急の鼻水対処方法


ある日突然鼻水が出てきて困ることがあります。

突然くしゃみが何度か出て、それがきっかけで鼻水が止まらなくなります。

冬であれば、もう一枚上に羽織り、洗面所で何度か鼻をかみ、トローチを舐めて、マスクをしてから、水分を絶ってじっと治まるのを待ちます。

単なるアレルギーであれば、やがて治まるし、風邪であれば、収束するまで数日を要します。

鼻水は、風邪の代表的な症状のひとつで、黄色いどろっとした鼻水や、さらさらとした鼻水があります。

また、風邪以外でも、花粉症などのアレルギーの場合でも鼻水が止まらず苦しい場合もあります。


くしゃみと鼻水

くしゃみは鼻に侵入した異物などを除くために行う、からだの反射的な動作です。

呼吸などによって鼻の粘膜に空気中の異物が付着すると、神経が刺激され、脳に伝達されます。

そして脳の指令によって、肺と腹部の間の膜である横隔膜が収縮します。

肺が風船のように膨らみ、自動的に息が吸い込まれます。

それを一気に吐き出すことによって、異物を一緒に体外に排出しています。

鼻に侵入した病原体が増殖し粘膜を刺激すると、炎症が起こり白血球からヒスタミンなどの化学物質が出てきます。

ヒスタミンなどが三叉神経を刺激すると、鼻水が出たり、鼻水が粘膜を刺激したりしてくしゃみが出て、鼻水と共に病原体が体外に排出されます。


鼻水が出ることの意味

厄介な風邪を引いたときだけに限らず、副鼻腔や鼻の神経に炎症が起きたときや、感染症、アレルギー、食べ物など、鼻水がいきなり流れ出てくる原因はさまざまです。

風邪や花粉症などがなく、健康なときであっても、鼻で呼吸をしていると鼻水は鼻の粘膜から分泌されており、その量は1日数リットルにもなります。

ボストンにあるマサチューセッツ眼科耳鼻科病院に勤務する耳鼻咽喉科医のアハマッド・R・ セダガート医学博士は、「鼻の奥から喉に鼻水が流れ落ち、私たちは鼻水を知らずにいつも飲み込んでいるんです」と話します。

要するに、普段は鼻水の存在にあまり気づくことがありません。

一方で、大量に鼻水が出る日もあります。

特に汚い空気や冷たい空気が入ると、鼻水の分泌量は多くなります。

鼻水には加湿の役割のほか、鼻の中に入ってきた異物を外に出す役割があります。

風邪ウイルスや花粉、ほこりが入ると鼻水がたくさん出ます。

 


鼻水の違い

鼻水の種類には、透明でさらさらとした水性のものと、黄色くどろっとしたものに大きく分けられます。

花粉やほこりなどが原因となるアレルギー性の鼻水は、前者のさらさらした鼻水です。

このような鼻水が続く場合は慢性的なアレルギー性鼻炎の可能性があり、この鼻水の中にはアレルギーと関係のある好酸球が多く含まれます。

一方、ウイルスや細菌などの感染によって出る鼻水は、後者のどろっとした鼻水です。

いちばん多い原因は風邪です。

風邪のウイルスが鼻の中に侵入すると、細胞の分子にウイルスが付着し、これに対し「サイトカイン」という活性物質が分泌されて炎症を引き起こすと説明するのは、ニューヨークにある大学付属病院「NYU Langone Health」に勤務する耳鼻咽喉科医のエリック・フォークト医学博士です。

