根管治療で頬が腫れて痛くなる

妻が歯が痛くなり、歯医者で治療を始めたところ、頬が腫れてしまったので、ネットで、根管治療(こんかんちりょう)中で頬が腫れて痛くなった場合について調べてみました。


薬を詰めた後に痛み

妻の話では、昨日の治療では、薬を詰めたということでした。

歯の根の中がきれいになった後で、細菌が入り込まないように薬を詰めますが、この時、空気が入らないように圧力をかけて薬を詰めるために、刺激で2、3日痛みが出ることがあるそうです。

根管洗浄(水酸化カルシウムや次亜塩素酸など)や根管充填の際に使用する薬剤の刺激によって、一時的な痛みを伴う場合があります。

また、根管治療で使用するファイルやリーマーで、根尖部分などを傷つけたりした場合に根尖周囲組織が反応し、痛みを伴う事があります。

根管治療後に腫れや痛みを伴う症状に、免疫の反応によるものがあります。

根管治療前までは、歯の内部に多数の細菌が繁殖していたため、骨の内部に細菌や膿が蓄積されています。

根管治療によって細菌量が急激に減少すると、免疫が強く働き、蓄積された膿を外部に出そうとする事によって一時的な痛みや腫れが生じます。

抗生物質や痛み止めの服用で症状を緩和することができます。


抗生物質と痛み止め

それでも、腫れや痛みが強い時には、抗生物質と痛み止めで腫れと痛みを軽くするとあります。

薬は歯科医が処方したものが良く効くそうですが、とりあえずの痛み止めは、市販のロキソニンでも良いようです。

治療後2〜3日は痛みを伴うケースがありますが、基本的には処方された鎮痛剤・抗生剤の服用で次第に収まることがほとんどです。

しかしいつまで経っても腫れや痛みが引かない場合は、歯髄を完全に取り除けていない可能性があります。

また詰め物などをしたことで、治療した歯の周辺に圧迫感のある痛みを感じることも少なくありません。

この場合は、一週間から数週間ほど様子をみれば、徐々に馴染んでいき痛みも軽減されていきます。


冷やす

痛い頬は濡れたタオルやアイスノンで冷やすのは良いそうですが、冷やしすぎは血液の循環を妨げるので良くないようです。

冷やす方法は下記の通りです。

1)冷湿布を貼る
2)氷・保冷剤をタオルに包んで肌に当てる
3)冷水で絞ったタオルを当てる

うがい薬

口の中を出来るだけ清潔に保つ為にうがいを行う事が大切です。

細菌感染を広げないために、うがい薬は、コンクールやイソジンなどの、殺菌作用が強く低刺激なものを使用すると良いです。

アルコール成分の強いうがい薬は、刺激が強く、悪化させることがあるので避けた方が良いようです。


根管治療と歯髄腔

根管治療とは歯の神経が入っていた空洞である歯髄腔(しずいくう)をきれいにし、細菌が入り込まないように薬で密閉することと説明されています。

歯髄腔は神経が死んでしまうと細菌が繁殖し、根の先から細菌や毒素を顎の骨の中にばらばらまきます。

この細菌によって副鼻腔炎や骨髄炎などの大きな病気になることもあるそうです。

この歯髄腔の細菌は自然に治ることがないため、根管治療をして機械的に細菌を取り除き、新たに細菌が入らないように薬を緊密に詰める必要があります。

根管治療をすることによって神経が死んでしまった歯でも長く使うことができるとのことです。

根管治療は、基本的に複数回に分けて治療が行われます。

根管治療中は、人によって強い痛みを感じることがあります。

そのため耐えられないほどの痛みが伴う場合には、麻酔による処置を行うことがほとんどです。

しかし歯髄が腫れて充血した状態だと、麻酔が効きづらくなり痛みを感じることも珍しくありません。

夜寝れないほど激しく痛む場合は、根管治療に不具合がある場合が考えられます。

通常、虫歯に侵された歯髄を全て除去すれば、痛みを感じることはありません。

しかし寝れないほど痛みを感じるのであれば、歯髄の取り残しが考えられます。

根管治療後、何ヶ月経っても腫れ・痛みが引かない場合は、すぐに再受診が必要です。

