クーラント液を使う時に注意すべきこと


中古のスバル・インプレッサのディーラーの車検見積もり点検で、クーラント漏れがあるらしいとの指摘で、補充用のクーラントを用意する必要があるため、調べてみました。


種類

国産車で純正採用されているクーラント液は、赤・緑・青・ピンクの4色で区別されています。

そのうち赤と緑のクーラント液はエチレングリコールを主成分としており、耐用年数はおよそ2〜3年です。

これまでのクーラント液よりも長寿命を誇るため、「LLC(ロング・ライフ・クーラント)」と呼ばれます。

さらに近年の新型車に充填されている青とピンクのクーラント液は「スーパーLLC」と呼ばれ、プロピレングリコールを主成分とすることで耐用年数7〜10年を実現した新型LLCです。

特徴としては、まず吸熱性、放熱性に優れるということです。

つまり暖まりやすく、冷めやすいです。

もうひとつのメリットが潤滑性が高いということです。

冷却系のなかでもウォーターポンプやサーモスタットは潤滑が必要で、メンテ不良だと固着することがあったりするパーツなのですが、潤滑性が高いというのはメリットになります。

さらに、プロビレングリコールは食品や化粧品、医薬品にも使われる成分で毒性もかなり低いです。(従来のLLCはエチレングリコールは毒性がある)

せっかく使うのであればより性能のよいスーパーLLCを使いたくなるところですが、それぞれの車で純正採用されている色と種類のクーラント液、もしくは現在入っているものと同じクーラント液を使うことをおすすめします。

LLCが純正採用されている車にスーパーLLCを入れると、高い洗浄能力によって落ちた汚れがラジエター配管に詰まり、故障を引き起こす可能性があります。

スーパーロングライフクーラントはロングライフクーラントよりも高い防錆性、吸放熱性、洗浄性を誇りますが浸透性も高く、旧車に使うとゴムシールや冷却水ホースの接合部などからにじみや漏れが発生する可能性があります。

反対に、スーパーLLCを純正採用している車に旧来のLLCを入れてしまうと、高い洗浄能力が発揮できず汚れなどが残ってしまう可能性が高くなります。

同じ耐用年数を持つ「赤・緑同士」と「青・ピンク同士」の組み合わせであればそれぞれ混ぜて使用しても問題ありません。

また「赤・緑系」を充填している車両に「青・ピンク系」を入れることも大丈夫ですが、その逆は故障の原因となりますので間違えないように注意してください。

クーラントの色は漏れた際に目立つように付けられていますので、異なる色同士を混ぜ合せてしまうと黒に近くなり、漏れの位置がハッキリしなくなる恐れもあります。

また、異なる色のLLCを混合すると濁った色に変色するため、クーラント液の劣化や漏れを見落としてしまう可能性が高まります。

交換頻度

クーラント液は長期の使用で蒸発や劣化を起こします。

蒸発して不足したぶんのクーラント液は補充する必要があり、劣化したクーラント液は交換する必要があります。

LLCは耐用年数が2〜3年なので、車検ごとに交換するのがよいでしょう。スーパーLLCの場合は耐用年数が7〜10年ですから、車を乗り換えるまで交換不要な場合もあります。

耐用年数に達する前にクーラント液の色が濁ってくる場合は、劣化のサインやエンジンオイルの混入トラブルの可能性があるため、速やかな点検と交換をおすすめします。

補充タイミングは、エンジンルーム内のラジエター補助タンク(リザーバータンク)で確認します。

多くの車のリザーバータンクは目盛り付きの半透明樹脂でつくられており、液面が「FULL / LOW」もしくは「MAX / MIN」の間に収まっていれば正常です。


不足している場合は、同じ色・種類のクーラントを適量補充しましょう。ただし、リザーバータンクの液面はクーラント液の温度によって上下するため、必ずエンジンが冷えた状態で確認するようにしてください。

交換方法

クーラント液を交換するには、車の下に潜りラジエターからクーラント液を抜く作業が必要になるため危険が伴います。

また、車によってはラジエターからの排出だけでは古いクーラント液が十分に抜けない場合があります。

自ら交換する場合は、まず「住まいの地域に適した凍結温度のクーラント液」「クーラント全量を入れられる容器(1.5Lエンジンで5L前後・2.0Lエンジンで7L前後)」と、車に適した工具を用意します。

