ジャーキングは不随意運動(自分の意思とは関係なく体が勝手に動いてしまう現象)のひとつで、人によって脚や腕、頭など様々な部位で起こり、痙攣が1回だけ起こる場合もあれば連続して起こる場合もあります。
多くの場合、片方の脚に起こりますが、ときには両足だっだり、腕や頭に起こったりします。
普通は特に原因がなくて起こりますが、何か外界からの刺激によって起こることもあります。
同時に、フラッシュのような明るい光や落ちていく感覚、夢、幻覚などの異常な感覚を伴うこともあります。
筋肉のぴくつきがなくて、これらの異常感覚だけが起こることもあります。
ジャーキングは長時間起きているときや、眠いのを我慢しているときや、疲れている時にジャーキングは起こりやすいとされています。
また、疲れがひどく体にたまっている状態で、さらに体に負荷がかかる不自然な寝方を長時間したとき、例えば、椅子に座ったままで寝る、ソファに横たわり窮屈な体勢で寝る、などでは起こりやすいことが分かっています。
他には、眠りにつく直前に大きな物音を聞く、近くで話しかけられるなども、ジャーキングが起こりやすい状態にあるようです。
ジャーキングは、時として痙攣と同時に下に落ちていく感覚や幻覚のような異常な感覚を伴うこともあります。
ジャーキングはあらゆる年齢層で起こりますが、大人になって初めて経験することが多いようです。
成人のおよそ6~7割の人が経験していると言われています。
男女差はないと言われています。
週に2〜3回の頻度で「ジャーキング」している人が最も多いとされ、「ジャーキング」して一時的に目が覚めたからといってすぐにまた眠れる人は4割と多めです。
入眠時ぴくつきは誰にでも起こりうる現象なので、病気というより生理的現象の一つと考えられています。
睡眠の時に起こるジャーキング
眠り始めると、目覚めていたときに働いていた脳の部分が、次第に休みだします。
完全に眠ってしまうと筋肉は緊張が取れて動かなくなりますが、覚醒状態から睡眠に移る境目の時間には、脳の働きが不安定になります。
このときに間違って脳から指令が出て、急に脚や腕の筋肉が動くのが入眠時ジャーキングです。ジャーキングは入眠時だけでなく完全に眠り込んだ睡眠中に起こることもあります。
睡眠はレム睡眠とノンレム睡眠の二つの睡眠状態から成り立っていますが、睡眠中のジャーキングはレム睡眠中に起こると考えられています。
レム睡眠中の脳は、起きている間に得た大量の情報を眠りながら整理しているため起きている時よりも活発に働いており、このレム睡眠中に私たちは盛んに夢を見ています。
レム睡眠中のジャーキングは高い所から落ちる夢を見ている時に起こることが多く、脳が夢を現実だと錯覚してしまい「本当に高い所から落下している」と認識してしまうことで筋肉の痙攣が引き起こされると考えられています。
このようにジャーキングの原因は不明ですが、仮説として、入眠時の筋肉の弛緩を、眠っている状態で高所から落下したと、脳、脊髄が間違って神経伝達するのだとされています。
ジャーキングは人間だけでなく、犬や猫にも起こります。
ジャーキングを防ぐ生活習慣
原因がはっきりしないジャーキングですが、起こらないようにするためには原因となりそうなことをできるだけ取り除く必要があります。
疲れやストレスを溜めないようにすることが肝要です。
アロマテラピーは、気持ちを落ち着かせたりや筋肉の緊張をほぐしたりするのに最適です。
適したアロマを選んで枕元に置くようにするだけで効果的です。
ただし、アロマオイルには逆に脳を活性化させる働きをするものもあるので、いくら好きな香りであっても睡眠に適さない香りは避けた方が良いです。
普段の生活でできることは、適度な運動とバランスの取れた食事がやはり一番です。
