米国の銀行に預金を移して金利差で儲けることができるか


昨今の米国と日本の銀行の金利の差は甚だ大きいので、ここで現在日本の銀行にある預金を米国の銀行へ移したら、預金金利の差で、日本の銀行へ預けているよりもはるかにお得ではないかと考えるのですが、果たしてどうでしょう。

因みに、日本円での定期預金金利が比較的高いネット銀行としてSBI新生銀行がありますが、1年ものの定期預金金利を比較すると以下のようになっているようです。

SBI新生銀行取扱通貨の1年もの定期預金金利

日本円 =0.3%
米ドル =5.0%
ユーロ =2.1%
豪ドル =3.5%
NZドル =4.3%

日本円と米ドルの定期預金金利を比べると、米ドルがおよそ16.7倍の金利になっています。

為替変動

外貨預金の最も大きなメリットして、為替変動による利益を期待できる点があります。

為替変動とは、為替レートが円高や円安に動くことを指し、変動したことによる利益を為替差益と呼びます。

例えば、1ドル100円のときに外貨預金を増やし、1ドル130円の円安になった際に円に換金することで、その差分の利益を得ることができます。

但し、これが逆に動くと、その差が損益となるデメリットもあります。


ドル預金

米ドル預金とは、日本円ではなく米ドルを定期預金や普通預金として預けるもので「外貨預金」とも呼ばれます。

日本円で預金する場合は、そのまま円で預金しますが、外貨預金では円を外国通貨に交換してから預金します。

外貨預金は円で銀行預金するよりも高金利であることから、注目を集めています。

外国の通貨を扱うため難しいイメージはありますが、実際に利用するのは日本の金融機関なので、日本語による手厚いサポートも受けられます。


メリット

ドル預金のメリットは、主に以下の2点です。

1)日本円よりも金利設定が比較的高い。

2)インフレリスクを抑えられる可能性がある。

金利差

米ドル預金の金利は、米国の金利相場によって決められています。

日本は世界的に見ても金利設定が非常に低い国ですので、日本と米国の預金相場は、以下のように大きな差が出てきます。

定期預金の金利(目安):日本=年0.002〜0.02%程度 、米国=年0.01〜3%程度

普通預金の金利(目安):日本= 年0.001%程度 、米国=年0.01〜0.7%程度

日本の普通預金や定期預金に比べ、米ドル預金の金利は10倍以上高くなっています。

この金利は平均的なものであり、銀行がキャンペーンを実施している際には、これよりも高い金利で預けることが可能です。

米ドルのような先進国ではなく、新興国の外貨預金だと、金利設定はより高くなります。

しかしそれ以上に為替変動のリスクが大きくなる可能性があるため、投資初心者に新興国の外貨預金はあまりお勧めではありません。

まずは米ドルのような先進国通貨で始めると安心です。


インフレリスク

インフレとは、ものやサービスの価値が上昇し、お金の価値が相対的に下がる現象を指します。

日本円しか保有していないときにこのインフレが起こると、預貯金の価値が下がってあなたの資産が目減りしてしまいます。

インフレリスクを防ぐためには、世界で最も使用されていて、輸入に頼る日本が多く取引する米ドルを保有しておくと安心です。

仮に大幅な円安が起こったとしても、代わりに米ドルの価値が上がり、トータルの資産額はそこまで変化しない状態が作れるからです。

資産の安全性を高めるためにも、日本円と米ドルに資産を分散しておくのが有用です。


デメリット

ドル預金のデメリットは主に以下の2点です。

1)元本保証がなく、為替変動の影響を受ける。

2)米国の金利相場の影響を受ける。

米国の金利相場

ドル預金の金利は、米国の金利相場を参考に決められています。

例えば1年定期の米ドル預金を持っていた場合、途中で米国の金利相場が大きく下落したとします。

そうすると、1年間は約束された金利が受け取れますが、さらに1年更新した際には低い金利で米ドル預金が組まれてしまう可能性があります。

ただし現在の米国は「金融引き締め施策」に転じており、ここから短期間で大きく金利が低下する可能性は低いと考えられます。

むしろ金利が上昇する可能性のほうが高いかもしれません。


ドル建て預金の銀行を選ぶ

米ドル預金を預ける際の銀行は、以下の3つの観点から選ぶのがおすすめです。

1)米ドル預金の金利設定が高い銀行を選ぶ

2)両替の手数料が安い銀行を選ぶ

3)日頃から取引しやすい銀行を選ぶ


金利設定が高い銀行

米ドル預金の金利設定が高い銀行を選びます。

金利は銀行により自由に設定されているため、銀行によって異なります。

また外貨預金は円預金と比べて、基本的にどの通貨を選んでも高金利です。

街中にある銀行よりも、ネット銀行のほうが比較的金利が高くなっています。

円預金と同様に、外貨預金も定期預金の方が金利は高く設定されています。

