2022年のインフルエンザワクチン接種

今年はインフルエンザの流行があるかもしれないというニュース報道があったので、私は、早々に10月12日に近くのクリニックでインフルエンザワクチン接種の予約をし、15日以降接種可能とのことでしたので、実際には10月18日に接種を済ませました。
2020年2月以降インフルエンザ流行が無かった
インフルエンザは例年、12月から3月末頃まで流行し、1月末から3月上旬頃にピークを迎えると言われています。
ところが、インフルエンザは、国内でCOVID-19の流行が始まった2020年2月以降、患者報告数は急速に減少しました。
2020-2021年シーズンおよび2021-2022年シーズンの現在まで、インフルエンザウイルス検出の報告はほとんど見られておらず、危惧されていたCOVID-19とインフルエンザの同時流行(いわゆるツインデミック)もありませんでした。
これは、COVID-19対策として普及した手指衛生やマスク着用、3密回避、国際的な人の移動の制限等の感染対策がインフルエンザの感染予防についても効果的であったためと考えられます。
しかしながら、2021年後半から2022年前半にかけて、北半球の多くの国ではインフルエンザの少ない中規模の流行がみられています。
インフルエンザの流行の可能性
北半球の冬季のインフルエンザ流行の予測をするうえで、南半球の状況は参考になります。オーストラリア政府は定期的にインフルエンザの発症状況を報告していますが、2020年および2021年は、日本同様、インフルエンザ患者は極めて少数でした。
しかしながら、2022年は4月後半から報告数が増加し、例年を超えるレベルの患者数となっており、医療の逼迫が問題となっています。
今後、海外からの入国が緩和され人的交流が増加すれば、国内へウイルスも持ち込まれると考えられ、日本国内においても、今秋から冬には、同様の流行が起こる可能性があります。
一方、過去2年間、国内での流行がなかったために、社会全体のインフルエンザに対する集団免疫が低下していると考えられます。
そのため、一旦感染がおこると、特に小児を中心に社会全体として大きな流行となる恐れがあります。
昨シーズンは、2歳までの子供が感染しやすいRSウイルス感染症(乳幼児に発症しやすい呼吸器の感染症)や、インフルエンザが流行しませんでした。
しかし 今年は、6月22日、東京都内の小学校において、2年3か月ぶりにインフルエンザによる学年閉鎖が発表されたように、例年よりもずれた時期に流行しました。
これは、昨シーズンに、インフルエンザ感染症にかかる子供が少なかったため、免疫を持っていない子供達に、一気に感染したと言われています。
2021-2022年には、欧米では、インフルエンザウイルスのタイプのうち、主としてA香港型と呼ばれるウイルスによる流行がみられています。
中国でも、今年になってA香港型が増加しています。
また、オーストラリアで本年度に検出されたインフルエンザウイルスの型が判明したもののうち、約80%がA香港型でした。
そのため、今冬季のシーズンは、わが国でもA香港型の流行が主体となる可能性があります。
A香港型が流行すると、インフルエンザによる死亡や入院が増加することが知られているので、特に警戒が必要となります。
英国政府は、今年のインフルエンザは早期に流行が始まり、昨年流行がなかったために例年の1.5倍の大きさの流行になる可能性があるとして、インフルエンザワクチン接種を呼び掛けています。ワクチン接種
インフルエンザワクチンには、4種類(A型2種類、B型2種類)のウイルス型が含まれています。A香港型もそのうちの一つです。
一般に、ワクチンは、発症予防効果とともに重症化防止効果が期待できます。
欧州からの報告では、65歳以上の高齢者において、ワクチンを接種した場合は、接種しなかった場合に比べて、A香港型感染による入院を抑制したと報告されています。
また、日本においてはCOVID-19の発症者は再増加が続いています。
そのような中で、ワクチンで予防できる疾患についてはできるだけ接種を行い、医療機関への受診を抑制して医療現場の負担を軽減することも重要です。
ワクチン接種が特に推奨される人
ワクチン接種が特に推奨される人は、65歳以上の人、5歳未満の幼児です。
そして年齢には関係なく、心臓や肺などに慢性の持病のある人、悪性腫瘍で治療中の人、高度の肥満の人も同様に推奨されます。
詳しくは、日本感染症学会で推奨されているのは下記の人です。
1)6か月以上5歳未満
2)65歳以上(50歳以上とするもの12)もある)
3)慢性呼吸器疾患(気管支喘息やCOPDなど)
4)心血管疾患(高血圧単独を除く)
