アニメ短編映画「頭山 Mt. Head」は日本の古典落語を題材を現代風にアレンジ、ケチな男の頭に桜の木が生える噺


頭山 (Mt. Head)は2002年、山村浩二によって短編アニメ化され、第75回アカデミー賞短編アニメ賞ノミネートをはじめ23の映画祭で受賞・入賞を果たしました。

このアニメ版の語り手は国本武春、脚本は米村正二でした。

色鉛筆やマーカーなどを駆使して通常のアニメと異なる技法で製作されました。

上映
時間は10分ですが、構想から完成まで6年の期間を要しています

ケチな男が拾って来たサクランボの種を食べたために、頭に桜が生えて、そこに花見客が訪れます。

花見客が騒がしくて桜の木を抜くと今度はその穴に水がたまって、海水浴客が集まってきます。

落語「あたま山」を現代、東京に舞台を移し、アニメーションで新解釈を試みた作品です。

本作品はアニメーション映画祭の最高峰アヌシー2003で日本人初のグランプリも獲得している。

「頭山(あたまやま)」は、元々落語の演目の一つです。


「頭山」は江戸落語での名称で、上方落語では、「さくらんぼ」の題名で演じられて、桂雀々の持ちネタのひとつでもありました。

主にケチの噺の枕として使われる小噺ですが、八代目林家正蔵(林家彦六)は話を膨らませて一席噺として演じていました。


あらすじ




ケチな男が、サクランボを種ごと食べてしまったことから、種が男の頭から芽を出して大きな桜の木になります。


近所の人たちは、大喜びで男の頭に上って、その頭を「頭山」と名づけます。


おおぜいの花見客が彼の頭に押しかけ、飲めや歌えの大騒ぎします。

男は、頭の上がうるさくて、苛立ちのあまり桜の木を引き抜いてしまい、頭に大穴が開いてしまいます。


ところが、この穴に雨水がたまって、
魚釣りを始めたり、海水客が集まりだす始末でした。

男は怒り心頭に発し、自分で自分の頭の穴に身を投げて死んでしまいます。