膝の痛み
古い傷があって、長い距離を歩くとき、右の膝が痛くなるときがあります。
益々歳をとるに従って、いつでも右膝が痛くなってしまうのではないかと心配です。
妻も最近、膝が痛いと言うことが多くなったので、少し調べてみることにしました。
膝の痛み
膝の痛みが強い、痛みとともに腫れがある、痛みが長く続いているという場合には整形外科へ受診します。
最終的にはレントゲン撮影やMRIなどの検査結果も含めて総合的な診断が行われますが、その際問診も診断の手がかりになるのため、医師にしっかりと伝えられるよう事前にまとめておくとよいです。
膝に痛みがある場合、病気やケガが関係していることが少なくありません。
痛みを感じた段階で適切な処置を行わなければ、一時的に痛みが治まっていても、数年後に再び痛みが現れることがあります。
膝の痛みが症状として現れる病気には、主に以下のようなものがあります。
変形性膝関節症
変形性膝関節症(へんけいせい しつかんせつしょう、へんけいせい ひざかんせつしょう)は、筋力低下、加齢、肥満などのきっかけにより膝関節の機能が低下して、膝軟骨や半月板のかみ合わせが緩んだり変形や断裂を起こし、多くが炎症による関節液の過剰滞留があり、痛みを伴う病気です。
膝関節のクッションの役目を果たす膝軟骨や半月板が長期間に少しずつすり減り変形することで起こるもの(一次性)と、関節リウマチや膝のケガなどの他の原因によって引き起こされるもの(二次性)の2種類があります。
日本国内に限っても患者数は約700万人というありふれた疾患であり、年だからとあきらめたり、我慢しているケースが多いのもこの病気の特徴で、行動が制限されがちになるため、適切なケアが望まれます。
40歳以上の男女の6割が罹患しているというデータもあります。
また、どの年代でも女性が男性に比べて1.5-2倍多く、高齢者では男性の4倍といわれています。
O脚の関連も指摘されています。
加齢とともに発症しやすく、中高年の女性に多くみられます。
関節リウマチ
関節リウマチとは、免疫のはたらきの異常により関節内滑膜に炎症が生じる遺伝が関与する病気です。
若年者から高齢者まで、年齢問わず発症する可能性があります。
関節リウマチとは、免疫のはたらきの異常により関節内滑膜に炎症が生じる遺伝が関与する病気です。
若年者から高齢者まで、年齢問わず発症する可能性があります。
関節リウマチの患者の男女比は1:4で女性の比率が多いです。
手首や手指の関節に起こることが多いものの、膝にもよく起こります。
発症のメカニズムは未解明ですが、生活習慣と遺伝的要因や感染症などによる免疫系の働きが関与していることを示唆する研究が多くあります。
ほとんどの場合一つの関節にとどまらず、複数の関節かつ左右同時にみられます。
膝関節靭帯損傷
関節の痛みや腫れ、朝に起きるこわばりなどの関節の症状が主として現れますが、微熱や倦怠感、貧血などの全身症状を伴うこともあります。
靭帯損傷(じんたいそんしょう)は靭帯が外力などにより、損傷を受けた状態です。
代表的なものとして、膝関節の十字靭帯断裂(じゅうじじんたいだんれつ)があります。
これは、膝関節にある前十字靭帯、後十字靭帯のいずれかが単独で損傷、もしくは双方が複合的に損傷し、連続性を失うものです。
腸脛靭帯炎(ちょうけいじんたいえん)
腸脛靭帯とは、膝の外側にある筋肉の端の部分で、正確には靭帯ではありません。
しかしながら、同部に炎症が起こるものを腸脛靭帯炎と呼んでいます。
腸脛靭帯炎では、炎症による膝の外側のズキズキした痛みが特徴的な症状です。
特に、成長期のスポーツ障害の代表的なものでもあります。
足を地面についたときに痛みが起こることが多く、炎症がひどくなれば痛みで歩くのが困難になることもあります。
特発性膝関節血症
