ユーザー車検を初めて受ける場合は予め手順や対処法を充分確認しておいた方が良い
ユーザー車検の場合、自分で運輸支局などに予約を入れ、車を持ち込んで所定の検査を受けることになります。
かなりハードルが高い印象を受けますが、実際どのような手順で行われるのか調べてみました。
車検の予約
通常、車検といっているのは、この「継続審査」のことを言います。
「継続審査」以外には、未登録の自動車を使用するときに受ける「新規検査」、自動車を改造(幅、長さ、高さ、形状等)した時に受ける「構造等変更検査」が有ります。
車検は車検証の有効期限の1ヶ月前から受けることができますので、ユーザー車検の予約は車検の有効期限の概ね45日前以降に行うことができます。
運輸支局などに持ち込みを行う際には、以下の書類が必要になります。
検査当日に車検場で車検に必要な書類は以下のとおりです。
1)自動車重量税納付書・印紙
車種 自動車審査証紙 検査登録印紙
小型自動車 1,300円 400円
普通自動車 1,400円 400円
出典:一般財団法人 自動車検査登録情報協会 検査・登録に係る主な手数料
普通自動車のユーザー車検を受けるには、国土交通省の自動車検査インターネット予約システムから予約する必要があります。
検査を受けたい運輸支局、検査登録事務所と日時(時間帯)を指定して予約することができ、受検日の2週間前から受け付けています。
用意する書類
1)自動車検査証(車検証)
2)自動車税納税証明書
3)定期点検整備記録簿(法定点検が終わっている場合のみ)
4)自賠責保険(共済)証明書
5)認印
検査当日に車検場で用意する書類
運輸支局、検査登録事務所の窓口で用意されています。
運輸支局内に見本があるので、それを確認しながらご記入します。
書類に押印を行う箇所がありますので、この時に予め用意した認印を使います。
2)継続検査申請書(専用3号様式)
3)自動車検査票・手数料納付書・印紙・証紙
手数料は、車種に応じて以下の金額の自動車審査証紙、検査登録印紙を窓口で購入して、用紙に貼り付けて納付します。
小型自動車 1,300円 400円
普通自動車 1,400円 400円
出典:一般財団法人 自動車検査登録情報協会 検査・登録に係る主な手数料
車検当日の流れ
検査を実施する際は、指示された検査コースを案内表示に従って進んでいきます。
ユーザー車検の場合、検査に不慣れなことがほとんどなので、車で検査コースに入る前にコースの見学をしておくと安心して検査を受けることができます。
わからないことがあったら、あらかじめ窓口の検査官に確認しておけば、親切に教えてくれます。
車検ラインでは以下の項目を確認します。
検査コース内で各項目の合否を記録していくので、自動車検査票を手元に準備しておきます。
車検を行う自動車(車台番号、種別、用途、形状など)が、車検証や申請書類の記載と同じであるかを、検査員が確認します。
外観検査
外観検査
車体、保安装置(クラクションなど)、走行装置(タイヤなど)、 乗車装置(シートベルトなど)、灯火器類(ウインカーなど)に問題がないかを確認します。
サイドスリップ検査
サイドスリップ検査
前輪タイヤの横滑り量(直進安定性)を確認します。
ブレーキ検査
ブレーキ検査
前輪・後輪・駐車ブレーキの制動力を確認します。
スピードメータ検査
スピードメータ検査
実際の速度と、速度表示機器との誤差を確認します。
ヘッドライト検査
ヘッドライト検査
ヘッドライトの光量・光軸の向きが、基準を満たしているかを確認します。
排気ガス検査
排気ガス検査
排出ガスに含まれる一酸化炭素と、炭化水素の濃度を確認します。
下廻り検査
下廻り検査
かじ取り装置・オイル漏れなど、車両下部の不具合を確認します。
合否判定
すべての項目をクリアした場合、検査結果を総合的に判定し、車検の合格となります。
すべての項目をクリアした場合、検査結果を総合的に判定し、車検の合格となります。
