低体温の心配

妻が体温計で体温を計ったら、35度台しかなかったので、私も計るはめになりましたが、私が計っても35度台で少し驚きました。

通常体温とは36度台あるのが普通と思っていたので、自分が思っていたよりも低い体温であったことに、少々心配になってきたので調べてみました。

体温とは

体温(たいおん、英: body temperature, BT、独: Körpertemperatur, KT)は、体の温度のことです。

ヒトの体温は正常時には個人差がありますが35〜37度前後の比較的狭い範囲内で調節維持されています。

体温が一定の範囲から逸脱すると体温調節機構は正常に機能しなくなり極度になると生命に危険が及ぶこともあります。 

体温が摂氏42度以上にまで上昇すると死亡率は80%以上となり、反対に体温が摂氏25~27度にまで下降すると心室細動を起こして死に至ることもあります。

ただし、人工冬眠や全身麻酔の状態では人為的に低体温に対する反応が予防されており医療分野では低体温麻酔などにも応用されています。


体温の種類


腋窩温(えきかおん)

腋の下(腋窩)で測定される体温です。

一般的にヒトの体温と言えば腋窩温を意味します。


電気的温度計の発達により測定が容易となりました。


ただし、非常に痩せていて腋の下に閉鎖体腔が形成されないような場合、末梢循環不全で皮膚血管の収縮がある場合、発熱に対処するため体表冷却を行っている場合には正確な腋窩温は測定が困難です。


ワキのくぼみの中央に体温計の先端をあて、体温計が上半身に対し30度くらいになるようにしてワキをしっかり閉じます。

口腔温・舌下温

口腔(舌下部)で測定される体温です。

外頸動脈部領域に存在し血管収縮の影響を受けにくく中枢温に近い体温を測定できます。


測定

人間の体温の測定は、通常は測定しやすい腋窩や口腔、直腸にプローブ(体温計)を挿入して測定します。

体温は環境温度の影響を受けにくい身体深部の温度を核心温度(深部体温)、影響を受けやすい表層の温度を外殻温度(皮膚温、体表面温)といいます。 

核心温度は、環境の変動によっても温度が変化しない生態の核心部(頭腔、胸腹腔など身体深部)の温度で、外殻温度と異なり体温調節により一定に調節されています(恒温動物で37℃くらい)。

直腸温、口腔温、腋窩温、鼓膜温が測定されます。

通常、直腸温は腋窩温よりも0.5℃高いです。


外殻温度は、生態の外層部の温度であり、環境温度によって変化します。


体表面に近いほど環境温度に近くなります。

一般的に、核心温度は37℃前後であり、外殻温度は34℃程度であり、その環境によって変動の幅は大きくなります。
低体温

「低体温」とは、深部体温が35度以下になることを指します。

こうなると激しい震えや意識障害、錯乱などが出現し、最終的には呼吸および心停止となります。

「低体温」にならないまでも、体温が低くなると、血行も悪くなり、免疫力も低下し、疲労やアレルギー、生活習慣病(緑内障・糖尿病・高脂血症・脂質異常症)などの多くの病気にかかりやすい状態になります。

また婦人科疾患(不妊や子宮内膜症、子宮筋腫など)」は低体温や冷えと関係があるといわれています。

健康な人の基礎体温は約36.5℃で、細胞の新陳代謝が活発で、健康で、免疫力も高く、ほとんど病気をしない状態を保つことができます。

体温が37℃から36.5℃の時は細胞の新陳代謝が活発で、免疫力も高く、病気になりにくい状態です。

低体温の人の体温は35℃台以下ぐらいで、この場合、新陳代謝が活発ではありません。

体温が下がり、低体温になると、基礎代謝が低下するため、脂肪を燃焼しにくくなり、太りやすくなります。

37℃-36.5℃ 免疫力や代謝が最も活発に働く、ベスト体温
36℃ 体はブルブルッと震えて熱を生産しようする
35.5℃ 代謝機能低下、排せつ機能低下、自律神経症失調症の発症、アレルギー症の発症など体の機能が狂い始める
35℃ 内臓機能は正常範囲で働くことができるけれど、ガン細胞が最も活発に増殖し始める
34℃ 生存ギリギリ
33℃ 凍死寸前の体温


平均体温

約50年前の日本人の平均体温は36.8度あったとされるのですが、今日本人の平均体温が下がっています。

平熱が35度台ということも多く、中には34度台という低体温の人もいるそうです。


日本人の成人の平均とされている平熱は、36.89度±0.34度との調査報告があります。

さらに、全体の概ね68%の人が36.6~37.2度の間に入ると言われており、37度が平熱という方も比較的多いということが分かっています。

体温は、計測するタイミングや外気温、女性の場合は性周期など、様々な影響を受けます。

自分の平熱を知っておくためには、まずは1日4回(朝起きた時、午前中、午後、夜)計測をして記録をしてみると、より正確に自分の体温を知ることができると言われています。

