テフロン加工のフライパン
現在、我が家ではテフロン加工のフライパンを使っています。そろそろ買い替えの時期と思い、色々と調べました。
テフロン加工
テフロン加工とは滑りやすい低摩擦特性や、物質がくっつきにくい非粘着性などを持つフッ素樹脂でコーティングする表面処理の一種です。フライパンの内側にテフロン加工を施すことで、食材の滑りがよくなり、焦げついたりこびりついたりしにくいのがメリットです。
テフロン加工もフッ素樹脂加工のひとつですが、「テフロン」はアメリカの大手メーカー「デュポン」の登録商標です。
メリット
テフロン加工のフライパンは滑りがよく、食材がくっつきにくいのがメリットです。少量の油で調理できるため、カロリーが気になる人やさっぱりした料理が好みの人にもおすすめです。
食材自体から油が出る肉などは、油を使わずに調理できる場合もあります。
鉄製フライパンのように油ならしをする必要がなく、手軽に使えるのも魅力です。
またテフロン加工のフライパンはフッ素樹脂の特性により、食材がこびりついたり焦げついたりしにくく、汚れが落としやすいのがメリットです。
金属タワシなどでゴシゴシ擦る必要がなくお手入れが簡単。また、少量の油で調理できるため、油汚れが少なく手間が掛からないのもポイントです。
金属タワシなどを使用すると、加工が傷んでしまう可能性があります。
耐久性
デュポン社が開発したテフロン加工は、コーティングの厚さなどの違いによってグレードが分けられています。
それぞれに耐久性指数が表示されているので、コーティングの耐久性の目安となります。
例えば「テフロンプラチナプラス」加工の耐久性指数は700です。
次いで「テフロンプラチナ」の耐久性指数は600、その下には「テフロンラディアンス」「テフロンプレミアム」があり、ともに耐久性指数は400です。
さらに、「テフロンセレクト」が300、「テフロンクラシック」加工は100です。
洗い方
テフロン加工フライパンの汚れは、中性洗剤とスポンジでほぼ落とすことが可能です。スポンジはやわらかいモノを使います。
金属タワシは表面を傷つけるおそれがあるので使用を避けます。
汚れが残っていると、くっつきにくいという性質が劣化するので、汚れはきちんと落としておくことが重要です。
洗い終わったら乾いた布で水気をしっかり拭き取ります。
なお、テフロン加工は急激な温度の変化に弱いのも特徴ですので、熱いままのフライパンを水につけるのは避けます。
長持ちさせる方法
テフロン加工をしたフライパンの耐熱温度は約260℃です。耐熱温度を超えて使用すると、フッ素樹脂の性能が劣化する恐れがあります。
強火での使用はできるだけ避け、空焚きは控えます。
また、角のとがったヘラや金属製のヘラはコーティング表面を傷つける恐れがあるので、基本的には使用できません。
安全性
米国連邦食品医薬局から、人体に毒性はないデュポン社からは、テフロンが剥がれて食べてしまっていても体内で化学変化を起こすこと無く体外へ排出される。すなわち安全であると言っています。
また厚生労働省、米国連邦食品医薬局、欧州食品安全機関など厳しい団体の基準に合格しているとも言っています。
フッ素樹脂の安全性を見るために動物実験を行った研究機関のデータでもマウスに90日間食べ物の25%にフッ素樹脂を混ぜて与えたが、異常は一切見られなかったと言われています。
テフロン・フッ素樹脂自体は人体に影響はないとされていますが、ただし高温加熱をした際の有毒ガスの発生は否めません。またフッ素加工フライパンの多くが、アルミ素材にフッ素樹脂加工を施したものです。
そのため、フッ素樹脂が剥がれた個所から、調理の度にアルミニウムが溶け出すことにもなります。
アルミニウムの体への吸収率は0.1%とも言われていますが、一旦体に取り込まれたアルミニウムは排出されにくく、体内にアルミが蓄積されると身体に神経系への影響や腎臓や泌尿器系への影響が懸念されています。
フッ素樹脂加工フライパンの調理温度の上限は180度とされていますが、アメリカの環境保護団体EWGが行った実験によると、表面温度が240度以上で劣化が始まり(熱分解)、有毒物質が溶け出しています。
ポリテトラフルオロエチレン=フッ素樹脂(PTFE)が高温になると有害ガスを発生させると報告されています。また、それだけではなく、フッ素樹脂を接着させるために使用されるペルフルオロオクタン酸(PFOA)についても、アメリカのガン協会が発がん性や奇形への影響を指摘しており、熱分解されて食材に溶け込むのはとても危険です。