審査に適合した場合、継続検査受付窓口に用意した書類をすべて提出し、新しい車検証および有効期間の検査標章(ステッカー)を受け取ります。
車検証の内容を確認し、新しいステッカーをフロントガラスに貼り付けます。
車検を受けられるのは平日のみのため注意が必要です、
車検の注意点
検査の時間も区切られているので、予約の際に時間をはっきりと確認しておくようにします。
検査で不適合の項目があった場合、不適合項目を再度点検・整備しなくてはなりません。
検査で不適合の項目があった場合、不適合項目を再度点検・整備しなくてはなりません。
点検・整備の結果、保安基準に適合する状態となった後、再び検査コースに戻り、当日の審査時間内に限り審査を受けることができます。
不適合になった翌日以降に再申請する場合は、新たに検査手数料が必要となります。
車検と24ヶ月点検は別物
車検は、公道を走るために、安全面・環境面などが保安基準に適しているかどうかの検査です。
車検と24ヶ月点検は別物
車検は、公道を走るために、安全面・環境面などが保安基準に適しているかどうかの検査です。
一方、法定24ヶ月点検は、車の故障を防ぐための定期点検で、エンジンやブレーキなどに関して、それぞれに決められた検査を行います。
点検は専門知識・専門工具が必要で、ユーザーが自ら行うのが難しい内容です。
車検前にやっておくべきメンテナンス
タイヤの確認
溝は、一番減っているところを測定して1.6ミリ以上残っている必要があります。
ガラスのヒビや傷
フロントガラスにヒビや損傷などがないか確認します。
灯火装置
外装の灯火装置(ヘッドライト・テールランプ・ブレーキランプ・バックランプ・ナンバー灯・ウインカー等)が点灯しているかを確認し、切れている場合、電球を交換します。
シートベルト
メーター
マフラー
ホーンを押し、警告音がキチンと鳴るかどうかをチェックします。
マフラーからの排気漏れがないかを目視で確認します。
空ぶかしをして、漏れの有無を音からもチェックします。
排気漏れがある場合、補修剤で補修するか部品交換が必要です。
ホーン
ホーンを押し、警告音がキチンと鳴るかどうかをチェックします。
ワイパー、ウィンドウォッシャー
発煙筒
前輪駆動車の場合、フロントタイヤ内側と車体の中央側、後輪駆動の場合はリアタイヤ内側と車体の中央側にあります。
ハンドルをめいいっぱい切って、タイヤ内側・車体中央をのぞき込み、ドライブシャフトブーツに損傷や破けがないか確認します。
部品は左右にありますから、ハンドルを左右に切ってチェックする必要があります。
ステアリングラックブーツ
ハンドルをめいいっぱい切ってフロントタイヤの隙間から車体中央側をのぞき込み、ステアリングラックブーツに損傷や破けなどがないか確認します。
こちらも左右に付いていますから、ハンドルを左右交互に切ってチェックします。
車検前に定期点検を行っておけば、車検で求められる保安基準は難なくクリアできます。
この24カ月法定点検整備は、ユーザー車検の場合は自分自身で点検・整備を行うか、もしくはそれが難しい場合は24カ月法定点検整備のみを業者に依頼するか、どちらかを選択します。
予備検査場は、車検前に利用して不具合箇所がないか確認して、不具合がある場合、車検に通るように調整します。
事前に定期点検整備を行わずに車検を受け、後から点検整備を行うことは前検査(=後整備)と呼ばれ、逆は前整備です。
車は、法律によって定期点検が義務付けられています。
車の使用者は、1年(12カ月)で26項目、2年(24カ月)で56項目の点検を実施する義務があります。
予備検査場
車の整備に自信がない場合、サポートしてくれるのがテスター屋とも呼ばれる予備検査場です。
予備検査場は、車検前に利用して不具合箇所がないか確認して、不具合がある場合、車検に通るように調整します。
またユーザー車検で不合格になった場合に、不具合箇所を解消して再検査に備えるために利用します。