観測窓、信号灯が埋め込まれており、統合複合材料デッキハウス・開口(Integrated composite deckhouse & apertures、IDHA)と呼ばれています。
他の艦では当たり前のはしごや手すり類、燃料補給ステーションなどの突起物は外面から見える位置には露出していません。
艦橋の窓は、上部構造物前部のやや低い位置にあり、船室の窓は基本的に設けられていません。
なお船体は内側と外側の二重の側壁を備えており、二重船底と合わせて、後部の一部を除く船体は二重船殻を形成しています。
機関
本級は、アメリカ海軍の水上戦闘艦としては初めて統合電気推進(IPS)方式を採用しています。
これは、電気推進に用いるための電力と、艦船内の他の用途(兵器や電子機器、その他船内サービス用)の電力の電源を共用化する技術であり、高度な電力制御技術と高性能の電動機が必要とされるものの、電力配分・機関運転の適正化や維持コスト低減、水中騒音の抑制など多くの利点があります。
本級の場合、電源はいずれもガスタービン発電機とされ、主発電機としては出力35 メガワット (47,000 hp)のロールス・ロイス マリン トレントMT30が2基、補助発電機としては出力3.8 メガワット (5,100 hp)のRR450が2基、搭載されています。
現状では、所要の電力量は主発電機1基のみで充足可能であり、将来的には、大電力が必要なレールガンの搭載にも対応可能とされています。
推進機構としては、出力34.6メガワット (46,400 hp)のAIM電動機(Advanced induction motor、先進誘導電動機)2基によって推進器2軸を駆動します。
また3番艦では、AIMにかえて、より小型で先進的な米アメリカン・スーパーコンダクター社(AMSC)製 高温超伝導(High temparature superconductor, HTS)モーターに変更される予定となっています。
装備
ズムウォルト級では従来までのようなマストは廃止され、ほとんどのアンテナも、上記のIDHA式上部構造物の傾斜壁面に固定式で取り付けられています。
唯一例外の通信・電子戦用の回転式小型アンテナも上部構造物の上面前部に傾斜角を揃えた選択電波透過性の角型レドームに収められています。
ミサイルは、二重船殻の間隙部に装備するMk.57 VLS(PVLS:Peripheral Vertical Launch System)に搭載されます。
これらは外殻と内殻の間に装備することで、被弾によって自艦のミサイルが誘爆した場合でも、その被害を局限化するように考慮されています。
主砲としては、単装の155mm先進砲システム(AGS)が2基搭載されています。
本級搭載のステルス砲塔では、射撃しないときには砲身に俯角をかけて砲塔内に格納するという思い切った手法によりステルス性を確保しています。
後部にヘリコプター格納庫と広い甲板を備えています。
有人ヘリコプターであるMH-60R シーホーク2機、またはMH-60R シーホーク1機と無人航空機(UAV:Unmanned Aerial Vehicles)のMQ-8 ファイアスカウト3機を格納庫内に収容可能です。
ヘリコプター甲板は広く、より大型なヘリコプターでも発着は可能であると示唆されています。
シー・シャドウ (実験艦)
シー・シャドウ(Sea Shadow, IX-529)は海上におけるステルス技術研究のために建造されたアメリカ海軍の実験艦です。
艦の建造は1982年より開始され、1985年3月1日に就役しました。
艦の目的は、洋上におけるステルス技術研究を中心として、人員削減に結びつく省力化や艦の構造など多岐に渡るものでした。
艦の開発にはアメリカ海軍とロッキードのほか、国防高等研究計画局も加わっていました。
艦の外観は非常に奇抜であり、従来の一般的な船のデザインとはかけ離れていました。
双胴のSWATH船型であり、水線部より上は、横断面が直線的な山なりの構造をしています。
また、真上から見ると、細長く伸ばされた六角形に近い形状となっています。
艦体には突起物はほとんどなく、通常の船舶のような甲板もなく、艦橋を除き窓もほとんどありません。
なお、SWATH船型は安定しており、シーステイト6の非常に荒れた海上においても安定性を保つことができました。
「シー・シャドウ」の存在は公開されることなく、実験が行われていたが、1994年に実験の終了とともにその存在が公開されました。
1999年再就役後、2006年9月には試験は終了し、最終的に2012年中に解体されました。
ステルス艦とは
水上艦船におけるステルス性の寄与として、レーダー波反射面積の減少を試みるための艦体の単純化・平面化があります。
従来、艦体の断面は生産性を考慮して垂直や曲面になるのが普通でしたが、艦体や艦橋の断面を従来の垂直から台形や菱形にすることで、反射したレーダー波を海面や空中にそれて、レーダー波の減少になります。
マストの支柱の断面を台形や菱形にすることも試みられており、中には先進型閉囲マスト/センサー(AEM/S)のような思い切ったレーダー断面積を減らす工夫もあります。