「人体は侵入したウイルスを撃退するために炎症を起こすのですが、その炎症の影響の一つとして鼻水も含まれています」と説明します。

フォークト医学博士いわく、風邪を引いたときは、透明でサラサラした水のような鼻水が出やすいそうです。

鼻水以外の炎症の症状は、くしゃみや咳、喉の痛み、涙目、軽度な体の痛みなどがあるそうです。

風邪は、水っぽい鼻水で始まり、そのあと熱やせきも伴い、炎症がひどいときは鼻詰まりも起こります。

水っぽい鼻水は途中から黄色くなり、だんだんと粘っぽくなりますが、途中で細菌の二次感染すると、どろっとした鼻水になります。

この中には、ウイルスや細菌と戦う白血球が多く含まれています。


朝の「咳」

鼻水は通常外に出るので鼻をかむことになります。

風邪をひいたときなどは、副鼻腔というほおの内側にある粘膜にも炎症がおよび、副鼻腔からも鼻水が分泌され、のどの奥へ出ていくこともあります。

これを後鼻漏(こうびろう)といいます。

鼻水がのどから気管支に流れ込むとせきが出ます。

時には喘息に似た症状になることがあり、特に明け方にせきが多い場合はこれが関与しているようです。

通常、風邪が治れば後鼻漏もよくなりますが、風邪が治ったあとも黄色いどろっとした後鼻漏が続くときは、慢性の副鼻腔炎がある可能性があります。


風邪の鼻水を止める方法

残念ながら、風邪を引いたときの鼻水の治療法はないので、休養と水分補給を徹底するのが良いそうです。

もし感染による鼻水であれば、体がなるべく細菌やウイルスを体の外へ排除しようとして鼻水を出していますので、無理に止める必要はなく、むしろ出し切ることが大切です。

鼻水が出なくなるまで、しっかり鼻をかんで、外へ出します。

その際、強くかみすぎると粘膜を傷つけるので、注意が必要です。

どうしても鼻水を止めなければいけない必要があるときには、薬局で購入できる風邪薬や抗ヒスタミン薬を服用すると良いそうです。

フォークト医学博士いわく、鼻水を引き起こす原因でもある「ヒスタミン」と呼ばれる化学物質の働きを止めることができるそうです。

風邪であれば1週間ほどで改善します。


副鼻腔感染症の鼻水対策

ベッドから出られないほどの倦怠感や、発熱、咳、 痰、あるいは粘り気のある黄色や緑色の鼻水が出るといった症状がみられたら、それは単なる風邪ではなく、副鼻腔感染症の可能性が高いです。

「細菌によって炎症や感染、分泌物を引き起こし、鼻水が突然発症する」と話すのは、ニューヨークのマウントサイナイ・ベス イスラエル病院に勤める耳鼻咽喉科医のアンソニー・G・デルスィニョーレ医学博士です。

副鼻腔感染症であれば、鼻水が喉に流れおりてくる「後鼻漏」という症状にも気がつくかもしれません。

細菌に感染することで発症する副鼻腔感染症になると、対症療法のみでは治療が難しく、抗生物質が必要になるかもしれません。

薬局で購入できる市販薬も有効ですが、何よりも多くの医師が推奨するのは、食塩水で鼻腔を洗い流す「鼻うがい」です。

鼻の中がスッキリすると、セダガート医学博士は話しています。

食塩水の作り方は、非ヨウ素添加塩(小さじ1/2杯)と、ベーキングソーダ(小さじ1/2杯)を蒸留水、または滅菌水(1カップ)に入れて混ぜるだけです。

この分量は、体内の塩分濃度と調和するのだそうです。

アマゾンや薬局で販売されている鼻うがい用の食塩水を購入しても良いです。

洗浄方法は、ネティ・ポット(鼻孔洗浄用ポット)に食塩水を入れて、シンクに体を傾けた状態で、ノズルを鼻腔に差し込み、食塩水を鼻から出し入れします。

「食塩水を入れた鼻と同じ鼻から食塩水を出してもいいし、反対側の鼻から出しても、口から出しても構いません」と、セダガート医学博士は説明します。

1日に2〜3回行うと効果的です。


アレルギーによる鼻水対策

一方、アレルギー性の鼻水は、予防が最も大事になります。

出てくる鼻水は、免疫系が過剰に刺激されることによるものですので、花粉やほこりなどのアレルギー物質がなるべく体に入らないように、マスクや手洗いなどでしっかり防ぎます。

寒暖差アレルギー(血管運動性鼻炎)のケースもあります。

7度以上の気温差(寒暖差)が生じると血管収縮が寒さ暑さの状況に対応しきれなくなり、自立神経が誤作動することで、体調不良が起こり、鼻水が出ると考えられています。

水っぽい鼻水が出てくるとついすすってしまいがちですが、鼻水にはウイルスや細菌の残骸やそれらと闘った白血球の残骸等が含まれていますので、鼻をすすらないように、片側ずつ小刻みにゆっくり鼻をかむようにします。

蒸しタオルを鼻に当てたり、マスクを使用して、鼻の乾燥や異物の侵入を防ぐのも効果があります。

症状がひどいときには、アレルギー反応をおさえるような薬で治療する必要があります。

鼻が刺激物に晒されると、鼻水が出てきます。

「常にアレルゲンに晒されていると、鼻がかゆくなったり、鼻腔が腫れたり、くしゃみを繰り返したり、無色透明で水っぽい鼻水が出始めます」と、フォークト医学博士は説明します。