PFOAは、生体分解されず人体に蓄積される性質から2015年を目処にその使用が禁止されており、現在販売されている商品には使用されていない場合がほとんどです。現在、PFOAは業界では使用されなくなっていますが、代替品のPFOS(ペルフルオロオクタンスルホン酸)も同様に有害性が指摘され業界では使用されなくなりました。
PFOSは、生物や人体に蓄積され活性酸素の生成や代謝に影響を及ぼすと考えられています。
PFOAやPFOSは、アメリカやヨーロッパでは使用が制限されています。
人間に対してはインフルエンザのような症状が出る程度ですが、小動物を飼っている場合致命的な影響を与える可能性があるので注意が必要です。
EWGが行った実験によると、フライパンを高温で熱し続け、360度に達すると有毒ガスが発生し始めることが分かっています。
有毒ガスにはインフルエンザのような症状を起こすものや、呼吸困難を起こすもの、致死レベルの猛毒ガスも含まれています。
しかも、怖いのは発生する有毒ガスはいずれも無色無臭であるということです。
2分半を過ぎるとフライパンは250℃前後となり、有害物質が溶け出す温度に達しています。
さらに高温で熱し続けると、4分半を過ぎた頃には有毒ガスが発生する360℃にも達しています。
たった数分の空焚きで、人体に危険な有害物質・ガスが発生しています。フライパンを温めている間に、他の準備に取り掛かると、つい空焚き状態で数分経過する恐れがあります。
少量の食材を炒めるとき、食材が載っていない部分は空炊きと同じ状態です。超高温。フッ素樹脂の劣化、さらには熱分解も始まり、有毒ガスが発生する可能性もあります。
少量の食材の調理は、フライパンから離れず、食材をよく動かしながら調理する必要があります。
また、少量の油で「揚げ焼き」する方法も、テフロン加工フライパンには向いていません。
テフロン加工フライパンの調理上限は180℃なので、コロッケや唐揚げのような高温で揚げる調理は、すでに上限温度ギリギリです。
PTFE・PFOAフリーフライパン
フッ素樹脂(PTFE)、フッ素樹脂を接着させるために使用される化学物質PFOAを使用しないフライパンが販売されています。
鉄製、ステンレス製、セラミック加工、3タイプであれば、上記で説明したPTFEフリー・PFOAフリーの製品となります。鉄と言えど、少量の油でも、きちんと温めてから使えばくっつくこともありません。
鉄の表面を窒化させるという特殊な処理のおかげで錆びにくいです。
錆び防止塗装もされていないので、使い始めの空焚きも不要です。
手入れも簡単。錆び防止加工がされているおかげで、洗剤は使わずに、お湯とスポンジで洗って乾かすだけです。
持ち手(ハンドル)が壊れても、持ち手だけ購入することができます。
鉄フライパンで調理すると、食材の中に鉄分が溶け出すため、鉄分補給にもなります。鉄フライパンだけでは満たすことはできませんが、鉄フライパンから摂取できる鉄分は、吸収率の良い鉄分とされているので、鉄剤を飲むより効果は期待できます。
グリーンパンはいわばセラミック加工のフライパンです。
フッ素樹脂加工されていないのに、こびりつかないという優れものです。
しかも、耐熱温度は450℃と、フッ素加工のフライパンの2倍近くの耐熱性があるので、有害物質も出ないそうです。
表面が非常に硬く、一般的なフッ素樹脂フライパンに比べて傷がつきにくいです。熱伝導も高いので、調理時間も早めです。
但し、少量の油を使う事と、中火の火加減を守る事に注意が必要で、空焚きしすぎると、こびりつきやすくなります。全面5層構造で独自のセラミック加工「スペシャルマジックコート」を採用した焦げ付きにくいフライパンです。
素材はステンレスで、耐熱温度が高く熱伝導率も良いため、全体に均一に火を通すことができます。
深さは浅いものもありますが、深めタイプならどんなお料理もしやすいです。
エナメルコートはデザイン性が高く「ル・クルーゼ」や「ストウブ」の調理器具に使われているコートです。
日本ではホーローとも呼ばれており、エナメルには有害物質が認められていないので、テフロン加工より安全性が高いといわれています。
耐久性が高く、手入れも簡単で、臭いもつきにくく長時間保存もできる点が魅力です。
しかし鋳物ホーローのフライパンは重くずっしりとしているので、自由自在に動かすのが難しいのがデメリットです。