煙突も、平面で構成したりマストと一体化、さらに煙突を廃して舷側排気にすることで反射面積を最低限にすることができます。
また、艦体上にある突起物(マスト・兵装類)も、艦体に格納したり平面のカバーを被せることで、レーダー波の反射面積を減少させることができます。
中には欄干も断面を菱形にするなどして徹底したステルス性を追及する例もあります。
形状にとらわれないステルス性の寄与法として、レーダー波を吸収する素材(例えば炭素繊維強化プラスチック(CFRP))を貼り付けることもあります。
この方法を用いると、それまで保有していた非ステルスの艦艇にステルス性を与えることも可能です。
ミサイルの発射装置をVLSにして艦体に組み込むことも、低視認性も相まって反射面積の減少になります。
計画のみに終わりましたが、アーセナル・シップは上部構造物がほとんどなく、低レーダー反射断面積と低視認性を強く意識した設計となっていました。
艦載砲も、砲塔を平面で構成した多角形にすることでステルス性を持たせたものがあります。
射撃時以外は砲身を砲塔に格納するものもあります。
艦載艇格納部や対艦ミサイルの発射管、魚雷発射管をシャッターで覆うことで反射面積を大幅に減少させることができます。
問題点として、ステルス性を重視した戦闘艦では、平時におけるレーダー波反射面積も少ないため、そのままでは衝突などの海難事故の可能性があります。
そのため、平時の航行中には、わざわざコーナー・リフレクタを甲板上の見通しの良い場所に設置して、ステルス性能の漏洩を防ぐと共に一般航行時の安全を図るように留意するケースがあります。
艦船でのステルス性能が今後一層向上すれば、一般船舶や友軍艦船との衝突事故を防ぐためにも必要な処置になります。
ズムウォルト級ミサイル駆逐艦
ズムウォルト級ミサイル駆逐艦(英語: Zumwalt-class destroyer)は、アメリカ海軍が取得を進めている新型ミサイル駆逐艦の艦級です。
高度なステルス性などの先進的な設計と強力な対地射撃能力を備えており、当初は30隻以上の大量建造が計画されていましたが、のちにコスト増などのためにナン・マッカーディー制度によってアメリカ合衆国議会にその旨を報告され24隻に、次いで7隻に、最終的には3隻にまで削減されました。
2011年に建造され、2016年に就役 しました。
船体
満載排水量は14,000t以上で、これは現在アメリカ海軍が唯一保有する巡洋艦であるタイコンデロガ級ミサイル巡洋艦よりも大きいです。
仕様
満載排水量:14,797t
全長:183m
幅:24.5m
喫水:8.4m
機関方式:統合電力システム(IPS)
主機:アルストムAIM電動機 (34.6 MW/46,400 hp)×2基推進器:スクリュープロペラ 2軸
電源:MT30ガスタービン発電機 (35 MW/47,000 hp)×2基
RR450ガスタービン発電機
(3.8 MW/5,100 hp)×2基
非常用ディーゼル発電機 複数
最大速力:30.3 ノット (56.1 km/h)
乗員:106名
本級は、非常に大胆な設計を採用していることで知られています。
従来の艦艇では、上甲板から吃水線にむけて船体幅が絞られ、乾舷は外傾していたのに対し、本級では吃水線付近が最も幅広く、乾舷は船体内向きに内傾しているタンブルホーム船型を採用しています。
これは木造帆船時代に船体上部の重量軽減のために考案された船型であり、19世紀にも鋼鉄水上戦闘艦の登場時にも一部で採用された実績があったものの、第二次世界大戦期以降姿を消していたものでしたが、ステルス性向上の必要から復活することになりました。
また、船首形状も、従来は波を乗り越える形状であったのに対し、本級は波浪を貫通する形状となっており、水面上より水面下の方が前方に突き出ています。
広い船尾トランサムも1枚の単純平面で構成され、側面同様に内傾しています。
これらをあわせて、波浪貫通タンブルホーム船型(Wave Piercing Tumble Home hull form)と称されています。
アーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦やフランス海軍のラファイエット級フリゲートのようなステルス性が重視されている艦は、前から見るとひし形のような形状をしていますが、この場合水平方向からくるレーダー波は上部にあたると空に向かって、下部にあたると海に向かって反射され、直接もとの方向へ戻ってしまうことはありません。
しかし海に向かって反射された電波は海面で乱反射し、ある程度もとの方向へ戻ってしまいます。
DD(X)で採用したタンブルホーム船型は、水平方向からくる電波はほぼすべて空に向かって反射されるため、旧来のステルス性設計を凌駕します。
艦船や航空機に搭載されているレーダー機器から発射される電波波長領域(2-18GHz, S-Ku Band)では、現在運用されているアーレイ・バーク級に比べ、レーダー反射断面積(RCS)が50分の1程度になるといわれています。
