背骨がくの字に曲がっているのを矯正改善する方法

 

病院で背骨のレントゲン写真を撮ってもらった時に、医師から背骨が曲がっていると指摘されて少なからずショックを受けますが、当面、痛みがあるわけでもなく生活に支障が出ていることもありません。

何とか、手術など受けずに治したいと思うのは人情です。


側弯症(そくわんしょう、英:Scoliosis)

脊椎は、体の側面から見ると前後にカーブしていますが、これは生理的彎曲という正常な状態です。

一方で、正常な状態であれば正面あるいは背面から見ると脊椎はまっすぐに伸びています。

しかし、側方(横方向)に彎曲したり、脊椎がねじれている場合があり、これらを脊椎側彎症または側彎症と呼びます。

1)脊椎がねじれながら横に彎曲する側彎症

2)後方に凸に曲がる後彎

3)側彎と後彎が合併した後側彎症

の3つに分けられます。

痛みを伴うことは稀なため初期における発見は難しく、ある程度成長してしまってから気がつく場合が多いです。

このように側弯症は、背骨が左右どちらかに弯曲している状態を指しますが、放置していると弯曲がひどくなることがあり、胸郭が大きく変形し、肺機能の低下を引き起こします。

また、肩・腰の高さが左右で違う、肩甲骨が突出する、肋骨が隆起するといった、見た目の問題も大きくなります。

側弯症は一般的に若年ほど進行しやすく、骨の成長が止まると急激な進行は起こりません


大人の側弯症

主に女性の小児期に多く見られる側弯症ですが、大人になってから背骨が曲がってしまうこともあります。

圧迫骨折によって骨が潰れてしまったり、加齢によって脊柱を構成する骨が変形した変形性脊椎症には、骨粗鬆症や脊椎不安定症を伴うものも多いです。

また、小児期の側弯症が進行することもありますので、習慣や姿勢の影響もあるかもしれません。


Cobb角(こぶかく)

背骨を背面から見たときの背骨のカーブの大きさを表す角度です。

側弯症の程度を表すのに用いられます。

単純レントゲン画像で背骨のカーブの一番上の骨と一番下の骨を線で結び計測します。



直立検査
1人でできる検査です。

裸の状態で鏡の前に立ち、肩の高さ、腰の高さに左右差がないか観察してします。

また、肩甲骨の高さ・突出の程度にも左右差がないか観察します。

いずれかで左右差があれば、背骨が曲がっている可能性があります。

①上半身裸、もしくは下着だけの状態で、両手の手のひらを合わせて、両腕を自然に前に垂らします。ひざを伸ばしたまま、背中を丸めて、ゆっくりと前屈します。

②前屈した際、肩の周辺や背中、腰で左右の高さに差があるかどうかを、前と後ろから、それぞれ確認します。第3者に教えてもらうとなおよいです。



レントゲン検査

側弯は、レントゲンによる診断が可能です。

一度の撮影で立った姿勢の背骨の様子がわかります。

また、必要があれば医師の指示のもと骨密度検査やCT画像検査なども行います。

40度以上

レントゲン写真などから彎曲の大きさ(コブ角/Cobb angle)を測り、おおむね

軽度(25度未満)
中度(20度〜40度程度)
高度(50度以上)

の三段階に分類し、軽度では定期的なレントゲン撮影による経過観察を継続します。


原因

生まれつきの背骨の奇形、神経・筋肉・組織の異常、外傷、腫瘍などが原因になります。

原因の分からない側弯症(突発性側弯症)が全体の8割以上を占めています。

実際には、大人になってから側弯症を発症し急速に進行するケースも見られます。また、幼い頃に軽度の側弯症で経過観察となった場合であっても、大人、それも中高年になってから進行することがあります。

内臓への影響:逆流性食道炎

逆流性食道炎は、胃酸などが食道に逆流して食道の粘膜を刺激し、びらんや炎症をひき起こす病気で、最も多い自覚症状が「胸焼け」です。

消化器内科で診ることが多い病気ですが、実はその中に背骨(脊柱)が曲がっている人が相当数いることがわかりました。

後弯症(特に腰の後弯)によって、胃や腸などの消化管を圧迫することが原因と考えられ、我が国の研究でも、後弯があると逆流性食道炎になる可能性が非常に高いという結果が出ています。