また少し疲れていると思った時に、運動やカラオケ、友人とのおしゃべり、音楽を聴く、映画やスポーツ観戦など、自分が心身をリラックスさせるコツを見つけておくと良いです。
病気
ジャーキングの極端な場合は周期性四肢運動障害に分類されます。
この障害を抱える人は寝ている間ずっとジャーキングが起こっています。
その他、入眠時ジャーキングと症状が似ていて間違えやすい病気として、周期性四肢運動障害以外には、こむら返り、睡眠てんかんなどがあります。
またてんかん発作の症状(進行性ミオクローヌスてんかん)として現れることもあります。
さらに、他の病気に伴ってミオクローヌスが起こることがあります。
肝不全や腎不全、ある種の薬の服用後、アルツハイマー病やクロイツフェルト-ヤコブ病、頭部外傷などに伴って起こることがあります。
周期性四肢運動障害
ジャーキングは病気ではなく誰にでも起こる現象ですが、症状がひどい場合は「周期性四肢運動障害」(PLMD:Periodic Limb Movement Disorder)」という病気の可能性があります。
周期性四肢運動障害とは睡眠中に「足先の痙攣」「膝蹴りのような動き」「肘を素早く曲げ伸ばしする動き」などを繰り返してしまう症状で、年齢と共に発症率が高くなる病気です。
周期性四肢運動障害はジャーキングと同じように睡眠中に体が痙攣する病気ですが、痙攣が続く時間の長さと痙攣が起こる回数がジャーキングとは大きく異なります。
ジャーキングはごく稀に起こる瞬間的な痙攣を指しますが、周期性四肢運動障害は0.5~10秒程度続く痙攣が何度も起こり、重症の場合は1時間に50~100回の痙攣が起こることもあります。
睡眠時の痙攣がひどい場合は睡眠の質が下がり普段の生活に悪影響が出てしまいますので、周期性四肢運動障害が疑われる場合は専門医の診察を受けるようにしましょう。
周期性四肢運動障害の検査には終夜睡眠ポリグラフ検査(PSG)が用いられますが、この検査には健康保険が適用されます。
こむら返り
病気というほど深刻なものではありませんが、似た症状のものとしてこむら返りが挙げられます。
こむら返りも持続時間が長く、2~3秒から数分間続きます。また、つったところの痛みや不快な感じが残ることも、入眠時ぴくつきとは異なります。
睡眠てんかん
睡眠てんかんは文字通り、眠っている間に起こるてんかん発作です。脳波検査でてんかんに特有な波が見つかると、睡眠てんかんと診断されます。
進行性ミオクローヌスてんかん
進行性の経過をとり、ミオクローヌスという 不随意運動とてんかん発作を主な特徴とする慢性の脳の病気の総称です。
ミオクローヌスとは、急に体の一部、手指、手足、顔面、まぶたなどが、ピクッとして、あたかも電気に打たれたように一瞬だけ動く症状です。
ここで、不随意運動とは、体の一部が一瞬ピクッと勝手に動くことです。
てんかん発作は、全身のひきつけ発作、意識消失発作を発症します。
主な原因は遺伝や体質で、脳の特定の領域に慢性的に非可逆的に異常をきたしますが、その真の原因がわからないものも多いです。
最初の症状は、全身のけいれん発作や全身あるいは体の一部のミオクローヌスです。
ミオクローヌスだけでは意識が保たれるので、見過ごされている場合もあります。
それ以外にも、歩行時のふらつきや、物忘れや認知症の症状、精神的な症状などから出現する場合があります。
進行性ミオクローヌスてんかんは、日本全体で数千人単位で、まれな病気です。
症状としては、ミオクローヌスが出てきて、体のバランスを取りにくい、手指がピクピクしてうまく作業ができない、歩きにくい、など、日常の動作が困難になることがあります。
それらが強くなって全身けいれん発作が起こる場合があります。
さらに、運動する時にバランスが悪くなってふらつき、呂律が回りにくい、という小脳の症状、物忘れや認知症の症状、精神的な症状が出る場合もあります。
これらの症状が徐々に進む場合が多いようです。