ロシアの新しい単発Vテール方式のステルス機
2021年7月20日にロシアのモスクワで開幕したMAKS2021航空ショーで、ロシアの新型ステルス戦闘機「LTSチェックメイト」が公開されました。
単発エンジンの軽量戦闘機で輸出を強く意識しており、そのため名称の「Checkmate」は英語を用いています。
LTSはロシア語キリル文字ЛТСのラテン文字転写で、ЛТС : легкий тактический самолет(軽量戦術航空機)という意味になります。
新型戦闘機「チェックメイト」の基本的なスペックは最大速度マッハ1.8~2.0、航続距離は機内タンクのみで2,993km(作戦半径は1,496km)、ペイロードは6.8トン以上で、同機のウェポンベイは左右のエアインテーク側面に1基づつと大型のウェポンベイが機体下部に設置されており、ここにR-37Mの輸出版「RVV-BD」を3発搭載可能としています。
また新たな試みとして、「チェックメイト」には操縦を支援するAI=人工知能も導入されていて、将来的な無人化も視野に入れています。
「チェックメイト」は2023年の初飛行後、2025年まで試験機で改良を続け、2026年に配備される予定です。
チェックメイトの機体の特徴は以下の通りです。
ステルス形状
エンジン単発
V字尾翼(水平尾翼と垂直尾翼を兼ねる)
側面兵器倉(機体前方左右。空対空ミサイル専用)
中央兵器倉(胴体下。空対空ミサイル及び空対地ミサイル等)
機関砲は内装せず(必要に応じて外装ガンポッドを取り付け)
さらにボリソフ副首相は「我々は既に最初の顧客=ローンチカスタマーを獲得済みで、彼らのためにチェックメイトを開発している」と付け加えたため多くの注目を集めています。
ロシア空軍向けにSu-75という名称を取得する可能性があります。
今回公開された機体はモックアップではなく飛行可能な試作機です。
チェックメイトは無人機とのエアチーミングが可能とし、さらにチェックメイトは小型の無人機を搭載して必要に応じて発射可能としています。
短距離離着陸に対応していると説明しています。(F-35Bのような短距離離陸・垂直着陸ではない)
エンジン単発
V字尾翼(水平尾翼と垂直尾翼を兼ねる)
側面兵器倉(機体前方左右。空対空ミサイル専用)
中央兵器倉(胴体下。空対空ミサイル及び空対地ミサイル等)
機関砲は内装せず(必要に応じて外装ガンポッドを取り付け)
空気取り入れ口(エアインテイク)は機首下方にありますが開口部が側面まで回り込む珍しい設計です。
さらにチェックメイトの最大荷重はSu-35よりも低い「8G」に設定されているので機動性や操縦性よりも低観測性や航続距離に重点を置いて設計された可能性が高く「Su-57と同じ正面方向からのステルス性能を追求したのだろう」と海外メディアは評しています。
ロステックのチェメゾフCEOはチェックメイトの調達コスト(機体単価で関連費用を含んでいない)について「2,500万ドル~3,000万ドルになる」と説明していますが、海外メディアは「楽観的過ぎる」と否定的な報道をしています。
チェックメイトの設計を担当したスホーイ設計局の関係者は「コスト削減のため可能な限りSu-57の技術、各種コンポーネント、搭載兵器を流用した」と述べています。
海外市場で人気が高いF-16Vの機体単価は約5,490万ドル/約58.5億円(国防総省がFMS経由で受注したF-16Vをロッキード・マーティンに発注した際の契約金額を発注数で割った数字)、中国とパキスタンが共同開発したJF-17ですら機体単価は約4,000万ドル/約44億円(推定金額:ナイジェリア空軍向けのBlock2)もするため、正面方向のステルス性能が優秀なチェックメイトが本当に3,000万ドル/約32億円程度で海外市場に供給されはじめれば、ある程度の低観測性能を有している中国のJ-31、韓国のKF-21、トルコのTF-Xよりも低価格となり、かなり輸出競争力を持つと考えられます。
MAKS国際航空ショーの会場を訪れたユーリー・ボリソフ副首相(国防・宇宙産業担当)はメディアに対して「チェックメイトはアフリカ諸国、インド、ベトナムに焦点を合わせており、同機の需要は少なく見積もっても300機前後はあると推定されるが、これが実現するかどうかはチェックメイトを如何に素早く海外市場へ投入できるかにかかっている」と語りました。
さらにボリソフ副首相は「我々は既に最初の顧客=ローンチカスタマーを獲得済みで、彼らのためにチェックメイトを開発している」と付け加えたため多くの注目を集めています。
今回公開された機体はモックアップではなく飛行可能な試作機です。
チェックメイトは無人機とのエアチーミングが可能とし、さらにチェックメイトは小型の無人機を搭載して必要に応じて発射可能としています。
短距離離着陸に対応していると説明しています。(F-35Bのような短距離離陸・垂直着陸ではない)