銀行によっては、数ヶ月間の期間限定で「高金利キャンペーン」などを実施しているので、開催時期を狙って預金するといいでしょう。

高金利の外貨預金なら、低金利の円預金よりも多くの利息が受け取れます。


両替の手数料が安い銀行

日本円を米ドルに、米ドルを日本円に替える際の手数料が比較的安い銀行を選ぶとよいです。

外貨預金はどうしても日本円と両替する手間がかかり、両替するためのコストがかかってしまいます。

このコストをなるべく抑えることで、より多くの利益が受け取れます。


為替手数料は、銀行や通貨の種類によって異なります。

基本的には店舗のある銀行よりもネット銀行のほうが安く、また流通量の多いドルやユーロなどのメジャー通貨の方が為替手数料は安くなります。


米ドル預金 (ドル資産)におすすめの銀行


ソニー銀行

ソニー銀行は、口座開設直後の為替手数料が0円になること、そして金利設定が比較的高いことが魅力といえます。

特徴 :口座開設直後の為替手数料が0円

米ドル預金の金利 : 普通:0.7%、定期:1ヶ月:4.0%、3ヶ月:3.5%、1年:5%

両替時の為替手数料(対円の場合の片道):  0.15円

最低預入金額 : 10万円または600米ドル〜

ソニー銀行の米ドル預金は、普通預金から、多様な期間設定の定期預金まで揃っており、自分の希望に合わせた商品が利用できます。

金利設定も比較的高く、1年定期で5%は高い金利だと言えるかもしれません。

為替手数料は通常時はそこまで安くありませんが、口座開設直後なら0円です。

注意したいのは、最低預入金額が10万円または600米ドルからと、比較的まとまった金額が必要となる点です。

比較的大きな金額を一度に預け入れ、長期間保有したい人におすすめできる銀行です。


住信SBIネット銀行

住信SBIネット銀行も、多様な商品ラインナップのもと、さまざまなニーズに応えられる銀行です。

特徴 : 定期預金の金利設定が比較的高い

米ドル預金の金利 : 普通:0.5%、定期:1ヶ月:1.5%、3ヶ月:3.1%、1年:5.1%⁵

両替時の為替手数料(片道):  0.06円

最低預入金額 : 普通=1米ドル〜

大手ネット銀行のひとつである住信SBIネット銀行も、ソニー銀行と同じく普通預金から複数の定期預金まで利用できます。

また、為替手数料の設定が低めなのが魅力です。

定期預金は10米ドル〜の預け入れですが、普通預金なら1米ドル〜とハードルが低めです。

まずはお試しで普通預金に預けてみて、その後定期預金にステップアップする、という手段もとれるかもしれません。


GMOあおぞらネット銀行

GMOあおぞらネット銀行は、普通預金のみの設定ですが、その金利設定が比較的高い点が魅力です。

特徴 : 外貨預金の積立も可能

米ドル預金の金利 : 普通:2.35%

両替時の為替手数料(片道): 0.04円

最低預入金額 :1通貨〜

GMOあおぞらネット銀行の米ドル預金は、普通預金のみの設定です。

しかしこの金利が2.35%と比較的高いので、ひとまず普通預金に預けておき、ドル高になるまで様子をみるのもよいです。

また為替手数料はこの4銀行の中で最も低い0.04円です。

外貨預金の積立設定が可能な点もユニークです。


SBI新生銀行

特徴:円換算で分かりやすい取引、外貨宅配サービス、いつでも、何度取引しても変わらない金利

米ドル預金の金利 : 普通:0.001%。定期:1年:4.7%

両替時の為替手数料(片道): 0.07円~0.15円

最低預入金額 : 普通=1,000円、定期:10万円

キャンペーンとして、アプリへのログインで1,000名に500円キャッシュ、外貨積立で10,000円分のAmazonギフトカードプレゼントがあります。


三井住友信託銀行

三井住友信託銀行は、特に、「取引メニュー」、「提供情報」、「システムの安定性」などの項目で高い評価を受けています。

ユーザーのコメントからも、セキュリティ面での安心感、丁寧なスタッフ対応が高く評価されています。

これらの結果から、同行は外貨預金分野において安定性と信頼性を提供し、多くのユーザーから支持を受けていることが明らかです。

ユーザーの声からも、その優れたサービスに裏打ちされた高い評価が浮かび上がっています。(オリコンCS調査部)


三菱UFJ銀行

三菱UFJ銀行は、特に「取引メニュー」、「システムの安定性」の項目で高い評価を獲得し、ユーザーからの支持を受けています。

ユーザーからは、インターネットバンキングと連動できる点や、為替変動が預金に与える変化を確認できる点が評価されています。

また、積立や取引通貨の多様性、スムーズな購入・売却プロセス、専門的なアドバイスを提供する店舗の存在に安心感を覚えており、初心者から上級者まで幅広いニーズに対応している点も、高評価に繋がっているようです。(オリコンCS調査部)