アニメ短編映画「LOGORAMA(ロゴラマ)」


『Logorama』は、2009年に公開されたフランスの短編アニメーション映画です。

監督はフランソワ・アロー、エルヴェ・ドゥ・クレシー、ルドヴィク・ウプランです。

アカデミー賞の2009年度短編アニメーション部門を受賞しました。

16分ほどの作品であり、テロリストと警察の戦いを描いた物語です。

しかし、特筆すべきは全てが企業のロゴマークで作られていることです。

登場人物はもちろんのこと背景や小物、地形までもが全て実在する企業のロゴマークで表されています。

中には日本人にはなじみの薄い現地企業の物も含まれています。

登場するロゴに使われた企業の数はおよそ3000社にも及びます。

なお、製作期間は4年ですが、大半は4万個もあるロゴから使われる3000のロゴを選定する作業だったといいます。

登場しているのは3000の企業ですが、ロゴの使用は全て無許可です。

当然これらの物は通常ならば商標権侵害となるはずですが各企業は全て黙認を決め込んでいます。

なお、警察官役で使われたミシュラン広報は「クリエイティブな作品に使われるなら構わない。」と快諾しましたが悪役でもあるドナルドの大企業であるマクドナルドからは回答が得られていません。

最初、イメージ画が稚拙な感じがするのですが、観始めると印象が一変します。

警察官はミシュランマンですし、逃亡中の手配犯はロナルド・マクドナルド、人質にはビッグボーイ、そして、ヒロインは、エッソガール、その他、いろいろなロゴマークが個性的なキャラとして出てきます。

最初の始まりのシーンはカラフルでポップ、アメリカ西海岸の雰囲気が明るく陽気で、思わず画面に引き込まれていきます。

人も、建物も、景色も、ありとあらゆるもの全てがロゴでできています。

全てがロゴという借り物なのに、とてもユニークで、今までに観たことの無い世界が作り出され、かなりインパクトの強い作品となっています。

見慣れた企業キャラクターたちが織り成す、凶悪なまでにハイテンション、スピーディーで危険物満載のクライム・アクションが、この短編アニメの謳い文句となっています。

凶悪犯の逃走劇の結末は、突然地震が起き、地割れが街を破壊し野や山をめぐります。

割れた地面から石油が吹き出し、街が石油の洪水に襲われます。

最後は地殻が割れて、地面そのものが沈んでしまい、周りは海に没してしまうなどかなり破天荒な画面展開です。

Logorama from Marc Altshuler on Vimeo.