前立腺肥大症では生活習慣改善も必要


前立腺肥大症では、薬物療法が中心になりますが、保存療法として生活習慣改善も必要です。

どのようなことに気を付けるべきか調べてみました。


予防法

血流を促すアルコールは前立腺を腫らして尿が出なくなる尿閉を引き起こすことがあるので量を控えます。

特にビール、ワイン、日本酒が症状を悪化させます。

坑コリン薬を含むかぜ薬も尿閉を招きます。

尿をこらえすぎると膀胱が過伸展になり、収縮を悪化させるので、できるだけ、がまんしないようにします。

便秘にならないよう心がけ、身体を冷やさないように注意します。

長時間座り続けることを避け、こまめに立ち上がるようにします。


食べ物

前立腺肥大は肥満や生活習慣病と大きな関わりがあります。

脂質や塩分などが多く含まれる食事はなるべく避けるようにします。

酸化されたコレステロールは前立腺を刺激するのに重大な要因の一つですので、油物は避けるようにします。

また、キムチ、唐辛子、激辛カレーなど香辛料が多く含まれ辛い食べ物、刺激が強い食べ物は腸が必要以上に活発化し、膀胱や前立腺に炎症が起きることもあります。

コーヒーやお茶などに含まれるカフェインは利尿作用があり、膀胱を過剰に刺激することで前立腺肥大を悪化させる危険性があります。

脂質、塩分が多いもの、辛い食べ物、コーヒーは摂取しすぎないよう心がけます。

一方、カロテンやビタミンC、鉄分、イソフラボノイド、リグナンなどは前立腺肥大を抑える働きがあると言われています。

野菜、豆(特に大豆)、ごまなどを摂取すると良いです。

大豆に含まれる植物性ステロールは肥大症の症状を緩和してくれる働きがあるだけでなく、大豆製品を多く取る男性は前立腺ガンにも罹り難いという統計があります。

そして必須脂肪酸、特にオメガ3の欠乏は症状を悪化させますので、青魚またはナッツ類(特に南瓜の種)を多くとると良いです。

トマトの赤い色素のリコピンは、細胞の酸化を防止し、それが前立腺機能の向上にも役立ちます。

米国ハーバード大学の研究チームによって男性の前立腺がんの発病率を著しく下げているという事実も立証されました。

生で食べてもいいですが、調理で熱を通したり、油で炒めて食べるともっと効果的です。

玉ねぎは、抗酸化と抗ガン効果があるセレンとケンフェロール、ルチン、などが多く含まれ、前立腺機能向上に役立ちます。


水分補給

適度な水分を摂ることで排尿を促し、スムーズに尿が出るようになります。

とはいえ、あまりにも水分を摂りすぎると今度は頻尿の原因となってしまいます。

1日1.5リットルの水分補給が良いとされていますので、尿が出にくい場合は少し多めに水分を摂るようにします。

カフェインは、「尿をスムーズに出す」という観点で見れば、適量であればむしろ利尿作用があって前立腺肥大に効果があります。


運動

運動不足を解消し血行を良くすることは、前立腺肥大症に効果があると言われています。

前立腺肥大症の予防や症状の改善には、「運動」の習慣がとても重要です。

実際に、前立腺肥大症の治療薬を服用している患者で、夕方30分以上のウォーキングを8週間行うと、夜間排尿の回数が平均3.3回から1.9回に減少したとの研究報告があります。

1日15~30分くらいを目安にウォーキングを習慣にすると良いです。

前立腺肥大症にはテストステロンの減少がかかわっています。

テストステロンの分泌量は筋肉量と相関しますから、筋肉をつけることが前立腺肥大症の予防につながります。

特に下半身の血流と前立腺肥大症には深い関係があり、血流を良くすることで前立腺肥大の症状が改善される事があります。

下半身の血行を良くするために、同じ姿勢で長時間作業をしないといけない人は、適度にストレッチをすることで血流の悪化を防ぐことができます。

推奨されているのがスローペースで行うスクワットです。

太ももの大きな筋肉を鍛えることで、効率的にテストステロンの分泌アップが期待できます。

太ももの筋肉の強化・筋肉維持にも効果的となり、排尿も促す運動となり効果的です。

また股間周りの筋肉を引き締めることで、尿トラブルを防ぐ効果があると言われています。

両足を肩幅よりも少し大きくなるくらいに開いて立ち、深呼吸をしながらゆっくりと膝を曲げ、息を吐きながら膝を伸ばすという簡単なスクワット運動が有効です。

毎日、朝晩5回ずつから始め、10回、20回と増やしていくと良いです。


足を肩幅に開いて立ちます。

腕は、胸の前で組んだり、バランスを取り易くするために真っ直ぐ伸ばしたり、頭や首の後で組んだりしますが、いずれでもやり易い方法でOKです。

ひざ頭がつま先よりも前に出ないように注意しながら、お尻をゆっくりと下ろします。

太ももと床が平行になるくらい曲げます。

この際、背中を丸めず、かかとも浮かないようにします。

45度位まで、5秒位かけてゆっくり立ち上がり、休まずゆっくり下げる動作を繰り返します。