1日のうちでも朝起きた時が最も体温は低く、夕方は最も高いということが調査から分かっています。

食事の後やお風呂の後、体を動かした後や外から帰ってきたあと30分以内は体温を測るのに適していないと言われていますので注意が必要です。

1日のうちに何度も体温を計測することで、正しい自分の体温を知ることができます。



低体温と病気

本来、ヒトの体温の平均は36.5℃くらいであり、これは体内の酵素が最も活性化され、働いてくれる温度です。

体温が上がると血流がよくなります。反対に体温が下がると血流が悪くなります。

血液中にある白血球は体内に異物が侵入した時に素早く駆除する働きを持っています。

白血球が体の中を巡り、体内に異物が侵入していないかパトロールすることで、体を守っています。

体温が下がると、体の中に異物が侵入してきても素早く白血球を集められず、素早く異物を駆除できないためウィルスや細菌に負けてしまうことで、病気になりやすくなります。

低体温だと、酵素の働きが低下するため、新陳代謝が悪くなり、免疫力も低下し、病気になりやすくなります。

体温が1℃下がると、1)免疫力低下、2)基礎代謝低下、3)体内酵素活性の低下、といわれています。

体温が下がり、免疫力が低下すると、カゼなどの感染症・病気にかかりやすくなったり、花粉症などのアレルギー症状が出やすくなります。

さらに、低体温だと、免疫力が落ちることに加え、体温が35℃になるとガン細胞が活発になるともいわれています。

新潟大学大学院医歯学総合研究科の安保徹教授によれば、低体温になると、免疫力をつかさどる血液中のリンパ球の数が減ることで免疫力が落ちてしまうために、風邪などにかかりやすく、疲れやすくなると考えられるそうです。

また、血行が悪いために体の細胞が必要とする栄養素や酸素が運搬できないために、体の機能が低下してしまうそうです。

体の機能低下の例としては、肌の艶がなくなったり、顔色が悪くなったり、肩こりや首のコリがひどくなり、下痢や食欲減退などが挙げられます。


症状

体温が1度上がると基礎代謝が13%アップすると言われています。

つまり体温が高い人ほど基礎代謝が高く、低い人ほど基礎代謝が低いです。

基礎代謝とは、何もせずじっとしていても、生命活動を維持するために行われている活動で必要なエネルギーのことです。基礎代謝は、一日の消費カロリーの約60~70%を占めています。

そのため基礎代謝が高い人ほど太りにくく、低い人ほど太りやすいです。

それだけでなく、血流が悪くなることで体の中の不要な老廃物が排出されにくくなります。

つまり、老廃物が体に溜まりやすくなるため、シワや肌荒れの原因になります。

低体温(35℃)だと、更年期障害、新陳代謝の低下による肌のくすみ、自律神経失調症、生理不順などを招くことが考えられます。

低体温・冷えは万病の元ともいわれ、肩こり、頭痛、腰痛、腹痛、生理痛、不眠などの不快症状が現れてきます。

また、かぜ等のウイルスに感染すると、通常は体温を上げてウイルスを死滅させようとしますが、低体温では内臓の温度が上がりにくく、抵抗力が弱まり、かぜが治りにくくなります。


原因

ミネラル・ビタミン不足 

低体温の原因は生活習慣にあると考えられます。

特に、食生活の乱れが低体温の主な原因です。

私たちは、食べ物(糖質・脂質・たんぱく質)からエネルギーや熱を作り、体温を保っています。

体内で糖質をエネルギーに変える時に必要なのが、亜鉛・マグネシウム・鉄・セレンなどのミネラルとビタミンです。

しかし、ミネラル・ビタミンが不足してしまうと、食べ物からエネルギーや熱を作ることができず、体温が上がらなくなり、低体温になってしまうのです。

最近は、加工精製食品の取りすぎの傾向により、脂肪・糖分の過剰摂取の反面、ミネラル・ビタミンは不足傾向にあります。

また無理なダイエットをすると、更にミネラル・ビタミンは不足してしまいます。


タンパク質不足 

熱を作り出す筋肉のもとであるたんぱく質が不足すると筋肉量が減少します。


冷たい食べ物や甘い食べ物の食べ過ぎ

冷たい食べ物や甘い食べ物は身体を冷やしてしまい、低体温の原因となります。


季節はずれの野菜や果物の摂取

冬に夏の野菜や果物を食べると身体を冷やしてしまいます。夏の野菜は水分が多く、身体を冷やすからです。


ダイエット

食べない系ダイエットをすることで、ミネラル・ビタミンのバランスが崩れています。


冷暖房などが整っている住環境

体の体温を調節する機能が鈍くなることが低体温の原因だと考えられます。


姿勢の悪化

猫背など姿勢が悪いと血行が悪くなります。

血行が悪いと体の隅々まで血液が届きにくくなり、末端まで届く頃には血液が冷たくなります。

その結果として低体温を引き起こします。

意識して正しい姿勢を保つことが必要です。



運動不足(筋肉量の減少)

