最も高く飛んだ航空機

X-15

有人飛行機の高度記録はアメリカのX-15が出した107,960mです。

X-15は、アメリカで開発された高高度極超音速実験機です。
ノースアメリカン社によって製作された、ジェットエンジンではなくロケットエンジンにより高高度まで上昇出来る能力を持つロケットプレーンでした。



1963年8月22日に行われた91回目のフライトで、ジョセフ・A・ウォーカーの操る機体が高度107,960mに到達しました。

これがX-15計画中の最高到達高度となりました。

MiG-25

燃焼に空気を必要とするジェットエンジン機では、旧ソ連のMiG-25Pが出した最高高度37,650mです。

MiG-25は最高速度が非常に速く、3,000 km/h (およそマッハ 2.83 相当)での飛行を目標に設計されており、実用化された戦闘機としては最速です。

イスラエルのレーダーにマッハ 3.2、中東方面ではマッハ 3.4 の飛行速度が記録されています。


高速飛行に際しての高熱に曝される部分においてはチタン合金を使用することで耐久性が高められ、また、強度を十分に確保するため、ニッケル鋼が多用されていました。

機体全体では、ニッケル鋼80%・アルミニウム合金11%・チタン合金9%の材料構成となっていました。

高速性と高々度性能得るため、エンジンは強大な推力を発生する大型ターボジェットエンジン R-15-300 が2基搭載されたが、燃費が非常に悪いため機体容量の約70%が燃料タンクに充てられていました。

SR-71

水平飛行での巡航高度記録は、有人機ではアメリカのSR-71の25,900mです。


SR-71は、ロッキード社が開発してアメリカ空軍で採用された超音速・高高度戦略偵察機です。

SR-71の機体は、最高速度マッハ3.2を達成するため、全体の93%にチタン合金が使用されています。

高温下での熱膨張を考慮し、機体外装パネルにわずかな隙間を意図的に空ける設計としています。


そのため、地上で機体温度が常温にある間は、パネルの隙間から燃料が染み出すため、床には受け皿が置かれました。

技術者はこの燃料漏れ対策に苦心したとも言われます。

ヘリオス

無人機では、2001年8月13日に、NASAの開発した太陽電池プロペラ機「ヘリオス」がプロペラ機としての最高高度29,511mを記録しました。


「ヘリオス」(Helios) は、アメリカ航空宇宙局 (NASA) が開発した、太陽電池と燃料電池を電源とする無人のソーラープレーン「パスファインダー」(Pathfinder) の実験機です。 

この30㎞に近い高度の空気は火星の大気と類似しており、この成果を受けてNASAの科学者は将来「パスファインダー」が火星の大気圏において使用できる機体になる可能性を研究しています。

またNASAによると、この実験でパスファインダーの概念を立証し、実際に実現させたとすれば、数ヶ月間の連続的な飛行を行うことも可能であるといいます。

それゆえに、「パスファインダー」がいつか人工衛星の代替として大気圏内衛星 (atmospheric satellites) とでも呼べる物の先駆けになるとしています。

2003年6月26日、「ヘリオス」は故障し、ハワイ・カウアイ島西約16 キロの太平洋上に墜落しました。 

SA 315

世界一高い高度まで上昇したヘリコプターはSA 315で、12,442mです。


SA 315B ラマ(SA 315B Lama)は、高温と高地での運用に適合するようにアルエットIIの機体にアルエットIIIの部品を組み込んで開発されたフランスの単発ヘリコプターです。

SA 315Bは高高度性能を重要視して設計され、1969年のヒマラヤでのデモンストレーション飛行の最中に2名の搭乗員と120 kgの燃料を搭載して記録された最高高度の7500m (24,605ft)で離着陸をしてみせました。

1972年6月21日には操縦士1名が搭乗して12,442m というヘリコプターが到達した絶対高度記録を樹立しました。

有人気球

世界一高い高度まで昇った有人気球はTIFR社製ヘリウム気球(型番不明)です。
2014年10月24日、Google社上級副社長のアラン・ユースタスが到達高度41,419m(135,889.108ft)を達成しました。
同時に最高高度の成層圏からのスカイダイビング降下記録も更新しました。
最大落下速度は時速1,342km(マッハ1.1)に達しました。


それまでのバウムガルトナーの高度記録39,044mと速度記録時速1340㎞=マッハ1.1を更新しました。アラン・ユースタスの場合、バウムガルトナーがカプセルで最高高度まで到達した後ダイブしたのに対し、与圧服がヘリウム入り気球に直接吊り下げられて、最高高度に到達し切り離されフリーフォールしています。

宇宙服に身を包んだユースタス氏は気球を使い約2時間かけて成層圏に到達。気球を体から切り離すと音速を上回る最高時速1322キロで落下し、パラシュートを使って約15分で地上に戻ってきました。


無人気球

世界一高い高度まで昇った無人気球は日本のJAXA BS13-08号機です。
2013年9月20日、北海道大樹町にある大樹航空宇宙実験場から放たれた後、高度53.7kmを記録、これまで同じJAXAの高高度気球BU60-1の持つ53.0kmの記録を塗り替えました。



無人気球は、新たに開発した厚さが僅か2.8μm(マイクロメートル、1μmは100万分の1m)の世界で最も薄い気球用フィルム(ポリエチレン製)を使って作ったもので、「超薄膜高高度気球」といいます。

実験は、大樹町にあるJAXAと同町の連携協力拠点「大樹航空宇宙実験場」で行なわれ、気球に浮力を与えるヘリウムガスを充填し、直径60mの大きさにまで膨らませて午前5時22分に放球しました。


気球は、毎分約250mの速度で上昇を続け、放球から2時間42分後に同実験場の東南東約130kmの太平洋上で世界新記録の高度53.7kmに達しました。最高高度に達した後は、地上からの指令で気球を破壊し、太平洋に緩降下させました。

ドローン

ドローンの最高高度記録は10,200mです。
ロシアのドローン動画チャンネル『Денис Корякин』で、自作のFPVドローンで高度1万メートルを超える上空でドローンを飛ばす様子を収めた動画が公開されています。

今回到達できた最高高度は「Alt km 10.2」と表示されており、10,200m程であることがわかります。なお風にあおられているせいか、そもそも空気が薄すぎるのか、原因は明らかにされていませんが、これ以上は高度を上げられないようです。 


人口密度が低くく、万が一機体が制御不能に陥って墜落しても人家を巻き込んだ事故になる可能性が低い同国ならではの記録と言えそうです。
日本では、ドローンを無許可で地上や海面から150m以上の高さへ飛行させることは航空法で禁止されています。