まずは、火傷などをしないようにエンジンがしっかりと冷えていることを確認します。

そのうえで車の前下部に潜り、ラジエター下部に備わった排液口を塞いでいるドレンボルト(ドレンコック)を緩めます。

そうするとクーラント液が排出されますので、用意した容器で受け止めます

上部のラジエターキャップを空けるとより早く排出されます。

ラジエター内のクーラント液がすべて抜けたら、ドレンボルトおよびドレンコックを取付けて排液口を塞ぎ、用意したクーラント液をラジエターキャップから注入します。

冷却通路内は狭くクーラント液が流れ込むまでに時間がかかるため、少量ずつ溢れないように注ぎ入れます。

ラジエターの注ぎ口付近までクーラント液が入ったら、冷却通路内の空気を抜くためにラジエターキャップを開放したままエンジンをかけ、しばらく放置します。

開けっぱなしのラジエターキャップから冷却通路内に溜まった空気が気泡となって出てくるため、ラジエターキャップ内の液面が下がっていきます。

極端に少なくなったら、さらにクーラント液を補充します。

エンジンが稼働し、クーラント液が温まるとラジエター背面に備わった冷却ファンが突然作動する場合があるため、ケガなどをしないように注意します。

エンジンが温まり気泡が出なくなったら、ラジエターキャップを締めて交換作業は完了です。

抜きとった古いLLCは産業廃棄物になるため、整備工場や廃棄業者に廃棄を依頼します。

ペットボトルやクーラント液の入ってた容器に入れて、オートバック◯などで言えば捨ててもらえるようです。

上記の交換方法では古いクーラント液がエンジン内部に残るため、全量交換をするためには途中でもうひと手間をかける必要があります。

新品のクーラント液を入れる前に水道水でラジエター内を満たし、エンジンを始動してラジエターとエンジン内部を循環させた後に、再び水道水を排出すれば古いクーラント液はほとんど残らなくなります。

万全を期すなら、これを2度ほど繰り返します。

クーラント液を全量交換すれば、安心して異なる色や種類のクーラント液を入れられるようになります。

市販のクーラント液を用意する際は、あらかじめ希釈された補充用クーラント液(ストレートタイプ)と、希釈されていないクーラント液(原液タイプ)の2種類が存在している点に注意します。

ストレートタイプのクーラント液は、凍結温度が−30℃程度に調整されており、多くの地域でそのまま使えるように配慮された希釈済みの補充用クーラント液です。

原液タイプはユーザーが希釈して使用することを前提に濃縮されており、希釈割合によって凍結温度を調整できる交換向けおよび寒冷地向けのクーラント液です。

原液タイプのクーラント液を使用することもできますが、その際は車を使用する地域に適した凍結温度になるように水道水で希釈しなくてはなりません。

希釈割合は、車を使用する地域の冬季最低温度を上回らない凍結温度になるよう調整します。

ただし、希釈割合と凍結温度の関係は製品によって異なるため、取扱説明を熟読したうえで決定します。


クーラント漏れ

クーラント液が漏れ出すと、LLCの主成分特有の甘い香りがします。

アイドリング時、低速走行時にエンジンルームから甘い匂いがします(クーラントは綿菓子のような独特の甘い匂いがあるため)

また、漏れたクーラント液は必ず車体下に流れ出します。

クーラント液が漏れ出している症状を察知したら、すぐにエンジンを停止します。

  • ・メーター内の水温警告灯(鍵が水面に浮いているようなマーク)が点いている。

  • ・メーター内の水温計が異常な水温を示している(車種にもよるが正常値は70℃~95℃程度)

  • ・車庫など駐車場所の床にシミができている

  • ラジエーター周辺や冷却経路のホースのジョイント部、リザーバータンクなどを定期的にチェックするようにします。

  • ホースのジョイント部からクーラントが漏れた跡やリザーバータンクからの噴き返しがあったことが分かります。

  • なお、その際はくれぐれもラジエターキャップを空けないようにしてください。

  • ラジエターの水温は100℃以上の高温になっている場合があり、開けた瞬間に高温のクーラント液が吹き出し火傷を負う危険性があります。

  • 緊急措置として、漏れ出すクーラント液のかわりに水を補充すれば冷却性能は一時的に回復できますが、そのまま走行を続けてクーラント液が不足すればエンジンは焼付き、車は急停止します。

  • 非常に危険であるうえに莫大な修理費用がかかってしまうため、クーラント液が漏れ出した場合は無理をせずにロードサービスなどの応援を呼ぶことを推奨します。

製品

古河薬品工業(KYK)  ラクラククーラント  52-040

古河薬品工業(KYK) ラクラククーラント 2L 緑 52-040

価格:¥828(amazon 税込み)
商品重量 2.3 Kg

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マイナス40度まで使用可能で、大容量リーズナブルなクーラントです。

