ユーザー車検の実際の点検項目は動画で見るのが一番分かりやすい

ユーザー車検の大体の流れはわかったのですが、具体的に点検項目ではどのようにやっているのか、もう少し詳しく知りたいと思い調べてみました。

実際には you tube の動画で見るのが一番分かりやすいようです。





同一性の確認

車検証・申請書類の記載内容を確認し、車検を受ける車の情報が車検証に記載された情報と同一であるか照合されます。

検査官の指示に従ってボンネットを開け、車検証を含む書類を提出します。

車両に打刻されている車台番号とエンジンに打刻されている原動機型式を車検証記載情報と照合し、同一の自動車であることが確認されればOKです。


外廻り(外観ボディ)検査

自動車の外観に問題がないかの確認作業です。

検査官の指示に従い、ヘッドライトをスモール点灯させ、次に全点灯でハイビーム・ロービームの切り替えを行い、ウインカーを左右順に点灯させます。

検査官が自動車後方に移ったら、ブレーキを踏みブレーキランプ、ギアをバックに入れてバックランプを点灯させます。

再度ウインカーを左右順番に点灯し、最後にギアをニュートラルにしてハザードランプを押し点灯させます。

検査官は、この間に足回りのボルト・ナットを叩き、ナットの締め付け具合に緩みなどがないか打音で確認していきます。

以上に問題なければ、自動車検査票に外廻り検査合格の押印がもらえます。


サイドスリップ検査

外廻り検査が終わったら、コースに進入し、コース内検査がスタートします。

最初の検査は、前輪タイヤの横滑り量を測定する検査です。

調整が適切に行われていないとタイヤの偏った磨耗を起こし、まっすぐ走る際に支障が出る可能性があります。

検査コースラインにタイヤを合わせ、鉄板の上をゆっくり走行します。

ハンドルは切らずまっすぐ前進します。

鉄板の上を通過し、前方電光表示機に○が表示されれば合格です。


ブレーキの制動力の検査

フットブレーキとサイドブレーキの効き具合を確認します。

サイドスリップ検査が終了したら一旦停止線でストップ、前方電光表示機に「ゆっくり前進 前輪停止線で止まる」と表示されるまで待ちます。

表示が出たらラインに沿ってゆっくり前進します。

四輪をテスタローラーの上に乗せ、ギアはニュートラルに入れて、エンジンは切りません。

四輪すべてが指定位置に乗るとテスタが沈み、ブレーキ検査がスタートします。

前方の電光表示機の指示に従ってブレーキを踏み、離す指示があるまで踏み続けます。

ブレーキの効きを確認する検査なので、普段の運転時以上に強く踏み込む必要があります。

踏み込みが甘いと不合格になる場合もあります。

サイドブレーキに関しても同様のチェックが入ります。

前後のブレーキとサイドブレーキの測定後、電光表示機に○の表示が出れば合格です。


スピードメータ検査

ブレーキ検査を終えたら、引き続きその場でスピードメータの検査です。

実際の速度と速度表示との間に誤差がないかチェックします。

検査機のローラー上で車を走行させ、車のメーターが40kmに達した時点で検査器との誤差を計測します。

基準範囲の誤差であれば○が表示され合格です。


ヘッドライトの光量・光軸の検査

スピードメータ検査が終わったら、その場でヘッドライトの検査を行います。

ヘッドライトの光量・光軸が基準値内に収まっているか確認します。

電光表示機の指示に従い、ロービームでヘッドライトを点灯させると、前方左右からヘッドライトテスタが出現して、ヘッドライトの光量・光軸の測定がスタートします。

基準範囲内であれば電光掲示機に○が表示されます。


自動車検査票に記録

ヘッドライト検査を終えたら、電光表示機の指示に従って車をテスタから出し、次の停止線まで前進します。

停止線で車を停めたら車から降り、記録器に検査票を挿入し、ここまでの検査結果を印字します。


排気ガスの濃度のチェック

続いて排気ガスに含まれる一酸化炭素と炭化水素の濃度を検査します。

記録器横に設置された排出ガス検査機器から出ている測定機器を、自動車の排気管に差し込みます。

排気ガスに含まれる一酸化炭素と炭化水素濃度が測定されます。

ディーゼル車の場合、排気ガス検査は行わず、別途、ディーゼル車専用の検査を行います。

こちらも前方電光表示機に○の表示がされれば合格です。

測定機器を抜き、機器を元の位置へ戻します。


自動車検査票に記録

