70代男性の喉の違和感対策

70代ともなると、朝、口内が枯れている、声が上手く出ない、いつも痰が絡んでいるような感じがするなど、違和感を覚えることが多くなります。


ドライマウス

ドライマウスとは、唾液の量が減って口やのどが乾燥した状態のことを言います。

正常であれば、1日に分泌される唾液の量は1リットルから1.5リットルです。

しかしドライマウスの人の場合、唾液量が半分以下になります。

特に、歳を取ると唾液の分泌量が減ったり、使っている薬の副作用があったりするので、ドライマウスになりやすいと言われています。

唾液には口の中のウイルスや細菌を撃退する抗菌作用があります。

そして細菌や食べかすなど口の中の汚れを洗い流し、口臭を予防する働きもあります。

加えて、口の中を中性にする作用もあり、食後は口の中が酸性に傾きやすいため、唾液が中性に戻してくれます。

その他、弱くなった歯の修復や味を感じやすくするなどの役割も担っています。

唾液の分泌が減ることによって、さまざまな問題につながります。

口の中で細菌が増え、虫歯や歯周病になりやすくなり、歯の修復力も低下します。

それだけでなく、口が乾くことでカンジダ菌が急激に増え、痛みを引き起こしたり、舌に炎症が起きて味覚障害を引き起こしたりすることもあります。

ドライマウスの主な原因は、さまざまありますが、特に多いのは加齢です。

加齢によって、唾液を作る唾液腺の機能が低下し、唾液の分泌量が減ってしまいます。

虫歯のせいで食べ物を噛む回数が減っていたり、薬などの副作用として、唾液の分泌量の低下がみられることもあります。

免疫細胞が自分の体の細胞を壊してしまう自己免疫疾患の一つ、シェーグレン症候群では、唾液腺や涙腺の細胞がダメージを受けるため、唾液や涙の量が減ります。

ドライマウスになると、以下のような症状が出ることがあります。

口やのどのかわきがずっと続く

口の中がネバネバする

口の中が痛い

パンやビスケットなど乾いた物が食べづらい

味覚がおかしい

夜、口が乾いて目が覚める

病気でない場合がありますが、心配であれば一度、歯科やドライマウスを専門にしている医療機関を受診することが勧められます。

上記の症状が慢性的に続いている場合や、口に痛みなどの違和感があるときには特に注意が必要です。

ドライマウス用のケア用品としては、洗口液(マウスウォッシュ)、口腔用保湿スプレー、保湿ジェル、マウスピース、夜間口呼吸防止テープ、などがあります。

その他、ドライマウスの対策として、まず口が開きやすい人は口を閉じる習慣を身につけます。

また、かむ回数が少ない人は唾液の分泌が減ってくるため、柔らかいものばかり食べずに、かみ応えのあるものを食べると良いです。

よく噛むことを習慣化することが大切です。


痛くないけど喉に違和感

喉がイガイガするなどの違和感があることに加えて、咳や痰が続いている状態の時、のど飴を舐めることや温かい飲み物を飲むことで、咳がおさまり、痰を出しやすくなる効果は期待できます。