船体中央にデッキハウスと呼ばれる大きな上部構造物が設けられており、単純な平面で構成された壁面はいずれも内傾しているため、上部構造物は多角錐型になっています。
煙突はこの上部構造物に収められていて、天井部に開口部があるだけです。
炭素繊維などの複合材料で作られた壁面には多数の開口部が設けられて、同一平面を成した平面アンテナや電子光学機器の観測窓、信号灯が埋め込まれており、統合複合材料デッキハウス・開口(Integrated composite deckhouse & apertures、IDHA)と呼ばれています。
他の艦では当たり前のはしごや手すり類、燃料補給ステーションなどの突起物は外面から見える位置には露出していません。
艦橋の窓は、上部構造物前部のやや低い位置にあり、船室の窓は基本的に設けられていません。
なお船体は内側と外側の二重の側壁を備えており、二重船底と合わせて、後部の一部を除く船体は二重船殻を形成しています。
機関
本級は、アメリカ海軍の水上戦闘艦としては初めて統合電気推進(IPS)方式を採用しています。
これは、電気推進に用いるための電力と、艦船内の他の用途(兵器や電子機器、その他船内サービス用)の電力の電源を共用化する技術であり、高度な電力制御技術と高性能の電動機が必要とされるものの、電力配分・機関運転の適正化や維持コスト低減、水中騒音の抑制など多くの利点があります。
本級の場合、電源はいずれもガスタービン発電機とされ、主発電機としては出力35 メガワット (47,000 hp)のロールス・ロイス マリン トレントMT30が2基、補助発電機としては出力3.8 メガワット (5,100 hp)のRR450が2基、搭載されています。
現状では、所要の電力量は主発電機1基のみで充足可能であり、将来的には、大電力が必要なレールガンの搭載にも対応可能とされています。
推進機構としては、出力34.6メガワット (46,400 hp)のAIM電動機(Advanced induction motor、先進誘導電動機)2基によって推進器2軸を駆動します。
また3番艦では、AIMにかえて、より小型で先進的な米アメリカン・スーパーコンダクター社(AMSC)製 高温超伝導(High temparature superconductor, HTS)モーターに変更される予定となっています。
装備
ズムウォルト級では従来までのようなマストは廃止され、ほとんどのアンテナも、上記のIDHA式上部構造物の傾斜壁面に固定式で取り付けられています。
唯一例外の通信・電子戦用の回転式小型アンテナも上部構造物の上面前部に傾斜角を揃えた選択電波透過性の角型レドームに収められています。
ミサイルは、二重船殻の間隙部に装備するMk.57 VLS(PVLS:Peripheral Vertical Launch System)に搭載されます。
これらは外殻と内殻の間に装備することで、被弾によって自艦のミサイルが誘爆した場合でも、その被害を局限化するように考慮されています。
主砲としては、単装の155mm先進砲システム(AGS)が2基搭載されています。
本級搭載のステルス砲塔では、射撃しないときには砲身に俯角をかけて砲塔内に格納するという思い切った手法によりステルス性を確保しています。
後部にヘリコプター格納庫と広い甲板を備えています。
有人ヘリコプターであるMH-60R シーホーク2機、またはMH-60R シーホーク1機と無人航空機(UAV:Unmanned Aerial Vehicles)のMQ-8 ファイアスカウト3機を格納庫内に収容可能です。
ヘリコプター甲板は広く、より大型なヘリコプターでも発着は可能であると示唆されています。
シー・シャドウ (実験艦)
シー・シャドウ(Sea Shadow, IX-529)は海上におけるステルス技術研究のために建造されたアメリカ海軍の実験艦です。
艦の建造は1982年より開始され、1985年3月1日に就役しました。
艦の目的は、洋上におけるステルス技術研究を中心として、人員削減に結びつく省力化や艦の構造など多岐に渡るものでした。
艦の開発にはアメリカ海軍とロッキードのほか、国防高等研究計画局も加わっていました。
艦の外観は非常に奇抜であり、従来の一般的な船のデザインとはかけ離れていました。
双胴のSWATH船型であり、水線部より上は、横断面が直線的な山なりの構造をしています。
また、真上から見ると、細長く伸ばされた六角形に近い形状となっています。
艦体には突起物はほとんどなく、通常の船舶のような甲板もなく、艦橋を除き窓もほとんどありません。
なお、SWATH船型は安定しており、シーステイト6の非常に荒れた海上においても安定性を保つことができました。
実験艦のため小型で 、基準排水量563t、全長50m、最大幅21m、喫水4.6m、機関ディーゼルエレクトリック方式、推進器2軸 の仕様でした。
「シー・シャドウ」の存在は公開されることなく、実験が行われていたが、1994年に実験の終了とともにその存在が公開されました。
1999年再就役後、2006年9月には試験は終了し、最終的に2012年中に解体されました。