測定機器を元に戻したら、排気ガステスター側のスタンプポストに検査票を差し込み記録を印字し、車を前進させます。


下廻り検査

この検査は、車両下部にオイル漏れなどの不具合がないかどうかを確認するためのものです。

ラインに沿って車を前進させ、中央が空洞になっている検査機器の停止位置にタイヤの前輪を乗せます。

この時にギアはニュートラルかパーキングに入れ、サイドブレーキは引きません。

検査が始まると自動車が左右に揺れ、斜め前方にある電光表示機に指示が出ます。

その指示に従い、ブレーキを踏んだりサイドブレーキを引いたりなどの操作を実施します。

電光表示機に○が表示されたら、エンジンをかけて車を前進させます。

保安基準に適していないなどの不具合があった場合は、検査官の指示に従います。


自動車検査票に記録

下廻り検査後に自動車を前進させると、検査結果を印字する記録器が設置されていますので、自動車検査票を挿入し記録します。

以上でユーザー車検は終了します。


総合判定ボックス

検査を終えたら、検査コース出口にある総合判定室に書類一式を提出します。

ここで検査の総合判定が行われ、問題なければ、自動車検査票の審査結果通知欄に合格が押印されます。

問題があった場合、検査票に問題箇所の内容が記載されます。

そのような時は問題箇所の調整を実施し、再度受検します。

検査コースへ入場できる回数は、1回の検査申請につき3回までと制限されています。


不合格になりやすいポイント

ユーザーの操作ミス

車の問題ではなく、運転者による操作ミスで合格できないことがあります。

初めてユーザー車検を受検する人に多いようです。

ブレーキ検査時にペダルの踏み方が甘いといったケースが多くなっているようです。

ブレーキ検査は、検査官からブレーキを離す指示があるまで、普段以上に強く踏み続ける必要があります。

ハンドルを切ってはいけないスリップ検査時に、ついハンドルを動かす人も多いそうなので、ハンドルは切らずにまっすぐ前進します。

検査官に問題点を確認し、操作の課題をしっかり聞いて再検査に臨みます。

車の整備不良

車の整備不良で不合格になった場合、不良の程度によって対応が異なります。

ヘッドライトの光量が不足していたり、ブレーキランプが切れていたりといった簡単に整備できるケースであれば、最寄りのガソリンスタンドなどですぐに直してもらい、その日のうちに再受検可能です。

ステアリングラックブーツの破損・ドライブシャフトブーツの液漏れも整備不良に多いパターンのようなので、十分注意します。

日数を要する整備が必要なケースは、当日中に合格が難しいこともあります。

この場合は不適合の箇所を改善してから再度予約をし、検査を受けます。


不合格になった場合の対処

不合格の場合、「当日中再検査」「当日中3回超検査」「2週間以内に再検査」「2週間を超えて再検査」で対処が異なってきます。

当日中であれば再検査は2回まで無料

車検が不合格の場合、初回を含めて3回まで無料で受検可能です。

検査官に再検査の旨を伝え、指示に従い検査ラインに入場します。

合格済みの検査はスルーし、不合格の検査だけを受けます。

当日4回目以降は再検査手数料を支払う必要有り

3回までの検査で合格できず、その日中に合格したい場合は、申請窓口で再申請をして手数料を支払い、再検査を受けます。

ユーザー車検は一日4回のラウンドが用意されているので、当日中に合格したい人は、再検査を考慮し、朝一番のラウンドから受検するのがお勧めです。

2週間以内の再検査は不適合箇所のみでOK

当日中の再受検でもNGだった場合、あきらめて帰ってしまってはいけません。

窓口で手数料無料の「限定自動車検査証」の発行を受けます。

通常、車検が不合格では公道を走れませんが、この検査証があれば、15日間に限り公道を走ることが可能です。

検査証には不適合箇所の記載があります。

この検査証の有効期限は、当日を含め15日間です。

不適合だった箇所を直し、期間内に不適合箇所の検査を受けて合格すればOKです。

2週間を超えた場合は最初から検査やり直し

2週間をオーバーしてしまうと、再検査にはなりません。

はじめから検査を受けることになり、すべての検査を改めて受ける必要があります。

また、その場合、車は車検切れで公道を走れません。

検査場までは車載車で運ぶことになるので、手間もお金もかかります。