このような症状の場合、胃食道逆流症、慢性副鼻腔炎、咳喘息などが考えられます。

胃食道逆流症は、胃酸が逆流することで喉の違和感、咳を起こしやすくしてしまうことがあります。

横になっている時や、食後すぐに横になることで症状が悪化することがあります。

高齢者などは内視鏡検査も検討されるため、消化器内科を受診することをお勧めします。

慢性副鼻腔炎は、風邪などをきっかけに鼻粘膜の炎症が慢性化して発症します。

副鼻腔内に膿汁や滲出液がたまり、それらが喉に流れ落ちてたまる後鼻漏という症状は、慢性的なせきの症状の原因となります。

主な診療科は耳鼻咽喉科です。


喉が詰まった感じがして、息苦しい

咳が詰まる感じがするとともに息苦しさがある、声がかすれるなどの症状がみられることがあります。

このような場合、喉頭炎(こうとうえん)や喉頭がん(こうとうがん)などが疑われます。

喉頭がんは、女性よりも男性が発症する人が多いがんです。

50代から発症する人が増えて、70代が最も多くなります。

喉頭炎は、喉の粘膜に生じる炎症です。

風邪によるものが多いのですが、ウイルス感染でも細菌感染でも起こりえます。

発熱や声のかすれ、咳や痰の症状も出現します。

声をあまり使わないようにして室内の湿度を乾燥しないように保つことが重要です。

喉頭がんは、喉仏付近にできるがんのことです

喉の違和感や声のかすれ、血混じりの痰などがみられます。

硬い食べ物を飲み込んだ時に痛みが出ることもあります。

初期には目立った症状は少ないこともありますが、進行すると息苦しさが出現します。

1ヶ月以上も咳が続いたり声がかすれたりする場合には、咽頭ファイバースコープ検査が必要となるため、耳鼻咽喉科を受診することが必要です。


咽喉頭(いんこうとう)異常感症

咽喉頭異常感症は、喉のあたりに異常な感覚がある病気です。

さまざまな検査をしても原因が見つからない時に診断されます。

心身症の一種と考えられ、精神的ストレスが原因となって身体的症状が出現するとされます。

睡眠、休息をとることや運動などで気分転換をすることで症状が軽減します。

もし、息苦しさを感じる場合にも、深呼吸をしてみると少し改善する可能性もあります。

必要に応じてカウンセリングや薬物療法などが行われますが、症状が改善しない場合には、耳鼻咽喉科を受診することが勧められます。


息苦しい、飲み込めない症状

徐々に悪化している場合は注意が必要で、緊急性があります。

この場合は喉頭蓋炎(こうとうがいえん)が疑われます。

喉頭蓋 (こうとうがい、 epiglottis )とは 粘膜 に覆われた 軟骨 からなる 喉頭 の上縁を構成する組織のことです。

喉頭蓋炎は、空気の通り道にある喉頭蓋が腫れて窒息の危険を伴う場合があります。

そのため、息が苦しいなどの症状のほかにも、発熱や物を飲み込みにくいなどの症状がある場合は、すぐに耳鼻咽喉科を受診する必要があります。


誤嚥性(ごえんせい)肺炎

誤嚥性(ごえんせい)肺炎は高齢者の肺炎の多くを占め、命にも関わります。

肺に細菌が入り込み感染して起こる「誤嚥性(ごえんせい)肺炎」のリスクが高くなります。

「咳払い」を頻繁にする人も要注意です。

異物を吐き出す力(咳反射)が弱まっているために、一度の咳では済まず、繰り返してしまうのです。

嚥下(えんげ)反射も、咳反射も、加齢とともに低下します。

また、細菌に対する体の抵抗力(免疫)も60代以降急速に落ちますので、感染症にかかりやすく、また重症化しやすくなります。

喉の老化年齢を調べるテストがあります。

1.水を一口含み、口の中を湿らせる
2.人さし指をのど仏の少し上に当てる
3.30秒間で何回、唾液を飲み込めるかをカウントする

喉年齢が60代で6回、70代で5回、80代で4回以下です。

5回以下の場合、誤嚥性(ごえんせい)肺炎のリスクが高くなります。

逆流性食道炎

胃食道逆流症は、主に胃酸が食道へ逆流することによって、胸やけや呑酸などの不快な自覚症状を感じたり、食道の粘膜がただれたり(食道炎)する病気です。

胃食道逆流症も喉の違和感の原因となります。

胸やけの症状などがなくても逆流性食道炎の可能性は否定できず、喉の違和感を主訴に原因検索をしていたら胃食道逆流症であることも十分にあり得ます。

対策としては、食後すぐに横にならないことや、脂っこい食事を控える、甘い食べ物を控える、などが効果的だといわれています。

これらでも改善しない場合は消化器内科受診が勧められます。