容量: 2リットル
色: 緑
種類: LLC


KURE(呉工業)   スーパーロングライフクーラント  2110

KURE(呉工業) ラジエターシステム スーパーロングライフクーラント NEW 青 (2L) クーラント液 [ 品番 ] 2110

価格:¥1,035(amazon 税込み)

商品重量 2.3 Kg

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全量交換した場合、10万km走行または4年間、効果が持続します。

容量 :2リットル
色 :青
種類 :LLC



KURE(呉工業)   スーパーロングライフクーラント  2109

KURE(呉工業) ラジエターシステム スーパーロングライフクーラント NEW ピンク (2L) クーラント液 [ 品番 ] 2109[HTRC 3]

価格:¥1,035(amazon 税込み)

商品重量 2.3 Kg

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ゴムやプラスチックを傷めず、金属パーツを長期間防錆するので、ラジエーターに優しいクーラントです。

容量 :2リットル
色 :ピンク
種類 :LLC



古河薬品工業(KYK) ロングライフクーラント HTRC3
古河薬品工業(KYK) ロングライフクーラント 95% EX 2L 緑 [HTRC3]

価格:¥1,530(amazon 税込み)

商品重量 2.42 Kg

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発ガン性物質を生成する恐れのあるアミン類を使用していない防錆剤を使用しているノンアミンクーラントです。

容量 :2リットル
色 :緑
種類 :LLC

古河薬品工業(KYK) エルコン ロングライフクーラント[HTRC3]

古河薬品工業(KYK) クーラント エルコン ロングライフクーラント補充液 緑 400ml HTRC3

価格:¥187(amazon 税込み 配送料\418 )

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クーラントの補充液です。日頃のメンテナンスに。クーラントが減った時に使います。

容量 :0.4リットル
色 :緑
種類 :LLC



スバル(純正) スーパークーラント 




スバル純正スーパークーラント500ml補充用
価格:¥650(スバルディーラー、税別)
新品番:K0677Y0030
旧品番:K0679Y0001

スバル車のクーラントは多いと1年で300ml減ると言われますので、補充用に最適です。

品番が変わっています。



スバル(純正) スーパークーラント補強剤

スバル純正スーパークーラント補強剤150ml
品番:SAA2260008

■クーラントプラスプレミアム(添加剤〔金属腐食防止効果の補強・消泡性の持続効果〕

品番:SAA2260005

価格:¥1,760(楽天 送料¥800)

・消耗したクーラントの消泡性能と防錆性能を回復させてオーバーヒートやさび等による水漏れの可能性を低減。
・長寿命タイプのクーラントにも対応しています。

■SUBARUスーパークーラント補強剤(補強剤〔防錆性能の回復〕)

品番:SAA2260008

価格:¥1,540(楽天 送料¥800)

・SUBARU スーパークーラントメーカーが製造する安心の品質。
・経年減少する防錆成分を補強。
・スーパークーラントをはじめ、クーラント本来の防錆性能、pH 値等の回復に効果的。
・SUBARU スーパークーラントだけでなく旧タイプのクーラント(緑)や赤(ピンク)にも使用可能。
・エンジン故障やオーバーヒート、クーラント液漏れなどのリスク軽減。



ThreeBond(スリーボンド) 6903 ,6903B/ クーラントサプリメント


価格:¥2,400(スバルディーラー 税別)

このサプリ剤を投入することでLLCとしての寿命を延ばせます。

効能は、「LLC中の消耗した添加剤を補給しクーラントを強化することによって、ラジエータを錆やオーバーヒートから守ります。 」

・LLCの消費されやすい成分を補強し、サビの発生や泡による冷却効果低下等によるトラブルを事前に防ぐ超長期寿命型クーラントサプリメントです。

使用方法:LLCリザーブタンクに補充します。

内容量:100ml

1.作業時はエンジンを止めてから冷却水系統を点検し、液量不足、不良箇所、又は汚れ、錆があればトラブルの原因となるので補修して下さい。

2.冷却水が汚れている場合、冷却水濃度が規定以下の場合は冷却水を交換して下さい。

3.上記2項目をチェックした上でラジエータ容量8Lに対し、本品1本(100mL)注入。

4.注入後エンジンを始動し、5分程度アイドリングを行い、その後エンジンを停止し冷却水系統に漏れがないことを確認し作業終了。

成分 : 複合グリコール・防錆剤・消抱剤 

内容量(mL) : 100 

使用の目安 : ラジエータ容量8Lに対し本品1本(100mL)注入 

危険等級 : Ