アニメ短編映画「九十九」は森の中で道に迷った男が古い祠の中で妖怪に遭遇する話
脚本・監督:森田修平
ストーリー原案・コンセプトデザイン:岸啓介
キャラクターデザイン:桟敷大祐
CGI監督:坂本隆輔
美術:中村豪希
作画:堀内博之
CGI:佐藤広大
題字:木下真理子
音楽:北里玲二
音響監督:鶴岡陽太
舞台は18世紀のある山中です。
道に迷った男が祠を見つけ、その中で起きた出来事を描いています。
祠の中へ入りしばらくすると、中の光景が一変し、4方をふすまに囲まれます。
突然、ふすまが、男を中心として、ぐるぐる回り始めます。
すると、唐傘をさした小さい妖怪蛙が「アッチャ、アッチャ、使い捨て」と囃す唄と賑やかな金を打つ音と共にあらわれます。
そして、その後ろに使い古された多くの唐傘が破れの中に不気味な目を覗かせ、化けて出てきます。
男は、それらの傘に近づき、「これは、良い物だ」と言って、破れた傘すべてを張り直し、修理してやります。
最後に、妖怪蛙の破れ傘も、修理して返してやると、妖怪蛙はふすまの中へ消えていきます。
次に隣の部屋へ入ると、「私、きれい」という女の声が聞こえてきます。
ふすまに美しい着物を着た若い女が描かれおり、その女が男を振りかえると、数えきれないほどの絹織物が出てきて渦を巻き男をぐるぐると巻きます。
男は「なんと肌触りの良い織物だ」と言って、それらを縫い合わせて美しい着物に仕上げてやります。
男はふすまの女に向かって、「そろそろ外へ出してくれんかの」と言って、ふすまを無理に開けようとします。
ふすまを開けると、最後に修理できないほど古い道具が化けて出てきます。
古い道具の化け物は男に臭い息を吐きかけますが、男は手を合わせて祈り、古い道具をねぎらってやります。
古い道具の化け物は満足して、姿を消します。
朝、男が目覚めると、新品同然の唐傘と絹織物が置いてあり、男はそれを持って祠を去ります。