ボケることと認知症


最近スマホをいじっていると、うつらうつらと、うたた寝をすることが多くなりました。


夢うつつを彷徨いながら、自分がボケてしまった時の追体験をしているような気分になります。

ボケるということから、認知症について、色々と調べてみました。


ボケるとは

ボケるとは物忘れから始まるように思います。

物忘れには「加齢」によるものと「認知症」が原因となるものがあります

「加齢」によるもの物忘れは、脳の生理的な老化が原因で起こります。

その程度は一部の物忘れであり、ヒントがあれば思い出すことができます。

また本人に自覚があります。

「認知症」による物忘れは、脳の神経細胞が壊れることにより起こります

物忘れは物事全体がすっぽりと抜け落ち、ヒントを与えても思い出すことができません。

本人に自覚はない状態です。


MCI

MCI軽度認知障害のことで、正常と認知症の中間ともいえる状態のことです。

日常生活への影響はほとんどなく、認知症とは診断されません。

MCIの人のうち年間で1015%が認知症に移行するとされています。

MCI
の人は厚生労働省の発表では862万人いるとされています。

これは驚くべきことに65歳以上の4人に1ということです。

MCI
の人は早期に治療を始めれば、回復したり、発症を遅らせることができます


認知症とは

認知症は病名ではなく、まだ病名が決まっていない、原因もはっきりしていない状態のことを表しています。

認知症にはいくつかの種類がありますが、主なものとして、アルツハイマー型認知症、脳血管型認知症、レビー小体型認知症、前頭側頭型認知症があります。

厚生労働省の平成23年度から24年度の報告では、67.6%はアルツハイマー型認知症、約19.5%は脳血管型認知症、4.3%がレビー小体型認知症となっており、圧倒的にアルツハイマー型認知症が多いです。


アルツハイマー型認知症

記憶障害(もの忘れ)から始まる場合が多く、最近のことが覚えられず、同じことを何度も聞いたりします。

病気が進むと昔の経験や、学習した記憶も失われます。

今日がいつか今どこにいるのかがわからなくなる(見当識障害)、順序立てて作業(料理など)ができない(遂行機能障害)、見たものが何かわからない(ご飯を見ても食事とわからない)(失認)などがあります

今までできたことができなくなったと落ち込んだり、周囲に怒鳴り散らす人もいます。

居場所や地図が分からず徘徊もみられます。


脳血管型認知症

脳梗塞や脳出血、脳動脈硬化などによって、一部の神経細胞に栄養や酸素が行き渡らなくなり、神経細胞が死んだり神経のネットワークが壊れたりします

軽い記憶障害(まだらボケ)や言語障害などが現れやすくなります。

手足の麻痺、転びやすい等、アルツハイマー型と比べて早いうちから歩行障害も出やすいようです。

夜間せん妄(夜になると意識レベルが低下して別人のような言動をする)などの症状が早期から見られることもあるようです。


レビー小体型認知症

「幻視」や「パーキンソン症状」「うつ症状」が初期症状として現れます。

特に、「幻視」はレビー小体型と気づくための初期症状の決め手となることが多いようです。


前頭側頭型認知症

前頭側頭型認知症ではもの忘れはあまり見られず、「同じ言葉や行動を繰り返す」「食行動の異常(同じものばかり食べたがる、夜中に冷蔵庫のものを食べあさるなど)」「会話中に突然立ち去る」「集中力や自発性の低下」「反社会的な行動(万引きやルールを無視するなど)」「なかなか言葉が出てこない」といった症状がでてきます。


せん妄

認知症に似た症状にせん妄があります。

せん妄とは認知機能の障害で、たとえば「私はだれ? ここはどこ?」)といった症状になります。

せん妄の場合は起こり方が急激で、その日時まで特定できる場合もあるのに対して、認知症が起こってくるのは非常にゆっくりで何時からというのがはっきりしないという違いがあります。

せん妄では症状が1日のうちでも非常に変化しやすく一時的に意識がはっきりしたりするのに対し、認知症の場合は基本的には症状が一定しているため、せん妄とは区別できます。

さらに、基本的にはせん妄は元に戻りうるのに対して、認知症は元に戻りません。


認知症予防

1.食習慣

・野菜・果物(ビタミンC、E、βカロチン)をよく食べる

・魚(DHA、EPA)をよく食べる

・赤ワイン(ポリフェノール)を飲む

2.運動習慣

・週3日以上の有酸素運動(ウォーキング)をする

3.対人接触

・人とよく会話をする

4.知的行動習慣

・文章を書く・読む、ゲームをする、博物館に行く など

5.睡眠習慣

・30分未満の昼寝 起床後2時間以内に太陽の光を浴びる

日頃テレビなどでは報道されない、65歳以上の4人に1人が軽度認知障害と言われる驚くべき現実を考えると、認知症は誰にでも起きる可能性がある恐ろしい疾患と言えます。

認知症になってしまったその時になぜと思う前に、リスクを減らす日頃の予防が肝要と思います。