5)慢性腎・肝・血液・代謝(糖尿病など)疾患
6)神経筋疾患(運動麻痺、痙攣、嚥下障害を含む)
7)免疫抑制状態(HIVや薬剤によるものを含む)
8)妊婦
9)長期療養施設の入所者
10)著しい肥満
11)アスピリンの長期投与を受けている者
12)担がん患者
また、これらの人と一緒に生活している人、学校や職場で人との接触の多い人もワクチン接種が推奨されます。
高齢者は、インフルエンザから肺炎を起こすリスクが高いので、特に接種が勧められます。
小さな幼児は、インフルエンザに罹患すると、高熱を出すことが多いので、救急外来を受診します。
中には、気管支炎、肺炎、熱性痙攣などで入院することもあります。
稀にインフルエンザ脳症をおこすこともあるので幼児の罹患には特に注意すべきです。
最近2年間、インフルエンザが流行しなかったので、特に小さな幼児では免疫が低下していると思われ、ワクチン接種はとても重要となります。
インフルエンザ対策
また両者が合併して重症になる場合もあります。
したがって、発熱者では両方のウイルスに対する検査が必要となることがあるので、医療機関の受診が勧められます。
インフルエンザと診断されたときは、抗ウイルス薬による治療を行います。
抗ウイルス薬は、インフルエンザの重症化、死亡を抑制します。
高齢者、小さな幼児など重症化リスクがある場合は当然治療の対象となりますが、リスクを持たない健康な人でも重症化することはあり、その予測は困難です。
インフルエンザに対しては、他の呼吸器感染症と同様に、一般的な予防も大切です。
手洗い、うがい、マスク、咳エチケット、アルコール消毒を普段から心がけることが重要です。
ワクチンの接種時期は10月から
65歳以上の人も、医療機関によっては、予約を開始する時期が10月1日ではなく、10月15日以降というところもあります。
因みに、名古屋市のホームページでは、65歳以上のインフルエンザ予防接種に関して、実施期間は、令和4年10月15日(土曜日)から令和5年1月31日(火曜日)までと記載されています。
対象者は、下記としています。
1)接種日において満65歳以上の人2)接種日において満60歳から満64歳で、心臓、腎臓若しくは呼吸器の機能障害又はヒト免疫不全ウイルスによる免疫の機能障害(いずれも身体障害者手帳1級相当の障害)を有する人で、身体障害者手帳の写し又は医師の診断書の原本を接種時に提出した人
接種可能日は、医療機関により異なるので、インフルエンザの予防接種を予約する時は、事前に予約開始日を確認しておく必要があります。
また、終了時期については、医療機関によってかなりばらつきがあります。
ワクチンの在庫が終了するまで受け付けているため、2月頃まで行っている医療機関もあれば、12月中に終了するところもあります。
厚生労働省は日本感染症学会のインフルエンザへ流行の警戒に関する提言を受けて、記録が残る中で最大の供給量となる約3,521万本のインフルエンザワクチンを確保すると公表しています。
インフルエンザワクチンの接種は1~2回
インフルエンザワクチンの接種回数は、基本的に13歳以上の場合は1回です。13歳以上が1回の接種で良いのは、過去の感染により抗体を持っていることが多いためだそうです。
ただし、体質などによって、医師が必要と判断した場合は2回接種する場合もあります。
また13歳未満の場合は2回接種します。
この場合、接種間隔は免疫力の働きを高めるため2~4週間の間隔を空ける必要があります。
効果期間
新型コロナワクチンとインフルエンザワクチンの同時接種はできない
原則として新型コロナワクチンとそれ以外のワクチンの同時接種はできません。インフルエンザワクチンと新型コロナワクチンの接種間隔は、「13日以上」あけることとなっています。
インフルエンザ予防接種の費用
予防接種の費用は1回あたりおよそ3,000~5,000円です。会社の健康保険や、65歳以上であれば行政から補助がおりることがあります。
因みに愛知県では、65歳以上の高齢者や60歳以上65歳未満で心臓の疾患などがある人のインフルエンザワクチンの定期接種は自己負担額が1000円から1500円ですが、2022年(令和4年度)のみ、愛知県による自己負担額補助があるため、実質無料となります。
インフルエンザ予防接種の受けられる医療機関
基本的には内科や小児科で接種することができますが、耳鼻いんこう科や整形外科などでも接種することができる場合もあるようです。住まいの自治体のホームページで確認するのが最も確実です。因みに、名古屋市のホームページでは、指定医療機関については、下記参照ページに掲載している「名古屋市予防接種指定医療機関一覧」ファイルで区別、郵便番号順で確認できます。










