26度設定の冷房と暖房は違う


夜寝るときに、暗い中で、リモコンを設定して、冷房と暖房のボタンを間違えてしまうことがあります。

冷やすつもりが、いつまで経っても室温が下がらなくて、暑くて思わず目が覚めて気が付くことになります。


室温26度設定で暖房を使っても冷房を使っても同じではない

エアコンの吹き出し口から、設定温度の空気が出てくるわけではありません。

外気の温度にもよりますが、冷房の場合は吹き出し口から出る風の温度は、室温-10℃程度くらいになります。

暖房の場合は、室温+10℃程度くらいの風が吹き出し口から出るようになります。

エアコン等の吹き出している空気を顔に受ければ、冷房時は涼しく、暖房時には暖かく感じます。

そのような温度の風が最初は出てきて、ファンは勢いよく回っていますが、次第にインバーターで回転が落とされて、設定温度になると、室外機のコンプレッサーは停止するか、極々ゆっくりと回るようになります。


エアコンで暖房をつけている時、エアコンから冷たい風が吹いている気がするときがありますが、これは、部屋の温度が設定した温度以上に温かくなっているため、エアコンからは、室温よりも温かい風は出ないので、部屋と同じ温度の風が出て送風状態になっているのを、冷たい風が出ていると勘違いをするのが原因です。

夏に、室温が29度の部屋の温度を暖房を付けることで26度に下げようとしても、部屋の温度が26度になることはありません。設定温度よりも室温が高いので、暖房機能が停止して室温は29度のままです。

エアコンが作動するのは、冷房の場合は設定温度よりも室温の方が高い状態、暖房の場合は設定温度よりも室温の方が低い状態のときです。

室温が高い状態で、暖房設定で部屋の温度を設定温度まで下げようとしても、エアコンが作動することはありません。

エアコンは吸い込んだ部屋の空気で室温を検知します。

室温が目標の温度以上なので,待機状態(送風)になります。

真夏で室温が30℃のときに、暖房26℃に設定しても室内機のファンが低速で回るだけです。


湿度

夏と冬で同じ室温になったとしても、特に湿度の違いで体感温度は変わってきます。湿度が高いほど体感温度は上がりますので、湿度の低い冬に比べると湿度の高い夏は、より暑く感じます。

ですので、温度のコントロールに加えて、湿度のコントロールも重要になってきます。


温度が同じでも湿度が高いと暑く、低いと涼しく(寒く)感じます。湿度が高い夏場のほうが、低い冬場よりも暑さを強く感じます。


電気代を節約する運転

エアコンで冷房を入れるときに、手動で、最初は設定温度を下げて急速に冷やし、しばらくして冷えてきたら設定温度にする人がよくいます。

エアコンは、 自動運転モードに設定しておく方が効率よく部屋の温度を調整してくれて電気代を節約することができます。

先のような操作はエアコンの中のマイコンが勝手にやってくれますので、あえて手動で操作する必要はありません。

エアコンは、室内の温度を設定温度にするときにたくさん電力を使います。

冷房を使っている時は部屋の温度を設定温度まで下げようとする時に、暖房を使っている時は部屋の温度を設定温度まで上げようとするときに一番電力を消費するのです。

設定温度にするまでの時間が短ければ短いほど電気代がかかりませんので、一気に設定温度まで下げてくれる自動運転が一番電力を消費しないということになります。

そして設定温度になってしまってからは電気代はあまりかかりません。

30分程度の外出であれば、エアコンを切ってしまうよりもそのまま稼働しておいた方が節約になります。

エアコンを使う際、室温が適温になったらスイッチを切り、また寒く/暑くなったらスイッチを入れる、といったようにこまめなスイッチのオン・オフを繰り返してしまうと、逆に電気代が高くなってしまいます。

エアコンは室温を設定温度にするまでがいちばん電気代がかかるので、こまめにスイッチを入れたり切ったりせずに、一度適温になったそのままの温度を自動運転で保っているほうが電気代を節約できます。

外気温と設定温度の差が大きいほど、エアコンを一度消してしまって再度つける時にかかる電気代は高くなります。だから、夏の暑い日中ほどエアコンをこまめにオンオフせず、つけっぱなしにしておいたほうが効果的に節約ができるということになります。外気温があまり高くない場合や夜の場合は30分程度の外出でもオン・オフをしたほうが良い場合もあります。

エアコンを運転するときは、扇風機やサーキュレーターを併用することで電気代を抑えることができます。

暖かい空気は上の方に、冷たい空気は下の方に溜まるので、扇風機やサーキュレーターで空気を循環すると、無駄に設定温度を上げ下げする必要がなくなり、電気代の節約につながります。


エアコンのフィルターが詰まってしまうと性能が落ちてしまい、余計な電気代がかかるようになってしまいます。電気代で5~10%も損をしてしまうと言われています。2
週間に1度はフィルターの手入れをするのが理想です。

窓はガラス一枚で薄いため、夏は外の熱を取り込み、冬は室内の熱を逃してしまいます。窓やカーテンに断熱・遮熱対策を行うと外気の影響を受けにくくなり、冷気や暖気を逃さない効果も期待できます。夏はカーテンやすだれ、などを使って日差しを防ぎ、冬は厚手のカーテンやブラインドが効果的です。

除湿

エアコンの除湿は「弱運転」の状態のことをいい、「弱冷房除湿」と呼ばれることもあります。

エアコンの除湿運転は、空気をエアコンの中に取り込んで冷やし、エアコンの中で結露を起こさせて空気中に含まれている湿気を取り除くというシステムです。

除湿運転を行うと、エアコンが湿度の高い部屋の空気を吸い込み、アルミの熱交換器で熱をうばって空気の温度を下げます。そうすると、空気が冷えて含むことのできる水分量が減り、空気中にいられなくなった水分が水滴としてアルミの熱交換器に現れます。その水滴を集めてホースを通じて部屋の外に出すことで、部屋の水分量が減り、乾燥した空気を再び部屋に戻します。これを繰り返すことで、部屋の水分をどんどん外に出して、湿度が下がります。

エアコンの除湿機能には「強・標準・弱」の3つのモード設定が出来るものが多く、強の場合はマイナス3度、標準の場合はマイナス2度、弱の場合はマイナス1度というシステムになります。

エアコンを除湿運転の標準モードにセットすると、弱冷房のマイナス2度の状態で運転するようになります。


快適に過ごすためには、温度は26~28℃、湿度は50%以下がおすすめです。(湿度50%:汗をかいてもさらっと乾く湿度)

また気流を利用することにより、涼感をアップさせることができます。

心地よい組み合わせは夏は高温・低湿、冬は低温・多湿とされています。冷房時には、設定温度を高めにした省エネ運転でも、湿度を低くすれば設定温度が低めのときと同じ快適さが得られます。