前立腺肥大に良いとされる食べ物


前立腺肥大は、60歳の男性では50%以上に、85歳までに約90%に認められる非常に多い疾患です。

前立腺肥大は、未だに発症の原因がよく分かっていない上に、防止或いは改善する食べ物なども立証されているものはありません。

従って、前立腺肥大に良いとされる食べ物も、伝承や噂の類にすぎません。

しかし前立腺肥大に悩む本人にとっては、藁をもつかむ思いであることは確かです。

医者から処方される薬は公式に効果が認められたものですが、その薬の効果が良く効いたという人もいれば、効いているのかどうかよく分からないという人、効果が殆どなくなってしまった人など、様々です。

医師の所見によって最終的に手術まで進むかどうかについては、人それぞれ疾患の進行状態によります。

前立腺肥大に良いとされる食べ物は、無駄かもしれないけれど、少しでもご利益があれば良い程度の、期待を込めたものです。


亜鉛

亜鉛は男性ホルモンの代謝に必要とされるミネラルで、前立腺に最も多く存在しています。

亜鉛は、5α-リダクターゼの作用を抑制する効果に加え、脳下垂体で作られるプロラクティンというホルモンを抑制する効果を持っています。

プロラクティンはDHTの数値を高める作用があるため、亜鉛の摂取でこれを防ぐことができると考えられています。

悪玉ホルモンと呼ばれる「ジヒドロテストステロン(DHT)」は成長期には男性器の成長を促す大事なホルモンですが、成年になると必要以上に前立腺を肥大化させてしまいます。

DHTは元々「テストステロン」というホルモンが酵素によって変化したものです。

体内の亜鉛は、前立腺肥大症になると、正常時の10%程度の量に減少してしまいます。

亜鉛の不足は前立腺肥大に繋がると考えられています。

但し、前立腺内の亜鉛の量が多いと、前立腺がんの発生を防ぐという研究結果が報告されている一方で、亜鉛は癌細胞の増殖に関連する酵素の活性を高めることによって、発がん過程を促進するという報告もあります。

1日100mg以上の亜鉛をサプリメントで補充している男性は、亜鉛のサプリメントを使用していない人に比べて、進行した前立腺がんになるリスクが2.29倍に上昇することが示されています。

つまり、亜鉛のサプリメントによる補充は前立腺がんの発生リスクを高める可能性があるということです。

食事からの亜鉛の摂取は前立腺がんの発生リスクとは関連しません。


亜鉛は、牡蠣、レバー、うなぎ、チーズ、卵黄、そば、ワカメ、コンブ、ナッツ類などに多く含まれています。


食品からの亜鉛の摂取は問題がありませんが、サプリメントによる長期過剰摂取は、嘔吐、下痢、発熱、神経障害、肝臓障害などの中毒症状を招く恐れがありますので注意を要します。


セサミン



セサミンは、ゴマに含まれるゴマリグナン類という成分のひとつです。

ゴマリグナンは食物繊維の一種で、女性ホルモンのエストロゲンに似た働きがあります。

ゴマリグナンは、抗酸化作用に優れ、老化防止に働きます。

ゴマリグナンはセサミン以外の成分も含んでいますが、セサミンを特に多く含有しています。

セサミンは前立腺肥大予防の他にも肝機能を向上させ、高血圧や、がんの予防にも効果があると言われています


リコピン


リコピンまたはライコペンと呼ばれるこの成分は、トマトなど多くの果物に含まれている天然の染料であり、抗酸化剤です。

この成分は、前立腺肥大症のリスクを下げる助けになることがあると言われます。 

トマトに多く含まれており、一般的に赤やピンクが濃い果物や野菜ほどリコピンの含有量が高くなります。


パパイヤ、ピンクグレープフルーツフルト、スイカ、グアバ、ニンジン、赤ピーマン、アプリコット、赤キャベツに多く含まれています。


イソフラボン


豆腐、納豆、きなこ、みそといった大豆を使った食品にはポリフェノールの一種である「イソフラボン」が含まれ、この成分が前立腺肥大の予防効果があるのではないかとされています。

大豆に含まれるイソフラボンは、DHTや変換する酵素(5αリダクターゼ)の働きを抑える役割を持っていると言われます。

イソフラボンは、「女性ホルモン」のエストロゲンに構造が似ており、エストロゲンの受け皿である「エストロゲン受容体」にはまり込むので、女性ホルモンのような役割を果たすと考えられています。

この作用で男性ホルモンの働きが抑えられると言われます。

但し注意点があり、イソフラボンは前立腺肥大に対しては効果が期待できますが、前立腺ガンに対しては逆効果が指摘されています。

まだ動物実験の段階の様ですが、前立腺ガンが進行されている人は避けた方が無難です。


イタリアの研究では、穀物と肉類を多く食べていた人は前立腺肥大になりやすく、野菜と豆類を多く食べていた人は前立腺肥大になりにくいというデータがあります。

他にも「玉ねぎとニンニクを多く食べていた人には前立腺肥大の発症が少なかった」というデータも存在します


カボチャの種


カボチャの種は、良性の前立腺肥大に有効と言われます。

カボチャの種からとった油(パンプキンシードオイル)は、前立腺細胞の増殖を抑制します。

また、このオイルには「カロチロイド」と「オメガ脂肪酸」が含まれます。

研究によると、高レベルのカロチロイドを摂取している男性は、前立腺肥大になりにくいそうです。

また、カボチャの種は、前立腺肥大に良いと言われる「亜鉛」も含んでいます。

カボチャ種子はドイツでは薬用としても利用され、主に過敏性膀胱炎や頻尿など、排尿トラブルに効果的です。


但し、この場合のカボチャはペポカボチャのことを意味し、元々、種子を食べることを主目的に栽培されています。

ペポカボチャの果肉は水分が多くべちゃっとしており、種を食べることを主目的に栽培されています。

通常、カボチャの種は硬い外殻に包まれているため、調理・加工をするためには殻を剥かなくてはなりません。


しかし、ペポカボチャからとれるかぼちゃの種は、外殻が存在せず、そのまま炒って食したり、胚油を絞ることが可能です。

従って、食用のカボチャの種は基本的にペポカボチャの種です。


ノコギリヤシ


ノコギリヤシは北米で自生する背の低いヤシ科の植物です。

ギザギザしている葉がノコギリのように見えるところからノコギリヤシと命名されました。

ノコギリヤシは、北米インディアンが古くから男性の滋養強壮、利尿促進効果薬として利用してきたと言われます。

ヨーロッパでは、ノコギリヤシのエキスは前立腺肥大症用の医薬品として販売されています。

日本でも、サプリメントとして販売されているものがあります。

但し、北米で行われた研究「Effect of increasing doses of saw palmetto extract on lower urinary tract symptoms: a randomized trial」(JAMA. 2011 Sep 28;306 (12) :1344-51.)という医学論文ではノコギリヤシの効果はプラセボと差がなかったとなっています。

つまり、ノコギリヤシは、前立腺肥大症の症状を改善するエビデンスは得られなかったということです。