上述のように歯髄の取り残しや、歯内部の洗浄が十分にできておらず虫歯が再発している可能性があります。

他にも詰め物・被せ物が合っていない可能性もあります。

また、神経障害性疼痛による痛みのケースもあります。

神経障害性疼痛とは、神経を切断した箇所が正常に治らず「痛み」として脳に信号が送られることで感じる痛みのことです。

一方、虫歯が深くてもできるだけ神経を残してくれる歯医者を選ぶと良いと言われることがあります。

虫歯が神経まで広がっていても強い痛みが無ければ歯をを再生させる薬(MTA)で神経を保護して神経を残すことができる場合もあるようです。


治療回数

根管治療にかかる治療期間は、2週間に1度の通院と想定すると大体1〜2ヶ月です。

治療回数にすると、1〜8回が平均的な回数となります。

虫歯に侵されている歯の箇所や進行度などによって、治療期間・回数は異なります。

しかし根管治療を途中でやめてしまうと、症状が悪化し抜歯しなければならなくなる可能性も

マイクロスコープによる治療

マイクロスコープを使用すると、精度の高い根管治療が可能となります。

マイクロスコープを使った歯科治療とは、患部を肉眼の4〜20倍に拡大して行う歯科治療のことです。

患部を肉眼では見えないほど細かなところまで拡大して処置するため、通常よりも精密な治療を行うことができます。

治療の精度を上げることは、被せ物と歯の堺目を少なくして2次的な虫歯が起こりにくいようにしたり病気の再発を防いだりするなど、治療後の歯を良好な状態でキープすることに繋がります。

根管治療とは、歯の根の治療のことです。

歯の根には中央に1mmにも満たないくらいの細い管があり、中には歯の神経や血管が詰まっています。

根管治療では、歯の根の1mmにも満たない管の中を細部まで確認するためにマイクロスコープが活用されます。

根管治療では、歯の根の管をどのくらい綺麗にできるかが治療後の歯の寿命に影響します。

マイクロスコープを使うと肉眼では確認できないところまで歯の根の管を綺麗にできるため、治療後の再発率を下げて歯を長持ちさせることができます。

肉眼では根管内はほとんど見えませんが、マイクロスコープを用いることで、根管内に光を通すことができ、さらに20倍に拡大した視野の中で、治療を行うことができるため、治療の成功率が上昇します。

マイクロスコープを使うと、細部まで確認して正確な診断ができるようになります。

そのため、歯の状態によってはマイクロスコープを使った治療なら歯の神経や抜歯と診断された歯を温存できるなど、歯の寿命を伸ばせる可能性があります。

マイクロスコープを使った歯科治療では、患部を拡大して一つひとつのステップを確実に行う必要があります。

そのため、1回の治療時間は長くなる傾向があります。

マイクロスコープを使った治療には時間とコストがかかるため保険適用外となり、保険適用の治療よりも費用が高くなる可能性があります。

また、治療中の動画撮影をお願いする場合は別途費用がかかることがあり、追加で費用を支払わなくてはいけない場合もあります。

基本的には保険適用外で数万円〜数十万円以上の治療費がかかると考えた方がよいです。

マイクロスコープを使った歯科治療で保険適用になるのは、CT撮影を伴う歯の根の治療(根管治療)です。

2020年より歯の根が3本以上の歯の根管治療の際に、CT撮影とマイクロスコープの使用をセットで行った場合に「手術用顕微鏡加算」として治療費を請求できることになりました。

これにより、根管治療の一部のケースでは保険適用にてマイクロスコープを使った根管治療を受けることができます。

手術用顕微鏡とは、マイクロスコープのことです。

歯の根が3本以上の根管治療にかかる費用の目安は下記の通りです。

1)保険適用(マイクロスコープなしの場合) 約2,800円

2)保険適用(マイクロスコープありの場合) 約4,000円

3)保険適用外(自費診療) 約10〜100万円