ドライアイについて

パソコンに向かっている時間が長いので、目がしょぼしょぼすることが多いです。

定年退職してからは、テレビを視ることは、少なくなりましたが、その分パソコンを視ているので目に良いことはありません。


ドライアイ

ドライアイ(Dry eye, Keratoconjunctivitis sicca)は、眼疾患の一つです。

「ドライアイは,さまざまな要因により涙液層の安定性が低下する疾患であり、眼不快感や視機能異常を生じ、眼表面の障害を伴うことがある」と定義されています。

ドライアイは、目を守るのに欠かせない涙の量が不足したり、涙の質のバランスが崩れることによって涙が均等に行きわたらなくなる病気であり、目の表面に傷を伴うことがあります。

いわばドライアイは涙の病気といえます。

ドライアイ患者は増えており、その数は2,200万人ともいわれています。


症状

ドライアイの自覚症状は多彩です。

具体的には、「目が疲れやすい」「目がゴロゴロする」「目が乾いた感じがする」「目が重たい感じがする」「目が痛い」「目やにが出る」「物がかすんで見える」「10秒間以上目をあけていられない」「目が赤くなりやすい」「何となく目に不快感がある」「光をまぶしく感じる」「悲しくても涙が出ない」などです。


発生

角膜上の涙液は、油層、水層、粘液(ムチン)層で構成され、いずれかの要素が欠乏しても安定性が崩れドライアイとなります。

 主にテレビ、コンピュータの画面を見る行為等による目の酷使、冷暖房による空気の乾燥化、コンタクトレンズの装着により発生が増加するといわれます。

コンピュータ作業(VDT作業)によるドライアイは、画面を凝視し瞬きの回数が減少することによると考えられています。

また、コンタクト装着によるドライアイのうち、ソフトコンタクトレンズでは表面から涙液の蒸発量が増すため症状を引き起こします。

現代人は目を酷使する事が多く、一般的なオフィスでは約30%がドライアイと言われます。

コンタクトレンズを装着していると、その率は約40%と更に上がります。

年をとると私たちの身体にはさまざまな老化現象が現れ、目も例外ではありません。

年齢を重ねるごとに涙をつくる涙腺の分泌機能が低下し、分泌する涙の量が減ることが知られています。


涙の量は年齢とともに減少し、必要な涙の成分を作るマイボーム腺の萎縮による「油層」の低下、結膜の弛緩による「ムチン層」の低下、まばたき回数の減少などで、より眼は乾きやすくなります。


病因

薬や他の病気によって症状がでることもあります。

代表的な病因は以下のとおりです。


油層の異常:マイボーム腺機能不全

マイボーム腺はまぶたのふちに数多くあり、目を乾燥から防ぐための脂肪を分泌しています。

ここがマスカラのかすや分泌物などで塞がれると、脂肪の分泌が減り涙が蒸発しやすくなり、目が乾燥します。

目がショボショボする、ゴロゴロする、といった異物感や充血、目の奥がしみるなどの症状を引き起こします。


水層の異常:シェーグレン症候群

体の免疫システムに異常が生じて、自分の体を攻撃してしまう疾患です。

涙腺や唾液腺など全身の分泌腺が破壊され、重度のドライアイや口の中の乾燥、皮膚の乾燥を引き起こします。

50歳代をピークに40~60代に多くみられ、圧倒的に女性に多い疾患です。

以上の疾患は、医師の診断が必要です。
上記疾患が心配な場合には、早めに医師の診察を受けることが必要です。

粘液(ムチン)層の異常:スティーブンス・ジョンソン症候群

スティーブンス・ジョンソン症候群は、急激に発症する皮膚や粘膜への炎症性疾患で、薬剤投与やウイルス感染が原因とされています。

眼に症状が現れるケースは、70%程度と言われていますが、角膜上皮障害、角膜混濁、逆さまつ毛、マイボーム腺障害、ドライアイなどが目に現れる主な症状となります。

重症例では、失明や角膜移植に至ることもありますので、適切な処置を受けることが大切です。


診断方法

患者背景や、以下のことを参考に診断します。

涙液の産生量低下

涙液の蒸発量の上昇

角結膜の異常(角膜上のキズなど)



BUT検査は検査は、フルオレセインという色素を点眼してから細隙灯顕微鏡(眼科用顕微鏡)で青い光を当てながら眼の表面を観察し、涙の層がどのくらいの時間で破壊されるかを測定します。

まばたきを止めると、時間の経過とともに涙が蒸発して、点眼した色素が消える部分が現れてきます。

この色素の変化によって、涙の層が破壊される時間を計測し、10秒以上なら正常、5秒以下ならドライアイの可能性が高くなります。

また最近ではドライアイの自動診断装置(TSAS)を使い、10秒程で診断が出来るようになりました。

 今までは5分以上かかる上に、ろ紙を目に挟む(シルマー試験)など患者の痛みを伴ったり、目に触れない場合でも医師の主観が入るなどの課題がありました。

それを改良するため、角膜上に広がる涙の層が薄くなって拡散する様子を測定することで、ドライアイかどうかを判定できる手法も開発されています。


治療

涙に近い成分の人工涙液を点眼します。

ヒアルロン酸が主成分の目薬を点眼します。

人工涙液やヒアルロン酸製剤、ムチンや水分を分泌促進する点眼薬、ムチンを増加させる点眼薬などを使用します。
コンタクトレンズを装着している場合は、コンタクトレンズ用の目薬を使用します。

シリコン製の涙点プラグを装着することもあります。

涙点プラグとは目の涙点にフタをしてしまい、涙をためてドライアイの症状を緩和させる治療法です。



涙点プラグは重症例の症状改善に効果的ですが、やや異物感が気になったり、挿入時に涙点拡張など処置を必要とする、外れやすいなど問題点もあります。

また最近では、ジクアホソルナトリウム(ジクアス)や本来胃腸薬であるレバミピド(ムコスタ)がドライアイの治療にも有効であることが確認されており、いずれも目薬として製品化されています。


予防

長時間のデスクワークを避け、毎時間おきに目を休めます。

目を静かに瞑り、蒸しタオルをかけると良いです。

加湿器や濡れタオルなどで湿度を上げます。

特に冬場の暖房使用時には乾燥を避けます。

意識してまばたきをすると良いです。

エアコンの風が直接当たる場所での作業を避けた方が良いです。 

タバコの煙を避けます。

パソコンのモニタはOAフィルターを使用し、室内照明や日光の映り込みを避け、自分の目の高さより低い位置に設置します。

コンタクトレンズの使用時間を短くします。

パソコン使用時にはなるべくコンタクトレンズを外します。