毒性のある食べ物はあるがそれほど心配するほどではない

普段の生活で、あまり気にすることなく食べている食べ物には若干の毒物を含んでいるものがあるようです。

大量に食べなければ、害を及ぼすことはないようですが、中にはこんなものがという意外なものもあります。


リンゴ・サクランボ

リンゴやサクランボの種には微量のアミグダリンという物質が含まれています。


この物質は動物や人間が食べると体内で加水分解され、シアン化合物(シアン化水素など)が生成されます。


シアン化水素は青酸のことで、中毒となると死に至ることもある猛毒です。

リンゴやサクランボの種以外にも、バラ科サクラ属の果物の種には同じようにアミグダリンが含まれています。

バラ科サクラ属のフルーツには、あんず、梅、スモモ、桃、プルーン、ネクタリンなど、果実の真ん中に一つだけ大きな種が入っている核果の種類が多いです。

ただし、一度に数百個食べると健康に影響に出るというレベルなので、リンゴやサクランボの種を間違って飲み込んでしまってもそれほど心配する必要はありません。

青梅は梅干し、梅酒などに加工することでシアン化合物が分解されます。


トウモロコシ

他の穀物と同様、レクチンの含有量が多いです。


トウモロコシデンプンやコーンフレーク、コーンシロップは、腸の活動を乱すだけでなく、関節炎を引き起こす恐れがあります。

キヌアやそばの実に置き換えた方がよいです。


ジャガイモの芽

料理する際に、ジャガイモの芽はほとんどの場合取除きます。
ジャガイモの芽とそのまわり(根元)にはグリコアルカロイドという毒素が含まれています。
これはソラニンやチャコニンとも呼ばれる天然毒素で、大量に摂取すると危険となります。

また、ジャガイモの皮で緑色になっているところにも同じ天然毒素が存在します。

ジャガイモの皮は日に当たると緑色になりやすいので、ジャガイモは冷暗所に保存するのが無難です。

グリコアルカロイドは猛毒ではないですが、あまり多く口にすると吐き気、下痢、錯乱、頭痛を催したり、重症の場合は死を引き起こすこともあります。

とくに、小さいジャガイモや地中の浅い所にあったイモにはグリコアルカロイドが多く含まれる可能性が高いので要注意です。

グリコアルカロイドはジャガイモに苦味を与えるので、少し食べてみて苦い、エグ味があると思ったら避けるのが賢明です。


マンゴー

マンゴーはウルシ科の植物なので、アレルギー反応を起こす人もいます。

マンゴーの皮、樹皮、葉にツタウルシの毒素であるウルシオールが含まれており、ツタウルシにアレルギーを持っている場合はかぶれ、水膨れのような痛みを伴う発疹を引き起こしてしまいます。


また、強いアレルギーを持っている場合は、マンゴーを食べることで呼吸困難などが引き起こされる可能性もあります。

ただし、マンゴーの実自体にアレルギー反応を起こす人は非常に稀です。


マンゴーを食べたときに口のまわりが痛いと感じた場合は、すぐにきれいに水で洗い流すことをお勧めします。

ウルシオールのアレルギーは日を追ってひどくなる場合もあるので、数日は患部を観察し、ひどくなってきたら病院を受診します。

リンゴのようにマンゴーを丸かじりするのは避けた方が無難です。


銀杏

銀杏は秋の味覚として昔から食されていますが、銀杏に毒があることは昔から知られています。


銀杏に含まれている毒は4-O-メチルピリドキシンという化合物で、食べ過ぎると、硬直性痙攣などを起こします。

このような硬直性痙攣は抑制性の神経伝達物質であるGABAを間接的に抑制する効果があるためであると考えられています。(4-O-メチルピリドキシンは抗ビタミンB6作用を持つ)


銀杏による毒性は個人差がありますが、子どもは弱く、大人でも50個前後を食べると中毒症状が現れる可能性があります。


トマト

トマトの毒性であるグリコアルカロイドはトマチンと呼ばれており、トマトの緑色の箇所、葉や茎、そしてまだ青い未熟果に含まれています。


真っ赤に熟した完熟果実にはほとんど含まれていません。

また、トマチンが最も多く含むまれるのはトマトの花なので、家庭菜園などで育てている場合は、好奇心から花を食べてしまわないよう要注意です。

ただしジャガイモと同じで、相当数食べなければ死に至るようなことはないので、スーパーの売り場などで、あまり神経質になってトマトの完熟度をチェックする必要はありません。

