尿の排出障害にならないための対策
膀胱から体外に尿を排出する「尿道」が開かない状態(尿閉)により起こる障害は「前立腺肥大症」を要因とすることが多くなります。
排尿のメカニズム
大脳から脊髄神経などを通して排尿の命令が膀胱に伝わります。
排尿障害の治療法には、生活習慣の是正、行動療法、薬物療法、手術療法がありますが、日常的にできることは生活習慣の是正、行動療法です。
生活習慣の是正
男性の場合、公衆トイレも含め、排尿は立位が多いですが、排尿はできるだけ座位ですると良いです。
尿の排出障害にならないための対策にはどのようなことがあるのか調べてみました。
大脳から脊髄神経などを通して排尿の命令が膀胱に伝わります。
命令を受けた膀胱は、反射的に壁を収縮させて膀胱内の圧力を高めます。
また、「内尿道括約筋」も反射的に緩んで排尿の準備が整います。
これを「排尿反射」といいます。
ただし、「外尿道括約筋」に関しては自身が意識的に緩める必要があります。
つまり、尿意を催してもトイレを探すまでは排尿を我慢する場合などに必要な機能となります。
排尿障害防止のために日常できること
排尿障害の治療法には、生活習慣の是正、行動療法、薬物療法、手術療法がありますが、日常的にできることは生活習慣の是正、行動療法です。
夜間頻尿がある場合は夕方からの水分は控えます。
ただし、日中は適度な水分補給を心がけるようにします。
水分摂取量の制限⇒水分を摂り過ぎている場合は、脱水に注意しながら段階的に減らしていきます。
トイレは、前のトイレから2時間以上たってからを目標とします。
骨盤底筋体操
肛門や膣を坐位や立位、仰臥位などをさまざまな体勢で締めることで、尿道括約筋を「しめる」トレーニングのことです。
骨盤底筋群とは骨盤の下面にカゴのように存在する筋肉です。
またぼうこうが血流不足で“硬くなっていること”を回復させることができます。
水分摂取時間の変更⇒水分摂取が適正量の場合は、夜間(就寝前)の水分摂取を夕方以前の時間帯に変更します。
カフェインやアルコールの制限⇒カフェインやアルコールには「利尿作用」があります。
また、「不眠作用」もあることから、夜間の多尿・頻尿につながり易いです。
就寝前は白湯などが望ましいです。
アルコールは利尿作用があるうえに、前立腺を膨張 させる作用があるので、できるだけ控えめにします。
ただし、楽しみを奪ってまで行うべきかは検討の余地があります。
当人のQOLが最大限に尊重される方法を選択する必要があります。
便秘の解消⇒特に高齢者の場合、便が直腸内に停滞(便秘)すると、尿失禁や排尿困難が生じることがあります。
便秘の解消には「下剤」よりも「食事療法」を優先します。
例えば、キノコや根菜類など食物繊維を多く含むものを積極的に摂取するようにします。
尿意がきたらまずは5分。次に10分というように少しずつ我慢する時間をのばします。
行動療法
膀胱訓練
排尿時間をあらかじめ設定し、その時間に排尿をしに行く習慣をつけ、その間隔を少しずつ長くしていきます。
膀胱訓練は膀胱の尿を蓄える能力を向上させることを目的とします。
行動療法の多くは、蓄尿障害に対して行われます。
具体的には、膀胱訓練と骨盤底筋体操があります。
膀胱訓練
排尿時間をあらかじめ設定し、その時間に排尿をしに行く習慣をつけ、その間隔を少しずつ長くしていきます。
ただし、無理をするとかえって状態が悪化する可能性もあります。
無理のない範囲にて、段階的に時間を伸ばしていくようにします。
トイレは、前のトイレから2時間以上たってからを目標とします。
骨盤底筋体操
肛門や膣を坐位や立位、仰臥位などをさまざまな体勢で締めることで、尿道括約筋を「しめる」トレーニングのことです。
腹圧がかかった場合などに、膀胱や尿道を狭めることで尿漏れを防いでいます。
骨盤底筋群の機能向上を目的とした体操により失禁を予防します。
ぼうこうは心臓から最も遠い臓器で、血流の変化を受けやすいので、血液から得られる酸素が減ると十分に機能しなくなってしまいます。
お尻の穴に力を入れて「おならを我慢するような感じ」などのイメージで行います。
少しずつでも毎日続けると効果があります
深呼吸しながら、骨盤底筋をゆっくりと強く締めて5秒間保持しゆっくり緩めることを繰り返します。
1日合計20回または、1セット10回程度で、毎日5セット程度行うとより効果が期待できます。
4週間で多くの人に効果が現れます。
膀胱も手足の筋肉と同様に運動神経と知覚神経がつながっており、手足の筋肉を鍛えることで膀胱の筋肉も鍛えられるからです。