鼻の頭にできるおでき



今朝、顔を洗っている時に、ふと鏡を見て、鼻の頭に滴が付いていることに気づきました。

それは、よくよく見ると、白く膨らんでいました。

触れると痛く、いつの間にか、小さなできものができていました。

このところ鼻の辺りが痒かったことと、鼻をかむと痛い時があったことも思い出しました。

皮膚科へ行く前に、ネットで前知識を得ることにしました。


鼻の頭にできるおでき

鼻の頭にできるおできには、主に4種類があります。

めんちょう(面疔)、にきび、粉瘤、鼻せつ、等です。

この4種類以外にも帯状疱疹(たいじょうほうしん)や毛嚢炎(もうのうえん)といった炎症、鼻茸 (はなたけ鼻ポリープ)、酒さ(しゅさ)といった皮膚病症まで、考えられる症状は多くあります。

症状により、形成外科、皮膚科、耳鼻咽喉科を受診することになります。


めんちょう(面疔)

めんちょうのできる原因は「黄色ブドウ球菌」です。

黄色ブドウ球菌は人の皮膚や外界に広く存在している細菌です。

赤みがかった腫れや痛み、痒みといった症状が現れます。

悪化すると、硬いしこりになったり、赤みが更にひどくなって腫れ上がることもあります。

皮膚の小さい傷や皮膚が湿った状態が長く続くと、それが原因で黄色ブドウ球菌が毛包に感染して増殖し、毛包炎と呼ぶ疾患になります。

毛包炎の炎症が周囲の皮膚組織に広がって化膿しておできとなります。

おできが顔の中心部分である鼻の頭やその周辺である眉間から口のあたりにできたものを、めんちょう(面疔)と呼んでいます。

鼻の周辺というのは、細い血管がたくさん張り巡らされている場所で、皮膚も薄いので、そのようなところに黄色ブドウ球菌が付くと、菌が血管を通って脳の中にまで入ってしまう恐れがあります。

それによって脳炎や脳髄炎をおこし、かつては命を落とすことありました。

昭和の初期ごろまでは、めんちょうは死亡率の高い病気でしたが、現代では 抗生物質の普及によって、めんちょうで亡くなる人はほとんどいません。

めんちょうの治療は、塗薬や飲み薬で、抗生物質や抗菌剤が配合されています。

医療機関では塗り薬だけでなく、抗生剤の内服で原因菌の増殖を抑える治療をします。

化膿や酷い腫れが生じた場合は麻酔をして切開し、内部の膿を出し切ることもできます。

ニキビ

めんちょうによく似た疾患にニキビがありますが、こちらの原因は、アクネ菌で、この菌も人の皮膚によく見られます。

ニキビは、詰まりを起こしてしまった毛穴に角質や皮膚についた脂などの老廃物が溜まってしまい、アクネ菌という菌が増えてしまい赤みなどの炎症を引き起こしてしまうことをいいます。

アクネ菌は、ブドウ球菌のように人の皮膚に最も多く存在する細菌の一つで、どんな人の皮膚にもできる菌になっています。

めんちょうが、鼻全体が赤く腫れ上がるのに対して、ニキビは患部の直径1~3㎜ほどが白く盛り上がります。

ニキビは進行により、初期段階で気付きにくい「白ニキビ」や、詰まった皮脂が黒くなった「黒ニキビ」、それが炎症を起こして赤くなってしまう「赤ニキビ」などがあります。

「白ニキビ」は毛穴の中に皮脂がたまっている状態で、ニキビになりたての段階で特に症状もなく、白ニキビができていることに気づかない人もいます。

「黒ニキビ」は白ニキビが進行して毛穴が開き、空気にさらされて酸化して黒く変色したものです。

「赤ニキビ」は更に進行してアクネ菌が繁殖し、炎症を引き起こしたものです。

ニキビは、種類豊富な市販薬をドラッグストア等で見かけることが多いことから、自己治療をする人が多いですが、他の皮膚病の恐れもあるため、自己判断せず、形成外科や皮膚科で診断してもらうことが大切です。

保険診療による外用薬や内服薬の処方も可能で、市販薬よりも確実で安心安価な治療を受けられます。

粉瘤

ニキビとよく勘違いされやすい粉瘤ですが、治療方法は全く異なります。

粉瘤はアテロームや表皮嚢腫(ひょうひのうしゅ)とも呼ばれます。

粉瘤は垢や角質といった老廃物が時間をかけて膿となり、押したり潰したりして外に出すことで臭いを放つ場合があります。

見た目は数mm~数cmのドーム状のしこりとなります。

時間が経つにつれて大きくなり、白や黄色、黒色に変色することもあります。

色が変化することで、にきびやおできとの判別がしやすくなります。

ニキビと異なり、放置していても治癒することはありません。

放置するほど更に大きくなり、炎症によって化膿し強い痛みや腫れが生じます。

粉瘤でできたしこりの中心部分に、小さな黒い穴(へそ)ができるのも特徴の一つです。

しこりを押しつぶすと、この穴から粘り気があって臭う内容物が出ます。

粉瘤は薬で治療することはできません。

しかし、手術をおこなうことできれいに取り除くことが可能です。

粉瘤はくりぬき法または切開法という手術法により摘出します。

局所麻酔を行うため、基本的には痛みも少なく手術可能です。

炎症性粉瘤の場合は嚢腫を取り除く前に細菌を除去しなければなりません。

そのため膿を出した後に抗生剤を投与して嚢腫内を洗浄します。

これには数日かかることがあり、通院する必要があります。


鼻せつ

鼻せつは、鼻の入り口付近が赤く腫れ上がってしまう感染症のことです。

鼻の入口や穴の中を指でいじったり、鼻毛を抜いたときにできる傷から黄色ブドウ球菌という原因菌が侵入することで症状が現れます。

腫れがひどくなると鼻詰まりの原因になったり、頭痛を引き起こします。

感染が鼻の先まで広がってしまうと、ピエロのような赤い鼻になってしまうこともあります。

鼻せつの治療は、原因菌である黄色ブドウ球菌に効果がある抗生物質を内服、または軟膏で治療することが一般的です。

膿が多く溜まってしまった場合は切開手術が必要なケースもあります。

自然治癒を期待して放置するのではなく、悪化する前の診察が重要です。


生活習慣

寝不足や運動不足などの問題が重なり、疲労やストレスを強く身体に蓄積している状態の場合はめんちょう問題につながりやすくなります。

適切な睡眠や運動、バランスの取れた食生活を心がけることでホルモンバランスを整えることができます。

大人になってからのニキビは運動不足やストレス、ビタミン不足や睡眠不足などの原因が考えられます。

ニキビになれば運動を適度に行い、ビタミンや睡眠は普段より多めに摂取すると良いです。

新しい細胞が生まれ、垢になってはがれ落ちるまでの過程を、ターンオーバーまたは角化といいます。

ターンオーバーの期間については個人差がありますが、本来28~55日周期でおこなわれます。

この周期が乱れると老廃物が溜まり、粉瘤ができるといわれています。

ホルモンバランスが乱れてしまうと、肌に良い影響を与える「エストロゲン(卵胞ホルモン)」などのホルモン分泌量が不足してしまうことがあります。

特に脂質を多く含むスナック菓子や揚げ物を日常的に食べてしまう習慣がある場合は、皮脂量が増えてできものの原因になってしまいます。

甘い食事やチョコレートなどの糖分を多く含む食材を体内に摂取すると、その糖を分解するためにビタミンB群を同時に消費してしまいます。

ビタミンB群は皮膚の免疫を高める上では欠かせないビタミンで、この栄養素が同時に大量に消費されてしまうことで、皮膚の炎症になりやすくなります。

甘いものを摂りすぎるとニキビにもなりやすくなると言われているのもこのためです。

運動などを行って汗をかくことは健康にもいいことですが、汗をかいたままの状態を放置していると、菌が繁殖しやすい状態になってしまいます。

皮膚は通常弱酸性に保たれていて、若干の殺菌作用雨を持っています。

しかし汗や濡れるなどの状態の変化によって弱酸性に保たれていた皮膚表面がアルカリ性に性質が変化してしまい、原因となる黄色ブドウ球菌が繁殖しやすい環境に変わってしまいます。

特に顔に沢山汗をかいてしまっている時は、洗顔だけでもしっかり行うようにするとよいです。

自分で行う応急処置として市販薬で販売されている治療薬では、化膿性皮膚疾患用のクリームや軟膏薬を塗っておくのも良いです。

有名な市販薬としては、「オロナインH軟膏薬」です。

その中にある成分はとてもめんちょうにも効果があります。

即効性は1日~1週間で就寝前の洗顔後に塗るだけです。

毎日塗っていれば軽度な場合は、そのうち治る可能性もあります。

しかし、鼻にできものを見つけたときは、できるだけ早めの診療が大切です

痛みや腫れが生じた場合は、早期に医療機関で受診すると、早く治癒することが可能です。

結局、私の場合、医師の見立てはニキビとのことで、飲み薬と塗り薬の処方で順調に回復が進んでいます。