ルノー・クリオ(ルーテシア)は小粋でスタイリッシュ
クリオ(CLIO)は、フランスの多国籍自動車メーカーのルノー(Groupe Renault 、法律上: Renault S.A.)が製造販売している小型の自動車です。
日本ではルーテシア(LUTECIA)の車名で販売されています。
4代目 (2012-2019年)
まだ日本の路上でもよく見られる4代目のクリオは、2012年7月3日に発表されました。マツダから転籍したローレンス・ヴァン・デン・アッカーがデザインを担当しました。
2010年に発表されたコンセプトカー「デジール」のエッセンスを受け継いだ大型のCIマークやLED式のDRLを備えるなど、従来型と比べて大胆なエクステリアデザインとなりました。
先代にあたるルノー・5時代から続いていた3ドアが廃止され、5ドアのみとなりました。
リアドアのハンドルはCピラーに同化するようなデザインとなり、一見3ドアにも見え、アルファロメオのジュリエッタと同じような処理がされています。
4代目パワートレイン
エンジンはガソリンとディーゼル(dCi)が設定されています。
1.2Lターボと1.6Lターボは各国仕様共通で6速EDCのみの設定です。
ディーゼルは出力特性の違いにより75PSと90PSの2種の1.5Lエンジンが用意されています。
2012年10月のパリ・モーターショー(モンディアル・ド・ロトモビル)ではルノー・スポールの手がけるスポーティバージョン「クリオR.S. 200 EDC」と、ワゴン版「クリオ エステート」が発表されました。
4代目の日本における販売
車名は先代までの「ルーテシア」を踏襲しました。
2013年7月25日、日本仕様が発表されました。
9月24日より発売を開始しました。
装備内容の違いにより「ACTIF(アクティフ、注文生産)」「ZEN(ゼン、日本語の禅に由来)」「INTENS(インテンス)」の3グレードが用意されました。
全車1.2L直噴ターボ+EDC+右ハンドルの組み合わせのみとなり、欧州仕様に装備されるLED式のDRLは未装着となりました。
外装色は基本的に全7色が設定されましたが、アクティフのみ3色となりました。
最上級のインテンスは全車標準設定内装色(パッククルール)「ノワール(黒)」のほか、オプションでボディカラーとの組み合わせにより「ルージュ(赤)」「ブルー」「マロン」も選べるようになっていていました。
同時に、アルミホイールの一部も各色でコーディネイトされました。
また同日、日本デビュー記念として内外装にブルーのアクセントを加えた「フレンチクールリミテッド」を限定30台で販売することも発表されました。
2013年10月14日、モータースポーツジャパン2013の会場で「ルノースポール(R.S.)」が発表されました(11月14日発売)。
先代の2.0Lから1.6L直噴ターボのM5Mに置換され、6速EDCと組み合わせていました。
全車に走行モードを切り替えられる「R.S.ドライブ」と「ローンチコントロール」と呼ばれるパドルシフト、「R.S.デフ」が装備されていました。
グレードはベースの「シャシースポール」と強化サス&ローダウン、18インチタイヤ&ホイール等が備わる「シャシーカップ」の2種が用意されました。
後者には通常色4色に加え、台数限定で「ジョン シリウスM」が用意されました。
2014年12月25日、本国において人気が高い直列3気筒0.9Lターボエンジン+5MTを搭載した「ZEN 0.9L」を追加しました。
ベースとなった「ZEN」と基本的な装備はほぼ同じですが、めっきパーツ等の加飾を増やし、ホイールも同形状ながら表面の一部をブラックアウトするなど、一部、「INTENS」の要素も取り込んでいます。
また、気筒数が減ることで不利となる静粛性をカバーするために、新たにボンネット内に遮音材を装着しています。
尚、「ZEN 0.9L」の登場と同時に、従来の「ZEN」は「ZEN 1.2L」に改称されました。
2015年6月11日、「ZEN 1.2L」を一部改良しました。
外装を「ZEN 0.9L」と同仕様としました。
入れ替わりとして終売する「シャシーカップ」比でフロント20mm/リア10mmローダウンした強化サスを採用し、エンジン出力を高めました。
2016年2月25日、「INTENS」「ZEN」を一部改良しました。フロントデザインを改良し、「ACTIF」を除く全車に新たにフルLEDヘッドランプを採用しました。
全車1.2Lターボ搭載で、グレードは「GT」がカタログ落ちし、「INTENS」「ZEN」「ACTIF」の3種となりました(「ACTIF」は受注生産)。
同時に、0.9Lターボの「ZEN 0.9L」はレギュラーグレードから外れ、「S MT」として限定100台のみが販売されました。
2017年7月6日、「R.S.」をマイナーチェンジしました。フルLEDヘッドランプに加え、ポジションランプ/フォグランプ/ハイビーム/コーナリングランプとして機能する「R.S.ビジョン」を採用。グレードは「シャシーカップ」が復活し、「トロフィー」「シャシースポール」との3モデルとなりました。
「シャシースポール」は装備レベルを見直して価格を引き下げました。
2017年10月12日、「ZEN MT」を追加しました。「ZEN」の基本装備はそのままに、0.9L直噴ターボ+5MTに換装しました。尚、「ZEN MT」の追加に伴い、「ZEN」は「ZEN EDC」に変更されました。
2018年5月17日、限定50台で、F1マシン「R.S.18」からインスピレーションを受けた特別仕様車「R.S.18」を発売しました。なお、同時期に「R.S.シャシースポール」が廃止されています。
4代目のエンジン・バリエーション
モデル | エンジン型式 | バルブ配置 | 総排気量 | 最大出力 | 最大トルク | 適用(年) |
---|---|---|---|---|---|---|
