クーラントが不足したら水道水を足してもOKか
短期間の使用であれば水道水の補充で問題なし
そのときは水道水でもまったく問題ありません。
冷却性能だけでいうと、ただの水に勝るものはありません。
比熱とはどれだけ温めにくくて、冷めにくいかを表しているものですが、水は比熱がかなり大きくて、冷却水には非常に適しています。
しかしロングライフクーラントには凍結防止剤や防錆剤、消泡剤といった各種添加剤の成分が入っているので、ただの水道水を混ぜるとそうした効果が薄れます。
従ってクーラント液に、水道水を入れると内部にサビを発生させたり、泡が生じたりなど、長く使うと不具合が発生する可能性があります。
とは言え、ほんの少しだけ減ったので、その分だけ補充するというのであれば、水道水は全く大丈夫です。
しかし、成分はどれもほぼ同じで、①エチレングリコール:凍結防止剤として、②防錆剤:ラジエーターや配管内部の錆を防止する、③消泡剤:冷却効率を高める、といった機能があります。
「エンジンを冷却する」という本来の目的だけを考えると、色違いのクーラントを混ぜても問題ありません。
しかし、色を混ぜると変色します。
すると、冷却経路で錆が混じったり、エンジンオイルが混入したりした場合に、クーラントの色でそうした不具合の診断ができなくなります。
そういう意味で、やはり同じ色のクーラントを補充すべきです。
補充の方法
クーラントを補充する場合は、ラジエーター本体の上にあるラジエーターキャップを外して入れるのではなく、クーラントリザーブタンクから入れたほうが簡単であり、また正確です。
なぜなら、クーラントリザーブタンクにはFULLとLOWあるいはMAXとMINあるいはHIGHとLOWなどの2つのラインが付いています。
クーラントはこの2本のラインのあいだにあるのが正常です。
だから、もしも2本のうちの下のラインであるLOWやMINより下にクーラントがあれば、これは補充が必要です。
補充の際に注意すべきことは、エンジンが冷えているときに補充しなければいけない、という点です。
クーラントはクーラントリザーブタンクとラジエーター本体のあいだで常時行き来しています。
エンジンが過熱したら一時的にラジエーター本体からリザーブタンクにクーラントが移動し、エンジンが冷えればまた戻る、といったことを繰り返します。
したがって、エンジンが完全に冷え切った状態でクーラントの量を確認しないと、本来あるべき量であるかどうかが判断できないのです。
補充するクーラントは2本のラインの中間点くらいがベストです。多すぎても少なすぎてもよくありません。