オミクロン株BA.1対応型 2価ワクチン

オミクロン株対応 2価ワクチンの接種が始まっています。

2022年9月20日現在、コロナ感染第7波がようやく落ち着いてきていますが、まだまだ感染者数は子供や若者を中心として多い状態です。

コロナワクチンは、現在第3回目を終え、第4回目を済ませた人も増えていますが、せっかくワクチンを接種しても、コロナ感染する人も少なくはありません。

しかし、従来のワクチンでも、複数回接種することによって、重症化を防ぐ効果はあるようです。

国はこれから接種する人を対象として、順次オミクロン株対応 2価ワクチンの接種を増やしていく計画のようです。


オミクロン株対応のワクチン

WHO=世界保健機関によると、従来のワクチンでもオミクロン株を含むすべての新型コロナウイルスに対して高い重症化予防効果があるとしています。

しかし、従来のワクチンは、従来株に比べオミクロン株への感染や発症予防の効果が低いほか、打ってから時間がたつほど効果が弱まることなどから、ファイザー社やモデルナ社などがオミクロン株対応のワクチンの開発を進めていました。


BA.1対応型ワクチンの接種開始

当初10月以降とされていたオミクロン株対応ワクチンですが、高齢者など4回目接種対象者については9月中旬に接種開始が前倒しされることになりました。

このオミクロン株に対応したワクチンの接種について、厚生労働省は、対象を2回目までを終えた12歳以上のすべての人としたうえで、現在行われている4回目接種の対象となっている高齢者や医療従事者などのうち、まだ接種を受けていない人からオミクロン株に対応したワクチンに切り替えて、早ければ9月半ばにも始めるとしています。

申請中のワクチンが承認されれば9月半ばにも各自治体へ配送される見通しで、厚生労働省は準備が整った自治体から10月半ばをメドに、対象をすべての年代に拡大していくとしています。



新しいワクチンは、従来株に由来する成分とオミクロン株のひとつ、「BA.1」の2種類を組み合わせた「2価ワクチン」と呼ばれるもので、今回、日本が導入を決めたのは「BA.1対応型」といわれているものです。

使用を想定しているのはファイザーとモデルナが開発中のワクチンで、薬事承認されれば、政府は、接種事務を担当する自治体とも調整を進めた上で、接種を開始する方針です。

モデルナのオミクロン株対応ワクチン(mRNA-1273.214)は、野生株(流行初期の新型コロナウイルス)25μgとオミクロン株25μgを合わせて50μgにしたものであり合計の投与量は従来ワクチンの追加接種の用量と同量です。

ファイザーのオミクロン株対応ワクチン(BNT162b2+BNT162b2 Omi)についても野生株15μgとオミクロン株15μgを合わせて30μgにしたものであり従来ワクチンの接種量と同量になっています。


BA.1対応型ワクチンの効果 


ことし6月にアメリカのFDA=食品医薬品局にファイザー社が示した臨床試験の結果によると、56歳以上を対象に「BA.1対応型」を4回目で接種したところ、従来型ワクチンを4回目に接種した人と比べ、オミクロン株の派生型「BA.1」に対しウイルスの働きを抑える中和抗体の値が平均で1.56倍から1.97倍上昇したということです。

また、現在流行している「BA.5」に対しては、「BA.1」には劣るものの中和抗体の値の上昇がみられたと報告しています。

またモデルナ社も、「BA.1対応型」の2価ワクチンでも、中和抗体の値を従来のワクチンと比較すると、「BA.1」に対して平均で1.75倍上昇を示したと報告しています。

BA.4/5対応型ワクチン


海外では、FDA=食品医薬品局が、製造販売業者に対して、現在流行しているオミクロン株の派生型「BA.5」の成分を混ぜた「BA.4/5対応型」の2価ワクチンの開発を勧告していますが、EMA=欧州医薬品庁では、2価ワクチンに入れるオミクロン株の派生型によって、効果に大きな差があるとはせず、現時点で絞り込みを行っていません。

厚生労働省では「BA.4/5対応型」の2価ワクチンでは、輸入が9月よりも遅れるとみていて、いち早く利用が可能な「BA.1対応型」のワクチンを選択しました。

接種間隔

オミクロン株に対応したワクチンの接種では、前回の接種とどの程度の間隔をあけるのかは現時点では明らかになっていません。

このため、厚生労働省は8月8日の分科会で前の接種との間隔については留意が必要だとして、シミュレーションを示しています。


オミクロン株に対応したワクチンの接種間隔を海外の治験データなどから「5か月」と仮定していて、60歳以上の人は4回目の接種のピークが始まった7月以降に接種をした場合、ことし12月以降に多くの人がオミクロン株対応ワクチンを接種する時期を迎えるとしています。

5歳~11歳の接種

5歳から11歳の子どもへのワクチン接種をめぐっては、厚生労働省はことし2月、接種の呼びかけは行うものの、オミクロン株に対する有効性が明確でなかったことなどから、当面は、「努力義務」としないことを決めていました。

「努力義務」とは、接種を受けるよう努めなければならないとする予防接種法の規定です。

接種を受けるかは本人が選択できることと、法的な強制力や罰則はありません。


副反応


モデルナ社のオミクロン株対応ワクチンの副反応の頻度(CDC.ACIP2022年9月1日会議資料より)
モデルナ社のオミクロン株対応ワクチンの副反応の頻度(CDC.ACIP2022年9月1日会議資料より)

ファイザー社のオミクロン株対応ワクチンの副反応の頻度(CDC.ACIP2022年9月1日会議資料より)
ファイザー社のオミクロン株対応ワクチンの副反応の頻度(CDC.ACIP2022年9月1日会議資料より)

モデルナ社、ファイザー社のオミクロン株対応ワクチンの副反応についてもデータが発表されています。

従来のmRNAワクチンと同様に、接種部位の痛み、腫れ、発赤、全身症状としてのだるさ、頭痛、筋肉痛、関節痛、寒気、発熱などの症状が報告されています。

現時点では従来のmRNAワクチンを上回る副反応ではないと考えられます。

なお、接種人数が十分ではないことから現時点では心筋炎など稀な副反応の頻度についてはまだ分かっていません。

過去に感染した人

モデルナ社のオミクロン株対応ワクチンの接種後の中和抗体価の推移では、過去に感染した人ではより大きな中和抗体価の上昇が得られています。

この結果からは、過去に感染した人がオミクロン株対応ワクチンを接種することで、オミクロン株に対する高い感染予防効果が長期に維持される可能性があります。

オミクロン株以外の変異株への効果


モデルナ社の従来ワクチンと2価ワクチンの変異株に対する投与29日目の中和抗体価(CDC.ACIP2022年9月1日会議資料より)
モデルナ社の従来ワクチンと2価ワクチンの変異株に対する投与29日目の中和抗体価(CDC.ACIP2022年9月1日会議資料より)

野生株とオミクロン株の2価ワクチンを接種することで、従来のワクチンよりもアルファ株、ベータ株、デルタ株といった他の変異株に対する中和抗体が増えるようです。

将来現れるであろう変異株に対しても効果が期待されますが、どれくらい有効なのかは未知数です。