パーツクリーナーの選び方



車のブレーキライニングの交換や、オイル漏れを確認するときには、パーツクリーナーがあると、便利です。

かなり汚れたていても、さっとスプレーして、ウエスで拭くだけできれいになります。

ただ、ついつい使い過ぎて、一缶すぐに空にしてしまうのが欠点です。


乾燥時間

パーツクリーナーは大きく3種類のタイプに分かれており、それぞれ乾燥速度が異なります。

用途に合わせてタイプを選びます。


速乾タイプ

パーツクリーナーのほとんどは速乾タイプになります。

速乾タイプはスプレーをするだけで油汚れを落として、吹き飛ばしてくれます。

一番手軽に使用することができるので、メンテナンスも楽になります。 

乾くまでの時間が早いので、作業効率をアップさせることができますが、頑固な汚れには弱いというデメリットがあります。


遅乾タイプ

遅乾タイプは乾くまでに時間がかかる為、洗浄成分が汚れにじっくりと浸透し、頑固な汚れもしっかりと落としてくれます。

ゆっくりと乾くので、ブラシなどを併用して使用することが多いタイプです。 

チェーンを洗浄する際なども、乾くまでに時間があることで調節しながら行うことができます。


中乾タイプ

中乾タイプのパーツクリーナーは、速乾タイプと遅乾タイプの間の乾燥速度を持っており、バランスのとれたタイプです。

遅乾タイプほどではないですが、ある程度の油汚れを落とすことができ、数分で乾くので、作業効率が高いです。



種類

パーツクリーナーには金属用のものとプラスチック・ゴム用のもの、兼用のものがあります。

素材に対応していないパーツクリーナーを使用してしまうと、パーツを傷つけてしまう場合があります。


金属用

金属だけに対応しているパーツクリーナーは物質を溶かす成分が入っているので、プラスチック・ゴムには使用できません。

金属用は主に車や自転車のホイール、ブレーキなどに使用されることが多いです。 

また、金属用のパーツクリーナーにはサビを防止する効果もあるので、メンテナンスには欠かせません。



プラスチック・ゴム用

多くのパーツクリーナーは強い洗浄力ゆえにプラスチックやゴムを痛めてしまいます。

具体的には溶けたり白化したりといった症状が現れます。

そのため、コストは少し上がりますが、プラスチックやゴムを傷めないパーツクリーナーもラインナップされています。

プラスチック・ゴム用、もしくは金属・プラスチック・ゴム兼用のものは、通常のパーツクリーナーとは異なり、プラスチックやゴムを傷めることがない為、金属とプラスチックの混合パーツなどにも使用することができます。 

ただし、兼用タイプは金属用と比べて洗浄力が落ちる傾向にあるので、頑固な油汚れなどには不向きです。


逆噴射対応ノズル

大容量のパーツクリーナーなどは、サイズが大きく、使いにくい場合があります。

その場合には缶を上下逆さまにしてもスプレーができる逆噴射に対応しているものがおすすめです。

特に、狭い場所でどうしても逆さにしなければならない場合に役立ちます。


有機溶剤の含有量

パーツクリーナーの有機溶剤含有量は製品によって異なります。

有機溶剤とは、洗浄・脱脂効果のあるもので、有機溶剤の含有量によって汚れを落とす性能が決まります。

洗浄力の高いパーツクリーナーを選びたいという場合には、有機溶剤の含有量をチェックする必要があります。 

ただし、有機溶剤の含有量はネットで見ると情報が記載されていないものが多いです。

有機溶剤が多く使用されているものは価格も高くなりますが、高いからといって多く含まれているとは限りません。

一般的に、ホームセンターで販売されているものは含有量が少ないですが価格が安く、整備工具店のものは価格が高いですが含有量が多く、ネットで販売されているものは含有量が多く価格も安いです。

しかし、ネットでは送料などがかかるので、チェックが必要です。


メーカー

パーツクリーナーは使用する上で危険性もあるアイテムなので、信頼のおけるメーカーのものを選びたいものです。

パーツクリーナーで有名なのが呉工業株式会社の「KURE」、株式会社和光ケミカルの「WAKO'S」です。 

呉工業株式会社は昔からパーツクリーナーを製造し続けてきた信頼性の高いメーカーです。

ワコーズは多くの自動車メーカーで使用されているほどの高品質な製品を作っています。

KUREは1960年創業の東京目黒区に本社を置く呉工業株式会社が開発したブランドです。

1962年に発売開始したKURE5-56の成功により、カーケア・メンテナンスケミカルという新しい市場を開拓した企業です。

現在もこの分野のパイオニアとして市場のニーズをいち早く把握し、様々な製品の開発、製造、販売を独自に行なっています。

また、高性能、高品質の商品を提供するために「 KUREスタンダード」と呼ばれる厳しい独自基準を設けています。

WAKO'S(ワコーズ)は、1972年創業のケミカル製品総合メーカー「株式会社和光ケミカル」が開発したブランドです。

国内外に多くの総合メーカーが存在する競争の激しい市場で「技術力」と「人間力」を武器に勝ち残ってきた老舗メーカーです。

開発部門と営業部門が密に連携しており、常に現場から情報を集めることで本当に必要な製品の追求をしています。

また、自社内に研究開発設備と研究者を有しており、現場での情報収集から分析・製品開発、そして現場へのフィードバックを一貫して行っています。

WAKO'Sは自社内に認証工場を完備しているので、全ての製品にプロのメカニックによるテストを実施しているため製品の信頼度も高いと言えます。

AZ(エーゼット)は、1955年創業の潤滑、防錆グリースをメインに取り扱う株式会社エーゼットのブランドです。創業当時は「日ノ出 砿油商会」という会社名でしたが、平成元年に現在の社名に変更になりました。

