シールをきれいにはがす方法


ある物のシールを剥がして、貼りなおしたいと思っていますが、簡単かつきれいに剥がす方法を調べてみました。

シールの裏面には「粘着剤」がついています。

この粘着剤は粘性があり、圧力をかけることによって変形してシールが接する面の凹凸を埋めます。

粘着剤は水に濡れても落ちにくく、乾燥にもつよいため、一度貼りついてしまうとなかなか取れません。

また、熱や紫外線の影響を受けると、粘性を失う代わりに流動性が生まれ、ベトベトになります。

さらに時間が経つと今度は固形化してがっちりと固まってしまいます。

そうなると、シール部分は剥がれても、粘着剤だけが汚い跡として残ってしまうこともあります。

従って、シールは貼って時間が経つほど剥がしにくくなります。


ドライヤーなどで熱を加える

ステッカーやシールに使われているのり部分の粘着剤は、熱を加えると柔らかくなる性質があります。


剥がす手順は下記の通りです。

ドライヤーなどを使って温めることでのりを柔らかくし、剝がしやすくなります。

1. シールの角を少し剥がしておきます。

めくれない場合は、ドライヤーの温風をシールの上から10~20秒程度当て、粘着剤が少しゆるんでから端をめくります。

2. めくった場所から接着面を目掛けてドライヤーの温風を当てます。

3. シールにドライヤーの温風を10~20秒間ほどあててから、粘着剤が柔らかくなったら、少しずつゆっくり剥がしていきます。


シールが冷えると再び粘着剤が硬くなるので、熱を加えたらすぐに剥がすのがコツです。

温めすぎにも注意が必要です。

高熱を当てすぎることによって対象物が変形したり、粘着剤が溶けることもあるので、ドライヤーの温風を当てるときはシールから20センチほど離します。

水につけられないものに貼られたシールを剥がすときにも便利です。

ドライヤーを使った方法は、水分や溶剤などを使用しないので素材にシミがつきません。

金属素材やガラスなどに貼られたシール剥がしに向いています。

プラスチックや樹脂でコーティングされ、水につけても粘着面まで浸透しないタイプのシールにもこの方法は有効です。

但し、熱によって変形や変色してしまう場合もあるので、温風を当てすぎないように注意が必要です。

シールが破れず、上手く剥がれやすいので、貼りかえの用途に向きます。

但し柔らかいプラスチックなど熱に弱い素材にシールが貼られている場合は、ドライヤーを使うことはできません。


水と中性洗剤やセスキ炭酸ソーダを使う

シールに水をつけてふやかします。

シールに水をかけて乾かないようにラップをしてふやかしても良いです。

10分~20分くらいおいたら、端からシールをめくって簡単に剥がすことができます。


粘着剤が残ってしまった場合は、中性洗剤をつけてスポンジなどでこすると、中性洗剤の界面活性剤がシールの粘着剤を落としてくれます。

中性洗剤で粘着剤が落ちない場合は、セスキ炭酸ソーダの水溶液がおすすめです。

セスキ炭酸ソーダはアルカリ性なので、酸性の汚れを落とす効果があります。

粘着剤は酸性の物質が多く使われています。

セスキ炭酸ソーダの水溶液をベタベタした汚れにつけ、20分くらいおいてから、スポンジなどでこすると粘着剤を落とすことができます。


専用の剥がし剤・クリーナーを使う

のりを落とすために作られた専用の溶剤や、市販のクリーナーは効果的です。

シール剥がし剤を用いれば、専用の薬剤が粘着剤を溶かしてくれます。


ホームセンターや100円ショップでも売っています。

効率よくキレイに剥がすことができます。

これらの商品はニオイが強いものもありますので、十分に換気しながら使います。

また、使用上の注意をよく読んだ上で行います。

壁に接着するタイプのフックなどに用いる強力な粘着剤も溶かすことができます。

中性洗剤やセスキ炭酸ソーダ、ドライヤーの熱風でも剥がせなかった場合に試してみると良いです。