側弯症は、胸の圧迫と変形による呼吸器障害・循環器障害など内臓にも影響を及ぼします。

進行すると凸側の肋骨の前後がつぶれるように変形し、心臓などの臓器を圧迫することで影響が出ます。

側彎が70度を超えた場合は肺活量が極度に減少し、90度を超えると肺や心臓の機能にも大きく影響し平均余命が短くなるといわれます。


装具療法


コルセットを用いた装具療法を行います。

骨の成長段階にあるおおよそ15歳までの患者様の場合は、装具による弯曲の改善が可能です。

Cobb角20°以上になると装具療法が適応になります。
側弯の矯正よりも進行予防や進行速度を緩めることを目的としています。

Cobb角が25度を超えると装具療法が開始になります。

25度以上と診断されると、写真のような専用のコルセットなどの装具による維持療法が行われることが多いです。

コルセットで彎曲が完全になくなる(完治する)ことは無いが、装具は確実に進行を遅らせるため、手術となったとしてもその時期を遅らせる効果があります。


民間療法

日本側彎症学会では、装具による矯正治療と手術が必要であるとし、運動療法が有効だという客観的なデータはいまだに発表されておらず、徒手矯正、マッサージなども無効としています。

シンガポールでは、自然療法による改善・進行防止の処置を行う専門クリニックがあります。


筋肉の強化

脊椎側彎症が原因の肉離れに悩まされていたウサイン・ボルトは、走行中に骨盤が揺れることでハムストリングスに負担がかかっていることが判明したため、背骨を守るためバイエルン・ミュンヘンのチームドクターの指導で腹筋、背筋、大殿筋など骨盤周辺の筋肉を3年かけて強化しました。

これによりレーニング中の怪我が減少したことに加え、推進力を生む蹴り上げる力も強化され後の活躍につながったといわれます。

同時にカイロプラクティック・ケア(器械や道具、鍼、灸などを一切使わずに素手だけで行う手技療法)によっても支えられました。


手術療法

Cobb角が概ね40°以上になると手術も検討されます。

手術は曲がった背骨を矯正して元に戻らないように固定します。


リハビリテーション(運動療法)

脊柱が曲がっていると背中やお尻回りの筋肉が伸ばされる所と縮むところとができて痛みを生じる場合があります。

運動療法によって脊柱の柔軟性を維持し、筋力を強化することで疼痛軽減を図れます。

また抗重力筋を強化することで良い姿勢が意識でき機能障害の予防が期待できます。


ストレッチ


①仰向けになり両手を横に広げ、肩が浮かないように床につけます
②両ひざを揃えて少し曲げ、ねじるようにゆっくり左側に倒していきます
③右前胸部から側腹部、臀部にほどよい張り感を感じたところで止めます
④反対も同様に行います


壁に向かって立ち、できるだけ上まで手を伸ばしていき、10秒間保持します。

①四つ這いの姿勢で行います
②右手と左足を伸ばします。床に両手、両ひざをついた状態から、右手をまっすぐ前方に伸ばします。そのまま左足を持ち上げて、後ろにまっすぐ伸ばします。左手、右足を伸ばした状態で、10秒キープし、ゆっくり戻します。
③余裕があれば、上げた右肘と左膝をお腹の前でくっつけます
④②と③を交互に5〜10回繰り返し、反対も同じように行います
⑤カラダがぐらつかないよう、体幹を床と並行に保ちながら行います



①横向きになり、片肘を床につけた状態でセットします
②肘と足のみ床につけた状態で、体を真っ直ぐに保ちます
③身体がぐらつかないように20秒〜60秒キープし、反対も行います

※きつい場合は、膝を後ろに折り曲げて支え、負荷を軽減する


①あおむけになり、両手を伸ばして、頭上で合わせます。




②おしりを持ち上げ、上げたところで10秒キープし、ゆっくり戻す。これを5~10回くり返す。











①あおむけになり、両手を頭の後ろで組みます。



②両足を30~40cmほど浮かせて、10秒キープ。







③そのまま上体を起こして10秒キープし、ゆっくり(1)の姿勢に戻す。(1)~(3)を5~10回くり返します。