ガソリン | ||||||
0.9 L TCe | H4Bt 400 | DOHC | 898 cc | 90 PS (66 kW; 89 hp) | 2012– | |
1.2 L 16V | D4F 740 | DOHC 16v | 1149 cc | 75 PS (55 kW; 74 hp) | ||
1.2 L TCe 120 | H5Ft | 1197/1198 cc | 119 PS (88 kW; 117 hp) | |||
1.6 L | M5M | 1618 cc | 200 PS (150 kW; 200 hp) | RS, 2013– | ||
220 PS (160 kW; 220 hp) | RS Trophy, 2016- | |||||
ディーゼル | ||||||
1.5 L dCi | K9K 612 | SOHC 8v | 1461 cc | 75 PS (55 kW; 74 hp) | 2012– | |
1.5 L Energy dCi | K9K 608 | 90 PS (66 kW; 89 hp) | ||||
K9K 608 (83g) |
4代目仕様
概要 | |
---|---|
製造国 | フランス トルコ スロベニア アルジェリア |
販売期間 | 2012-2019年 |
デザイナー | ローレンス・ヴァン・デン・アッカー |
ボディ | |
乗車定員 | 5名 |
ボディタイプ | 5ドアハッチバック 5ドアワゴン |
パワートレイン | |
エンジン | ガソリン:0.9L I3 1.2/1.6L I4 ディーゼル:1.5L I4 |
変速機 | 5MT 6AT |
サスペンション | |
フロント:マクファーソン式ストラット リヤ:トレーリングアーム | |
車両寸法 | |
ホイールベース | 2,590mm |
全長 | 4,060mm (ハッチバック) 4,260mm (ワゴン) |
全幅 | 1,730mm |
全高 | 1,450mm |
車両重量 | 980–1,071kg |
5代目 (2019年以降)
2019年1月28日、5代目となるクリオのエクステリアを発表しました。
2019年3月、ジュネーヴモーターショーにて実車と詳細を公開しました。
2019年5月30日、ヨーロッパで販売を開始しました。
ルノー・日産・三菱アライアンスが開発した「CMF-B」プラットフォームを最初に採用するルノー車であり、ルノーグループが新開発したハイブリッド技術である「E-TECH」を搭載する最初のルノー車となりました。
生産はルノー・5の時代から先代まで続いていたフランス・パリ北部のフラン工場から、トルコ・ブルサ工場とスロベニア・ノヴォ・メスト工場に完全移管されました。
5代目パワートレイン
欧州仕様のパワートレインは、最高出力65PS/75PSを発揮する1.0L3気筒自然吸気ガソリンエンジン(変速機は5速MTのみ)、100PSを発揮する1.0L3気筒ガソリンターボエンジン(5速MTとCVT)、130PSを発揮する1.3Lガソリンターボエンジン(7速DCTのみ)、85PS/115PSを発揮する1.5Lディーゼルターボエンジン(6速MTのみ)の4エンジン7種類を販売しました。しかし、年々厳しくなる排ガス規制等に対応する為、1年を待たずにdCi(ディーゼルターボ)を全廃するなど変更が加えられています。
2020年1月、ベルギーにてハイブリッド車を初公開しました。
同年6月12日にはフランスにてハイブリッド車の受注を開始しました。
その結果、燃費性能は23.2km/L(WLTP計測による複合モード)、CO2排出量は96g/kmとなってします。
特別装備としてリアゲートなどにE-TECHのエンブレムが配されるほか、ドライバー正面のデジタルコックピットには充電中や電気モーターの稼働中にバッテリー残量を示すことができます。
5代目の日本での販売
2020年7月9日、ルノー・ジャポンは5代目モデルを10月頃に日本市場に導入すると発表しました。車名は先代までの「ルーテシア」を踏襲しました。2020年10月15日、同年11月6日から販売開始すると発表しました。
日本仕様は全てのグレードで、最高出力96kW(131ps)・最大トルク240N・m(24.5kgm)を発揮する1.3L(1.333L)直列4気筒直噴ターボとパドルシフト付き電子制御7速AT(7EDC)を組み合わせています。
駆動方式は前輪駆動で、燃費性能は17.0km/L(WLTCモード)です。
導入されるのは、「ZEN(ゼン)」(受注生産)、「INTENS(インテンス)」、「INTENS Tech Pack(インテンス テックパック)」の3グレードです。
グレードは「E-TECH HYBRID」と「E-TECH HYBRID Leather Pack」の2種でした。
輸入車のコンパクトクラス唯一となるフルハイブリッドシステムを搭載し、WLTC25.2㎞/Lをマークします。
ユニット自体は先立って発表されたアルカナのそれと共通です。
5代目仕様
概要 | |
---|---|
製造国 | トルコ スロベニア |
販売期間 | 2019-年 |
ボディ | |
乗車定員 | 5名 |
ボディタイプ | 5ドアハッチバック |
プラットフォーム | CMF-B |
パワートレイン | |
エンジン | ガソリン:1.3L I4(日本導入モデル) 0.9L I3 1.2/1.6L I4 ディーゼル:1.5L I4 E-TECH:1.6L I4 |
変速機 | 7速AT(日本導入モデル) 5速MT 6速MT CVT マルチモードギアボックス(E-TECH) |
車両寸法 | |
ホイールベース | 2,585mm |
全長 | 4,050mm |
全幅 | 1,800mm |
全高 | 1,440mm |
車両重量 | 1,190-1,200kg |