アレルギーは、ヒスタミンを分泌させるので、前述した症状の直接的な原因となります。

抗ヒスタミン薬(ジルテックやクラリチンなど)は、ヒスタミンの作用を抑制する薬です。

フォークト医学博士いわく、ステロイド点鼻薬(フロネーズやナサコートなど)も同様に、鼻腔の炎症や鼻水の量を抑える効果があるとのことです。

一方、抗ヒスタミン剤は頭を覚醒させるH3受容体の作用を妨害してしまうので、副作用として眠気がおこります。

車を運転する場合は居眠り運転の原因となって危険です。

鼻水はガマンして、薬の服用は控えるようにした方が無難です。

花粉によるアレルギーの場合は、花粉飛散数を毎日チェックしながら、なるべく花粉に晒されないように心がけることです。

室内環境のアレルギーにも注意する必要があります。

頻繁にカーペットに掃除機をかけたり、寝具に「防ダニカバー」をセットしておけば、アレルギー症状を食い止められると話すのは、アレルギーや喘息患者を支援する非営利団体「Allergy & Asthma Network」に勤務する、アレルギー専門医であり免疫学者のパーヴィ・パリーク医学博士です。

1週間以上鼻水がおさまらないときや、粘り気のある黄色や緑色をした鼻水が出だした場合は、医師の診察を受けるべきです。

アレルギーが原因で、副鼻腔感染症が発症することもあると、フォークト医学博士は指摘しました。


鼻茸(鼻ポリープ)

鼻茸(はなたけ)とは、鼻腔に黄色の柔らかい塊ができる症状のことです。

炎症細胞によって形成され、とても粘稠でゼリー状をしています。

鼻茸から慢性的な鼻水につがなることもあると、フォークト医学博士は話します。

鼻茸ができると、嗅覚が鋭くなっていたり、顔面の圧迫感を感じたり、呼吸がしにくくなることに気づくかもしれません(鼻茸が成長した場合)。

鼻茸の正確な原因は医師にもわからないようですが、アレルギーや感染症に関連しているとのことです。

先の鼻茸のような症状がでている場合は、必ず医師の診察を受けることです。

小さくて良性の鼻茸であれば、ステロイドなどの飲み薬を服用して治療ができるかもしれません。

鼻茸が大きく成長し、呼吸がしにくかったり、嗅覚が鈍くなってしまった場合は、鼻茸を除去する手術を行う必要があります。


寒い時に運動すると鼻水が出る

「運動をすると、一時的に鼻腔や肺の粘液が増えるのは、鼻腔や肺への血流や炎症が増加するからです」と、パリーク医学博士は説明します。

気温が低い日に運動をすると、ダブルパンチを受けることになります。

冷たく乾燥した空気は、特に副鼻腔と肺を刺激するため、湿度が高く暖かい空気の中で運動をしたほうが好ましいという研究結果も出ているくらいです。

寒い屋外で運動したときに出る鼻水は、通常は自然とおさまるものです。

パリーク医学博士は、ネックウォーマーなどで鼻を覆いながら走れば、息を吸い込む前の空気を暖めることができると提案しています。

冬のランニングや、外で過ごしたことによって鼻が詰まりが起きたときは、熱いシャワーを浴びながら蒸気を吸い込むと、鼻道を開かせるのに役立つとのことです。


その他

その他、神経が刺激されれば、鼻水が出ることはあるそうです。

「副鼻空に存在する特定の神経は、鼻水をもっと多く分泌するよう働きかけます」と、セダガート医学博士は言います。

香辛料が効いた辛い食べ物によって、それらの神経が刺激されることもあるようです。

唐辛子に含まれる化合物、カプサイシンは、鼻漏(鼻汁量が病的に増加した状態のこと)や発汗を引き起こしやすいそうです。

「これは、刺激物を体内から取り除こうとする体の反応なんです」と、フォークト医学博士は説明しています。

また、泣いたときは、鼻水が止まらなくなります。

「涙が涙管を通過して鼻腔に流れ込むため、泣くと鼻水が出るのです」と、フォークト医学博士は言います。

泣くと鼻水が出るのは正常なことで、「鼻をすすったりかんだりしていれば、涙や余分の鼻水は次第に落ち着いてきます」と、フォークト医学博士は述べています。