運動不足になると、血液を送る筋力を刺激しない状態が続き、筋力が低下し、低体温の原因となります。

細胞の中にあるミトコンドリアが熱を発生させているのですが、筋肉量が多ければ、ミトコンドリアの数も多くなり、それにともなって体温が上昇すると考えられるそうです。


ホルモンバランスの乱れによる自律神経の乱れ

ホルモンバランスが乱れることで、自律神経が乱れてしまい、体温をコントロールすることができなくなり、低体温になることもあります。

特に女性は妊娠・出産、更年期、過度のストレスなどによって、ホルモンバランスが崩れることがあるので、気をつけてください。


便秘

便秘になるということは、腸内でぜん動運動が行なわれていないということであり、基礎代謝も低くなります。

基礎代謝が低くなることが、冷え性や低体温の原因とも考えられます。

腸内の働きを良くし、便秘を改善することが低体温改善にもつながると考えられます。


改善方法

冷たい食べ物や甘い食べ物をあまり食べないようにする 

糖分には体を冷やす作用があり、低体温の原因となるので、できるだけ食べないようにする。

温かい飲み物を飲んで低体温改善する。


旬の野菜や果物を摂取して低体温改善
 


食事をすると、体内に吸収・分解される際に、熱が発生します。 

食事誘発性熱産生といいます。 

体温を上げる熱性食品には下記のようなものがあります

ニンニク 山椒 胡椒 唐辛子
ニラ 葱 ラッキョウ  生姜 パセリ
人参 カボチャ 春菊 蕗・山菜類
羊肉 鶏肉 クルミ 栗 餅
マグロ 鯛 鰻


生姜湯 紅茶 ほうじ茶 ココア
ハーブティー(ローズマリー、レモンバーム、サフラン)

夏ばて防止のために、土用の丑の日によく食べられる鰻も熱性食品です。


運動で低体温改善 

運動不足になると、血液を送る筋力が低下し、低体温の原因となるので、積極的に運動して筋肉を鍛えます。

第2の心臓とも呼ばれるふくらはぎが動き、そのポンプ作用で血流が良くなります。

運動をし、筋肉を使うことで熱が生み出されると言われています。

加齢により筋肉量が減少することでも体温は低下します。
適度な運動で筋肉に刺激を与えることで、体温の低下を防止できるそうです。

群馬県中之条町の住民を対象に行われた調査では、30代を境に、本来は高いはずの就寝時の体温が、起床時の体温を下回る人が増加するという結果が報告されています。

年齢とともに体温は低下してしまうのです。

さらに、生活習慣病があり1日の活動量(歩数や中強度の活動である速歩き程度の運動)が少ないと、起床時の体温が低いという結果も報告されています。

ウォーキングなどの活動は体温と関係があります。

ウォーキングや自宅で出来るスクワット、ストレッチなどでも十分な効果があります。

筋肉の7割は下半身にあると言われていて、ウォーキングはこの下半身の筋肉を効率よく鍛えてくれる運動の1つです。

お手軽に、室内で、ふくらはぎや太ももといった下半身を鍛えられるのが「スクワット」です。


30回くらいから初めて、徐々に回数を増やしていくのがよいそうです。 

初めのうちは30回でも大変に感じるので無理はしないようにします。

スクワットは、上半身を起こしたまま、前かがみにならないよう注意し、目線はまっすぐ胸を張り、脚は肩幅に開いて、ゆっくりしゃがむのがポイントです。


お風呂にゆっくり浸かる 

お湯に浸かると、身体が温まり、血液の循環がよくなり、疲れもとれ、健康にもダイエットにも効果的です。

忙しいとついシャワーだけで済ませてしまいがちですが、入浴は体を温める方法のひとつです。

身体の芯から温まるためにも低体温の人はしっかりと湯船につかることが大切です。

また、ストレスがかかりやすい現代人の生活の中ではリラックスする方法としてもお風呂の時間を大事にしたいものです。

お風呂にゆっくりつかることで体が温まるだけではなく、リラックスすることで自律神経(交感神経と副交感神経)のバランスが整うことが期待されます。

温浴することで、運動等よりも深部体温が上がったという研究結果があります。

体温よりも高いお風呂につかることにより、身体外的熱効果による体温の上昇が、運動などの身体内部的熱効果よりも、体温の上昇が高かったと報告されています。


腹巻き 

腹巻をすると、大きな血管があるので、血液を温めやすくなるそうです。 


たんぱく質を摂取 

筋肉のもとであるたんぱく質を摂ると、筋肉量が増え、熱を作り出します。

筋肉をつけるためには、運動することだけではなく、筋肉を作る材料となるたんぱく質を摂取することが大事です。

低体温の人が増えている理由の一つには、デスクワークが増えたり、運動する機会が減るなどして、筋肉量が減少していることが挙げられます。

タンパク質は血液や筋肉などを作る上で主要な成分で、肉や魚、卵、大豆などに多く含まれています。


マッサージ 

ふくらはぎは血液を送るポンプの役割を果たしていて、ふくらはぎをマッサージをするとその機能を補うことが出来ます。 


バランスのとれた食事でミネラルやビタミン補給 

低体温改善に必要不可欠な栄養素は、亜鉛・鉄・セレンなどのミネラルと、ビタミンB1・B2などのビタミンです。

亜鉛などのミネラル補給は、女性ホルモンのバランスを保ち、冷え・生理不順・低体温を改善します。