薬剤によってはシールだけではなく、プラスチックや木材などの素材や表面の塗装、コーティングなどを傷めてしまうことがあります。

シール剥がし剤を購入するときは、使える材質、使用禁止の材質を確認してから購入しまします。

使用できる材質かどうか判別が付かない場合は、目立たない場所で材質の変質や変色がないか試してみると良いです。


手順は下記の通りです。

1.
まずシール全体に剥がし剤・クリーナーををかけます。

2. シールに染み込むまで、取扱説明書に記載の時間をおきます。

大きなシールや、樹脂、プラスチックなどでコーティングされたシールは、カッターなどで切れ込みをいれてから薬剤をかけると浸透しやすくなります。

3. 乾いたタオルやヘラを使って、シールを擦ります。

シールをかき落とすように剥がします。

プラスチックのへらなどがついている場合は、それを用いても良いです。

この時、強くこするとシールが貼られている物に傷がついてしまう可能性があるので、注意します。


お酢やマニキュアの除光液・ハンドクリーム・練り歯磨きをシール剥がしに使うのは要注意

シールを簡単に剥がす方法として、お酢やネイルの除光液、ハンドクリームなどをシールにつけて剥がす方法もよく紹介されています。

これらは、どこのご家庭でも1つはあるものです。

しかし、お酢や除光液は、シールを貼ったものを傷めてしまうこともあります。

特に、除光液は樹脂を溶かすアセトンが主成分です。

従って、樹脂製の食器やおもちゃ、家具などには使えません。

お酢:水を2:1ぐらいに薄めて、シールに垂らしてラップをかけ10分ほど放置してから、ヘラを使って剥がすと、紙は取れますが粘着剤は上手く取れなかったという指摘があります。

また、ハンドクリームは油脂類が含まれています。

油脂類の力を利用してシールを剥がすそうですが、シミになる危険性があるので注意します。

特に、無垢材や白木を使った家具などは、油脂が染みこみやすいものです。

ハンドクリームは、よくネットに挙げられている方法ですが、たっぷり塗って10分放置しても、上手く剥がれなかったという指摘もあります。

練り歯磨きもハンドクリームと同様の結果で、ヘラを使って剥がすと、紙シールは剥がれても粘着剤が残ってしまったという結果がありました。

いずれにしも、シールを張り替える用途には、シールがかなりクチャクチャになってしまうので使えません。

「緊急処置としてお酢や除光液、ハンドクリームなどを用いてシールを剥がしたい」という場合は、目立たないところで試してみてから使用します。


粘着剤だけ残ってしまった場合

家庭用中性洗剤やシール剥がし剤などを使用してもシールの粘着剤、しつこいベタベタが残り、醜い跡になってしまう場合があります。

そのような残った粘着剤はガムテープやセロハンテープの粘着部でぺたぺたとうつし取るように取り除きます。

大抵の場合はこれできれいになるはずです。

それでもうまく取れない場合は、メラミンスポンジでこすり落とすのがおすすめです。


メラミンスポンジはプラスチックやガラス、陶器のほか、木材や塗装した合板などにも用いることができます

あまり力を入れず、軽くこするのがコツです。

なお、消しゴムを用いても同じように粘着剤をこすり落とすことができますが、消しゴムは摩擦力が大きいので塗装が剥げたりシールを貼った場所を傷めたりすることがありますので、注意します。

潤滑剤の「KURE CRC5-56」いわゆる「クレ556」を専用剤の代用とします。

シール跡汚れの原因である粘着剤を「クレ556」で溶かして取ります。

汚れた部分へ「クレ556」をかけて、20分ほど待ちます。

雑巾などで拭き取れば完了です。

「クレ556」で粘着剤は溶けますが、ゼリー状になるだけです。

粘着力は残っているので、拭き取る際にはちょっと注意が必要になります。 

拭くことで粘着剤を広げてしまわないように、一箇所へ寄せる感じで拭くのがコツです。

一度拭いた雑巾の面は再度使わず、折りたたみながらきれいな面で拭くようにします。