青いトマトを食べた場合でも、トマチンは体外に排出され蓄積されることはないので少量なら数日にわたって食しても問題はありません。


アーモンド

アーモンドは、大きく分けるとスイートアーモンドとビターアーモンドに分けられます。


スイートアーモンドはビターアーモンドの異種で、人間の摂取に向いていますが、ビターアーモンドはそのまま食べるのではなく、おもに抽出物を作るために使用されます。

このビターアーモンドは生の状態ではアミグダリンという毒素を含み、食べると毒素が体内でシアン化水素などのいくつかの化合物に分解され中毒を引き起こします。

毒素を取り除くためには熱処理が必要ですが、その安全性の確認についてはまだまだ研究段階ということなので、ビターアーモンドは避けた方が賢明です。


インゲン豆

インゲン豆は、生で食べると中毒を起こす可能性があります。

豆類には、天然の殺虫剤として機能するタンパク質であるレクチンが含まれています。


そのため、生で大量に摂取するとレクチンが消化器系の細胞の表面に結合し、吐き気、下痢、嘔吐などの症状を引き起こします。

少量なら問題はありませんが、食べるときは完全に火を通して食することがおすすめです。

これは、インゲン豆だけでなく、エンドウ豆などのほかの食用の豆にも共通して言えることです。

また、エンドウ豆に似たスイートピーの豆はマメ科レンリソウ属で、毒性があり、食用ではないので要注意です。


タケノコ

タケノコと言えば春の味覚でとれたてのタケノコの味わいは格別ですが、
タケノコにも毒が入っています。


タケノコを未処理で食べるのは、強烈な苦味とえぐ味のため勇気がいりますが。

タケノコに含まれている毒は「タキシフィリン」という青酸配糖体と「シュウ酸」です。

タキシフィリンは梅などのバラ科の植物が含むアミダグリンに似ています。

同じく青酸(シアン化水素)を出すために有害です。

これはよく水煮することで除去できます。


タケノコは他にも苦味成分を含むために米ぬかや重曹でにて苦味やえぐ味を除去してから食べるのでこの処理を行っていれば安全です。

シュウ酸はえぐ味の原因物質で、ほうれん草などにも含まれています。

植物に広く含まれる毒成分の一つです。

シュウ酸の塩であるシュウ酸カルシウムは針状の結晶を作りそれが組織に刺さることで痛みや違和感を覚えるようです。

シュウ酸は結石の原因になるとも考えられています。


唐辛子

唐辛子には、辛みの原因となるカプサイシンと呼ばれる化学物質が入っています。

カプサイシンは死に至るほどの毒性は持っていませんが、多く摂取すると肺が収縮し、吐き気、嘔吐、腹痛、下痢、灼熱感を引き起こす可能性があります。


また、唐辛子はペッパースプレーの原料ともなっており、皮膚に付着すると炎症を伴う痛みや赤みを引き起こします。

目に入ると激しい痛みを伴い、涙や赤みが生じます。

カプサイシンに敏感な人は喘息発作や呼吸困難となる可能性もあるので注意です。


ナチュラルチーズ

カマンベールチーズなどの柔らかいチーズ(ナチュラルチーズ)は原料が低温殺菌されていない場合もあり、毒性がある食品とされています。

低温殺菌とは、牛乳を特定の温度に加熱することによって有害な細菌を殺すプロセスで、リステリア症、腸チフス、結核、ジフテリアなどの病気の原因となる有害な菌であるリステリア菌などを殺してくれます。


そのため低温殺菌をしていない生乳やそれを使って作られたナチュラルチーズにはリステリア菌などが入っている可能性もあるので注意が必要です。

健康な大人であれば問題なく摂取できる場合が多いですが、免疫力が落ちている場合は食中毒を起こすので、ナチュラルチーズは米国には商業的に輸入されていません。

とくに、妊娠中の女性は、リステリア菌が流産、病気、または新生児の死亡を引き起こす可能性があるので、ナチュラルチーズは控えるか、低温殺菌されている商品かどうかをきちんと確認して購入した方がよいです。


カシューナッツ

カシューナッツは、殻にアナカルド酸という毒素が含まれています。

カシューナッツが殻付きで売られているのは見たことがないのはそのためです。

このアルカルド酸はアレルギー反応を起こす可能性がある漆のウルシオールとよく似ており、漆と同じくアレルギー反応を起こす可能性があります。

市販のカシューナッツは、殻を取り除くためにローストなどの熱処理がされているのでその過程で毒性がなくなり、問題なく摂取できます。

しかし、生のカシューナッツは殻の取り扱いはもちろん、食べる前には茹でたり、焼いたりする熱処理を忘れないように行う必要があります。


モロヘイヤ

モロヘイヤはジュートと呼ばれ、葉を調理してヌメヌメ感を味わいながらビタミンやミネラルが補強できるとして人気の食品です。

しかし、モロヘイヤの茎や種子にはストロファンチジンという毒素が入っているので気をつけます。


この毒素は、摂取するとめまいや嘔吐などの中毒症状を起こすもので、長崎県の農家で実のついたモロヘイヤを食べた牛が死亡したという事例も報告されています。

食用として市販されているモロヘイヤは葉の部分のみで茎や種子の部分は含まれていないので安全ですが、家庭などで栽培する際には間違って混入したり、子供が種を食べないよう要注意です。