創業当時はミシン問屋へミシンオイルを販売していましたが、1973年に国内で初めてグリースをスプレー化することに成功し、ハンディグリーススプレーを販売開始しました。

1996年に39アイテムを新発売し、定番のラインナップを確立しました。

現在も工業用潤滑油以外にも自動車、バイク、自転車用潤滑油、ケミカル品、クリーナーなど幅広く販売しているメーカーです。


意外なものをきれいにする用途

洗浄力が強すぎるものや洗浄したいものの素材と合わない場合がありますので予め目立たない場所で試す必要があります。

またパーツクリーナーは火気厳禁ですので火元や高温になる場所では絶対に使用不可です。

ガラスの水垢とりにもパーツクリーナーは大活躍してくれます。

少量鏡につけてこするだけで水垢は容易に落ちます。

あとはしっかり入念に洗い流します。

また水垢を洗った時はパーツクリーナーに限らずしっかり水を拭き取る作業が必要です。

換気扇や換気フードの油のこびり付きもパーツクリーナーがあれば簡単に落ちます。

パーツクリーナーは車の油汚れも落とすぐらいですから家庭の油汚れもしっかり落としてくれます。 

大きなビニール袋に換気扇の部品を入れてパーツクリーナーを吹きかけるだけです。

これで落ちない油汚れはタオルやブラシなどで擦ってあげるだけで綺麗に落ちます。


電子部品への使用

コンピューターなどの電子部品へ直接パーツクリーナーを噴射すると、ショートなどの不調を招く可能性があります。

使用の際は電子部品使用OKと記載されているパーツクリーナーを使うことが必要です。


パーツクリーナーはとても引火しやすい

パーツクリーナーは極めて引火しやすい性質があります。

パーツクリーナーの主な成分であるイソヘキサン、エチルアルコール、アセトン、シクロヘキサン、ノルマルヘキサンは揮発性が高く火を近づけるとすぐに引火してしまいます。

ですので必ず火の近くに持っていくことは絶対に不可です。


有機溶剤の人体への影響

シンナーなどに代表されるように、有機溶剤は人体に悪影響を及ぼします。

そのため、使用時はしっかりと換気をして、吸い込むことがないようにすることが肝要です。

また、有機溶剤用の防毒マスクの使用も有効です。


パーツクリーナーの保管方法

パーツクリーナーはとても引火しやすく、静電気でも火災の元になってしまう可能性があります。

保管している時にも最新の注意を払わなければなりません。

直射日光に当てていなくても、高温の車内等、温度が高温となる場所に放置することは大変危険です。

高温の車内で爆発すると、窓ガラスを割るほどの大きな衝撃が起きるので要注意です。

必ず暗所で涼しい場所に保管する必要があります。

外に置く時も必ず直射日光の当たらない日陰などでの保管が必要です。


KURE パーツクリーナー プラスチックセーフ3021

内容量:420ml

価格:(アマゾン)¥656

名前から分かるようにプラスチックやゴムへの攻撃性がないため、安心してプラスチックやゴムの洗浄に使用できます。

プラスチックにかかっても素材を傷めないので、金属とプラスチックの混合パーツにも安心して使用することができるのがメリットです。 

また、強力な洗浄力とジェット噴射で油分や汚れをすばやくきれいに洗浄することができ、缶を逆さにしても使用可能です。


ワコーズブレーキ&パーツクリーナー9 BC-9  A189


内容量:650ml


価格:(アマゾン)¥1,485

速乾性タイプのブレーキ・パーツ洗浄スプレーです。 

ブレーキ周りの脱脂洗浄や機械部品に付着した油脂類の洗浄・脱脂に効果を発揮します。 

ゴム・プラスチックに対して影響が少ないので、電子部品等の脱脂洗浄にも効果的です。 

逆さでの使用も可能です。


ヒロバ・ゼロ(旧Garage Zero) 速乾 ブレーキ&パーツクリーナー GZBP04

内容量:650ml(原液量500ml)

価格:(アマゾン)¥572

逆さ噴射可能で、原液量500mlで強力噴射できるパーツクリーナーです。

下地にやさしい速乾タイプとなっており、ゴム・樹脂・プラスチックにも使えて、Oリング・シールチェーンにも優しく、どんな場所にも使える万能なパーツクリーナーです。


エーゼット  速乾・強力 パーツクリーナー840ml 931

内容量:840ml(原液量500ml)

価格:(アマゾン)¥400

非塩素系溶剤を主剤にした速乾強力タイプのスプレーです。

ブレーキ装置の軸受け、ギア、チェーン等、機械部品に付着した油汚れを強力に落とします。

バイクチェーンの洗浄用としても使用することができます。

缶には標準装備の折れるノズルがついている為、収納がとても楽になり、ノズル部を紛失することもありません。

また、噴射の圧力でこびりついたギトギト汚れも一発で綺麗になり、しかも揮発性なので、ふき取りの必要もありません。

価格と容量を比べるとかなりコストパフォーマンスに優れた製品です。


AZ(エーゼット) パーツクリーナー 840ml プラスチック使用可 原液504ml A008 

内容量:840ml(原液量504ml)

価格:(アマゾン)¥599

優れた洗浄力・脱脂力で、軸受・チェーン・ギアなどの金属部品に付着した頑固な油汚れを強力に落とします。840mlの1本あたりの溶剤量は504mlで中身もたっぷりで、コストパフォーマンス抜群のパーツクリーナーです。 

有機溶剤中毒予防規則の対象となる有機溶剤を含まない有機則適用除外品で、低毒性の為、安心して使用することができるのが魅力です。プラスティック・ゴムにも使用することができるので、用途が多いです。 

臭いがほとんど無く、屋内で使用しても不快な臭いはありません。