クルマの寿命の考え方


車両の償却コスト

「修理コストが車両の償却コストより高かったら寿命」という考え方です。

新車価格270万円のクルマに乗っており、20年目を迎えたとしたら、この時点で1年あたりの減価償却は16.5万円です。

16.5万円の価値を残していることになります。

この16.5万円以上の修理が発生したら寿命と考えます。


エンジンの破損

エンジンやミッションといった耐久性の高い大物が壊れたら、通常20万円以上の費用が掛かります。

その時に既に20年を超えていたら、減価償却の考え方からして寿命と言えます。

特にエンジンが壊れた場合は、車の寿命と考えた方が良いです。

車の寿命とは、「走行に安全上の限界がくること=エンジンの寿命」を指す場合がほとんどです。

エンジン内のパーツはピストンやピストンリング、コンロッド、ゴムパッキンなどがありますが、これらを交換するためには少し大掛かりな修理が必要になります。

壊れ方によってはエンジンを丸ごと交換した方が安上がりな場合もあり、修理費用は30万円以上になることもあります。


走行距離

走行距離による寿命というのもあります。

1年間で2万km乗るような使い方をしていると10年で20万km走ります。

これだけ走ると様々な部品が消耗し、壊れ始めてしまいます。

270万円の車両なら270万円/20万km=13.5万円/1万kmですから、2万kmで27万円が基準です。

27万円以上掛かるようだったら寿命という判断をします。


部品の寿命

大雑把なイメージとして、年数なら13年、または走行距離20万kmを越えたあたりで大きなトラブルに遭遇したら、乗り換えを考えることが多いようです。

エンジン本体についていえば普通に使って30万kmは持ちます。

タイミングベルトやウォーターポンプ、発電機といった補機類は10~15万kmで交換するのが目安です。

このタイミングベルトが劣化で切れてしまうと、バルブとピストンが干渉してエンジン本体に重大なダメージを与えてしまいます。

始動時に白いオイル混じりの排気ガスを出すようになり、オイル上がりの判断がされると、エンジンを分解し、ピストンリングを交換するなど高額の修理が必要になることがありますので、その時点で乗り換えを検討することになります。

変速機は使用状況によって大きく変わります。

最近耐久性が増してきているため、ATもマニュアルも(クラッチディスクを除く)、30万 km/15年程度なら問題ありません。

ATだと変速ショックや変速時間。マニュアルならシフト時にガリガリ音がし始めたら寿命です。

経年変化で寿命を迎えるのがゴム類です。

特に油脂や水漏れを防ぐためのシール類は硬化によってトラブルを発生させます。

ガソリンホースのひび割れなどは火災に直結するので非常に危険です。

10年をメドにチェックする必要があります。

サビもクルマの寿命に大きな影響を与えます。

車体の主要構造にサビが出てきたら危険です。

衝突時の強度を確保できなくなるだけでなく、極端に進行すると走行中にサスペンションの破壊を起こすケースもあります。

海のそばや凍結防止剤を撒く地域のクルマは定期的に下回りのチェックが必要です。