なんらかの原因で膝の内部にある滑膜の血管が切れて出血し、血液が膝の内部にたまる特発性膝関節内血腫は、膝の痛みに伴って腫れがみられます。
出血量が多い人ですと、100ccくらいの血液が膝にたまっていることがあります。
はっきりとした原因は不明ですが、どちらかというとX脚の人に生じやすいです。
高血圧の人、特に高齢者に多いといわれ、膝関節内に血液が溜まって腫れたり、痛みを感じたりします。
半月板損傷
半月板損傷とは、膝関節のクッションの役割を担う半月板が損傷する病気です。
半月板が損傷すると、膝を曲げたり伸ばしたりしたときに痛みやひっかかりを感じるようになります。
ひどい場合には、膝に水が溜まって腫れることもあります。
半月板損傷の原因には、スポーツによる外傷や加齢による劣化などが挙げられます。
重症になると、切れた半月板が関節内で引っかかり膝が動かしにくくなることもあります。
オスグッド病
サッカーやバスケットボールなどのスポーツをする小学生、中学生や高校生に多く見られる、膝の脛骨が出っ張って痛むという骨軟骨炎です。
スポーツなどによって膝の脛骨粗面(けいこつそめん)の骨端線という部分に障害がおこり、進行するとこの部分が剥がれるものです。
10歳〜15歳の成長期の子どもによくみられます。
膝の前下部に痛みが生じ、痛みは運動時に現れて安静時になくなるのが一般的です。
時には腫れや熱を持つこともあります。
骨のがん
骨のがんには、臓器に発生したがんが骨に転移する転移性骨腫瘍や、骨を起源として発生する骨肉腫などの原発性骨腫瘍がありますが、このような病気でも膝に痛みが生じることがあります。
いずれも発生部位やその周辺に痛みや腫れが主として現れますが、膝の障害とは違い、運動など何もしていなくても痛みや腫れが生じ、それが長く続くことが多いとされています。
日常生活上の原因と対処法
年齢や生活習慣、日常生活が原因となって膝に痛みがでることもよくあります。
加齢
年齢を重ねるごとに膝を支える周辺の筋肉が衰えるほか、膝の関節軟骨がすり減っていき、膝に大きな負担がかかるようになります。そして負担がかかって炎症が起きると、膝に痛みが生じることがあります。
加齢による膝の痛みは、筋肉の衰えが原因の一つになっていることから、まずは膝周辺の筋力を保持する、または強くすることが大切だといわれています。
膝への負担を減らすために、ウォーキングやジョギング、水泳・水中ウォーキング、エアロバイク、体操、筋力トレーニングなど、無理なく継続的に続けられる程度の運動がよいです。
ただし、症状によって適切な運動が異なるので、まずは医師に相談してみるのが推奨されます。
また、布団ではなくベッドにする、洋式のトイレを使用する、重いものを持ち上げない、正座を避けるなど、日常生活で膝に負担をかけないよう心がけます。
太り過ぎ
重力の影響から、体重が重いほど膝にかかる負担が大きくなり、体重が1kg増えただけで歩行時の膝への負担が3kg増加するといわれています。
膝に大きな負担がかかり続けると膝の関節軟骨がすり減り、炎症が起きると痛みが現れるようになります。
膝に負担をかけないために適正体重を上回っているなら、食生活の見直しや軽い運動を取り入れて、体重を減らすようにします。
また、日常生活において膝に負担のかかる動作を避けることも大切です。
運動不足
運動不足は筋力の低下を引き起こします。
筋力が低下することで膝への負担が増え、膝の関節軟骨がすり減って摩擦が起き、その摩擦が炎症を引き起こし痛みとなって現れることがあります。
膝の痛みによってさらに運動を控えてしまいがちですが、筋力を鍛えるために、日常生活にウォーキングなどの身近な運動を取り入れるようにします。
膝の痛みが強ければ、水泳・水中ウォーキング、エアロバイクなど、膝への負担が少ない運動から始めるのがよいです。