軽自動車とコンパクトカーの維持費の差

 

軽自動車は圧倒的に税金が安いのが魅力ですが、駆動パワー不足、社室内へ侵入する走行音、外装と乗員の近いため安全性への不安、機械式駐車制限があると特に幅の狭さがネックになるなど、色々と不安要素があります。

しかし、それにも関わらず、街中を走行する車の半数近くが軽自動車と言われるほど、多く利用されています。

やはり、維持費の安さが、他の欠点を上回る利点としてユーザーに支持されている結果ではないかと思います。

現在、市販されている軽自動車のほとんどは車高が、1600㎜以上のトールタイプや1700㎜以上のハイトールタイプとなっており、機械式駐車場に対応した車高1550㎜以下の車種は、スズキ・アルト、ダイハツ・ミラ、ホンダ・N-ONEの3車種しかなく、あまり選択肢がありません。

公表されているJNCAPの予防安全性能(自動ブレーキ)試験からすると、スズキ・アルト、ダイハツ・ミラは低価格車であることもあって、あまり芳しい結果となっていません。

車高1550㎜以下で、ある程度の自動ブレーキ(踏み間違時は燃料カットのみ)を備えた軽自動車はホンダ・N-ONEの一択ではないかと思います。


維持費の平均額比較



*ソニー損害保険株式会社が、車を所有し月1回以上車を運転する18~59歳の男女を対象として2021年7月5日~7月8日に行ったインターネット調査「2021年 全国カーライフ実態調査」(1,000サンプル)

上の表から、どの程度の差を許容とするのかは、ユーザーの経済的余裕に依ります。

乗車が通常2名以下で、収入の少ない若者や年金生活者では、軽自動車、コンパクトカーが許容範囲内かもしれませんが、収入が安定して家族4名を乗せる機会の多いサラリーマンではSUV、セダンまでを許容とするかもしれません。

1か月あたりの維持費の差は小さく見えるので、さらにこの程度まではと、許容を広げる傾向が強まると考えられます。


1年間にかかる維持費用の差

一般的に、任意保険、タイヤなど消耗交換部品費用、工賃など軽自動車の方が普通自動車よりも安くなると言われていますが、車に安心をどれだけ求めるか、またDIYなどで愛車にどれだけ手をかけるかによって、維持費用は随分と異なってきます。

しかし軽自動車と普通自動車の維持費用で、圧倒的な差が出るのは税金です。

軽自動車はトール、ハイトールタイプも含めて、税金はすべて同じですが、普通自動車は排気量、車重の違いで税金は異なってきます。



ホンダ・フィットは1.3Lと1.5L/ハイブリッドが用意され、車重が1トン~1.5トンのため、1年間当たりに換算した維持費用の差は、54,300-25,540=28,760円となります。

年間28,850円もの差があると、長く乗れば乗るほど差が大きくなりますが、軽自動車の耐久性は10年、普通乗用車は20年と言われるので、部品交換頻度が多くなると、あるところで両者の差は均衡すると考えられます。



トヨタ・ヤリスは排気量1L、車重1トン以下なので、軽自動車との差が小さくなります。

軽自動車と比べて、44,700-25,540=19,160円が、1年間当たりに換算した維持費用の差となります。

しかし、ターボ付きでない1Lガソリンエンジン(ヤリス1L:最高出力69ps / 最大トルク9.4kg・m)は、ホンダ・N-ONEのターボ付き(47kW (64PS)/6,000rpm、104N・m (10.6kgf・m)/2,600rpm)と比べてもトルクなどのパワーが非力です。


フォルクスワーゲン・ゴルフ、ポロ、アウディA1、A3の搭載している1Lターボガソリンエンジンは、トルクが太いので、1トンを超える車体でも普通に走らせることが可能です。

ポロは、インタークーラー付きターボで、最高出力:70kW(95PS)5,000rpm~5,500rpm/最大トルク:175N・m(17.9kg・m)2,000rpm~3,500rpm、ゴルフはマイルドハイブリッドが付加されて最高出力:81kW(110PS)/5,500rpm、最大トルク:200Nm(20.4kgm)/2,000-3,000rpmとなっており、これは1Lであるにも関わらず2L並みのトルクを実現しています。

このフォルクスワーゲンの1Lターボエンジンは、小排気量ターボとして魅力のあるエンジンです。

軽自動車と比べて、48,800-25,540=23,260円が、1年間当たりに換算した維持費用の差となります。

但し、輸入車のためイニシャルコストがかなり高く、自動ブレーキは日本車と比べると、若干劣る面があります。



スバルのアイサイトは、業界で最も早く実用化された自動ブレーキとして定評があります。

スバル・インプレッサのエンジンは1.6Lと2Lしか用意されていないので、自動車税がワンランク上となっていまいます。

車重は1トンから1.5トンの範囲に収まっています。

軽自動車と比べて、59,800-25,540=34,260円が、1年間当たりに換算した維持費用の差となります。

かなり、高くなる印象を持ちますが、仮に中古車で、10年乗るとして、34万2千6百円だけ、軽自動車よりも安い中古車を購入できれば同等と考えることもできます。


スズキには、ターボ付き1Lエンジン(スイフト/バレーノ:最高出力 102ps最大トルク/回転数 150(15.3)/450 n・m(kg・m)/rpm)がありましたが、スイフトは現在は1.2Lエンジンに統一され、バレーノは販売が終了しています。

自動車税がワンランク上がって高くなる1.2Lですが、車重は1トン以下に維持されているのでその分重量税は安くなっています。軽自動車と比べて、50,200-25,540=24,660円が、1年間当たりに換算した維持費用の差となります。

スズキ・バレーノ及びスズキ・スイフトは、トヨタ・ヤリスと比べると、自動ブレーキの性能が大分劣ります。


維持費用まとめ

以上、比較してみると、軽自動車の圧倒的な税金の安さをあらためて実感するとともに、排気量が小さいことが税金を減らすことに効果があることが分かります。

小排気量ターボを搭載する、比較的大きなCセグメントのフォルクスワーゲンのゴルフの方が、Bセグメントのホンダ・フィットよりも維持費が安いことは意外でした。

維持費が安くても、大きくて見栄えがするミニ・マックスを望むなら、フィットよりも、フォルクスワーゲンのゴルフの方が良いのではないかと思えます。


自動車税

毎年4月1日時点の所有者が支払う税金で、軽自動車税(種別割)は自家用軽自動車の場合は車種に関係なく一律10,800円です。

一方、普通車は総排気量によって税額が変動し、総排気量が1L以下の場合は25,000円、1L超~1.5Lの場合は30,500円、1.5超~2Lで36,000円です。

したがって、少なくとも軽自動車と普通車では14,200円の差が生じます。

軽自動車と比較検討されやすい1.5Lのコンパクトカーの場合でも、軽自動車より19,700円高くなります。


重量税

重量税は、継続車検時の金額です。支払いは2年に1度です。軽自動車は、一律6,600円で、1年なら3,300円です。

コンパクトカーは、車体の重さによって変わってきますが、1トン以下は16,400円、1年で8,200円、1トン〜1.5トン以下は2年で24,600円、1年で12,300円となります。


自賠責保険

自賠責保険は、冷和5年4月1日以降の12カ月契約の場合、軽自動車は11,440円、普通車は11,500円です。

保険料がどれだけ使われたかによって、毎年のように見直しがされますが、軽自動車と普通車で保険料の差はほとんどありません。

実際には、車検時に支払うため、2年ごとの支払いになります。