夜の食後に眠くなり、ベッドへ入ってからの睡眠が浅くなる
いわゆる寝る前に寝てしまうので、夜ベッドへ入って寝るときの眠りが浅くなるような気がします。
食後に眠くなる
食事で摂取するブドウ糖の量が多いと血糖値が急上昇するのですが、そうすると、血液中のブドウ糖を筋肉や脂肪に取り込んで血糖値を正常な状態まで下げようと、膵臓からインスリンというホルモンが分泌されます。
このインスリンの分泌が多いと血糖値が急激に低下するため、一時的に血液中のブドウ糖が不足し、脳の血流が悪くなって栄養が十分に行きわたらなくなるのです。
脳に栄養が行きわたらないと、頭がぼーっとしたり、眠くなったりすることがあります。それが、眠気を感じる原因です。
血糖値スパイクが起こると脳に行く血液の血糖値も低下するので、脳が働けなくなります。
こうして脳が小休止し、それが「眠くなる」という症状になって表われるのです。
したがって、血糖値が下がる、つまり、血液中のブドウ糖が少なくなると、脳は働けなくなり、その結果、眠くなってしまいます。
血糖値が下がると血圧も下がります。
脳だけでなく、心臓も動きが悪くなるためで、結果として脳に行く血流も少なくなります。
高齢者では、食後に低血圧を起こすこと(食後性低血圧)が問題になっていました。
食後に低血圧発作を起こし、倒れてしまうことがあります。
その原因は不明とされてきましたが、食後の血糖値スパイクを考えると十分理解できます。
低血糖で脳にダメージが蓄積された結果、認知症に
その結果、脳や神経系が委縮して、やがてはアルツハイマー病などにもなってしまいます。
低血糖発作が起こると自律神経系が作動し、めまいや頭痛、生あくびなどさまざまな症状が起こります。
そのときすばやく上手に対応すれば、すぐ回復します。
しかし、処置が遅れると脳がやられてしまいます。
それも、たまたま1回ならともかく、頻繁に低血糖発作を起こすと脳は徐々にダメージを受けてゆきます。
慢性の低血糖は、脳の機能に大きな影響を与えるだけでなく、脳を変性させてしまうことすらあります。
歳を取ると眠りが浅くなる
老化による不眠は、誰でもが経験しうることです。
人は加齢とともに体内時計に変化が起こり、生体機能リズムが若い頃と変わって睡眠相が前進します。
つまり、加齢によって早寝早起きの体質へと変化するのです。
また、睡眠の質では深い睡眠が減少し、浅い睡眠となり、その結果、中途覚醒や早朝覚醒が増加します。
オレキシン
食事で血糖値が上がると、オレキシンの分泌が抑制されます。
オレキシンとは、人間の覚醒と睡眠に関係する神経伝達物質で、分泌が多くなると覚醒し、減少すると眠気を誘発します。
つまり、血糖値が上昇するとオレキシンの分泌が抑制されるため、眠気を引き起こすのです。
睡眠の質
食事を取ると、胃腸が食べ物を消化させようと働き始めます。その間はエネルギーを消費するため、脳や体が休まりません。
つまり、食後にすぐ寝てしまうと睡眠中に食べ物を消化することになるので、脳や身体が十分に休まらず、睡眠の質が下がってしまうのです。
消化不良
食べ物は胃で消化され、十二指腸へ送られて吸収されます。
ただし、睡眠状態に入ると、胃や腸の働きが低下してしまうため、長い時間胃に食べ物が残った状態になり、消化不良を起こしやすくなります。
そうすると胃もたれを起こす、または消化中の食べ物が食道に逆流して胸焼けを起こす逆流性食道炎の原因にもなるため、注意が必要です。
寝る2時間前に食事を済ませる
まず食べてすぐ眠らないために、就寝の2時間前には食事を済ませます。
この2時間の根拠は、食べ物が消化されるまでに2~3時間程度かかるとされるからです。
消化前に睡眠に入ってしまうと、胃腸に負担がかかって睡眠の質が低下します。
そのため、寝る前に消化が終わるように食事を取り、睡眠中にエネルギーを消費しすぎるのを防ぐのがおすすめです。
ちなみに脂肪分が多い肉や揚げ物、食物繊維の豊富な野菜などは消化により時間がかかるため、食事内容によって時間を調整したほうがいいです。
消化しやすい食べ物
脂っこいものや食物繊維の豊富な食べ物は、消化に時間がかかります。
ということは、逆に消化の良い食事を摂取すれば胃腸の負担も減らせるし、就寝時間の調整もしやすくなります。
具体的には、白米やうどん、白身魚、鶏肉、半熟卵、豆腐などがおすすめです。
ただし、うどんやパンなどの小麦粉製品は糖質が多く、急激に血糖値を上げる性質をもっているため、過剰な摂取は控えます。
また、食事の際の飲み物はカフェインやアルコールが含まれていないものがおすすめです。
カフェインやアルコールは脳を覚醒させ、睡眠の質を下げるおそれがあるので控えたほうが無難です。
それと、食事内容だけでなく量にも注意が必要です。
暴飲暴食は過血糖を引き起こし、膵臓を疲労させ、インスリンの分泌や働きを悪くしてしまい、糖尿病を引き起こす恐れがあります。