将来Wi-Fiに代わるLi-Fi
どうやら将来Wi-Fiに代わる新しい通信システムだということが分かったので、少し調べてみました。
Li-Fiとは
Li-Fi(ライファイ)はLi-Fiは、「Light Fidelity」の略で、LEDを使用した光無線通信技術の一種です。Li-Fiは、現行のWi-Fiを超える超高速のデータ通信が可能で、エネルギー効率も良く、さらにはセキュリティ向上の可能性をも秘めています。
歴史
Li-Fiが世界に紹介されたのは、エジンバラ大学の物理学者ハラルド・ハース(Harald Haas)氏が、「2011年のTEDでの講演の際、電球を無線のルータとして使うというアイデアを述べたとき」という紹介が多いようです。ですが、日本では2003年にLEDの可視光通信の実用化に向けて、可視光通信コンソーシアム(Visible Light Communications Consortium)が発足しています。
また、ネット上では2008年頃から研究されているという記述もありますが、2001年に「白色 LED 照明を用いた照明光通信の提案」(慶応義塾大学:小峯敏彦 他)という論文が発表されていますので、LEDを使ったデータ通信の研究は比較的古くから行われているようです。
Wi-Fiよりかなり高速
この光無線通信技術は、発光ダイオード(LED)からの光を媒体として使用して、Wi-Fiと同様にネットワーク化されたモバイル高速通信を実現します。
可視光通信(VLC,Visible Light Communication)はLEDへの電流を人間の目では速すぎてわからないほどの速さでオン/オフすることで動作します。
Li-Fiは人間の視界下まで薄くすることができます。
光波は、Wi-Fiと比較して安全ですが、壁などは貫通できません。
Li-Fi通信は、光源から直線的でなくても、壁に反射した光でも70Mbpsで通信が可能です。
2014年7月の「E&T(ENGINEERING AND TECHNOLOGY)」には、メキシコのソフトウェア開発会社であるSisoftが、可視光通信(VLC)技術を使用して、10Gbpsでインターネットデータを無線で伝送することに成功したとあります。
2014年7月の「E&T(ENGINEERING AND TECHNOLOGY)」には、メキシコのソフトウェア開発会社であるSisoftが、可視光通信(VLC)技術を使用して、10Gbpsでインターネットデータを無線で伝送することに成功したとあります。
「International Journal of Emerging Research in Management &Technology(May 2016)」には、「LED(発光ダイオード)電球を使用して、最大224ギガビット/秒の速度を誇るデータ転送を可能にします。」とあり、理論的には224Gbpsの速度が出せるようです。
これは2時間ほどの映画データを1秒間に18本もダウンロードできる速さとのことです。
2019年に日本でも、シグニファイジャパン合同会社からインターネットに接続可能なLi-Fi技術対応の証明器具が発表されました。
LEDの光を使った無線高速通信「Li-Fi」のデモを英pureLiFi社が、交通分野の展示会「交通インフラWEEK 2019」(TECHNO-FRONTIER 2019の同時開催展示会として、2019年4月17~19日、幕張メッセで開催)で実施しました。
今回のデモでは、LED照明器具と、ノートパソコンに挿したUSB端末との間で通信を行いました。
USB端末には受光部を設けています。
Li-Fiの通信モジュールはまだ大きいですが、専用ICチップの開発などにより、今後は小型化が見込めるといいます。
用途としては、今回のデモのようなLED照明器具と部屋で使うモバイル機器との間の通信や、車載ライトを用いた車車間通信や車内通信、工場や航空機、病院といった電波を使うことが難しい場所での無線通信などを想定しています。
Li-Fiのメリット
Li-FiのWi-Fiよりも優れている点としては「LED素子を利用したセンサを利用でき、通信機器をコンパクトにできる」「今ある照明器具のインフラを活用できる」「新たな通信目的のエネルギーを必要としない」「病因などにある精密機器への配慮が必要ない」「現行のWi-Fiよりも通信速度が速い」「電波の干渉が起きない」「外部からのハッキングを防ぎやすくセキュリティが向上する」「電波法による免許申請が必要ない」などが挙げられるようです。Li-Fiのデメリット
Li-Fiの現在のデメリットは短距離までしか届かないこと、信頼性が低いこと、設置コストが高いことです。またLi-Fiの欠点は「直射日光が当たる場所では機能しない」ことです。
光センサーが変調光波を検出できなくなるからです。
Li-Fiの使用は室内に限られ、壁を通すことができないので、部屋ごとにLi-Fi対応のLED電球を取りつけなければネットには接続できません。
また、新しいLi-Fi用LEDタイプの電球が必要とされ、スマホやタブレットなどのデバイス側でも、Li-Fi用光センサー搭載でなければ接続できません。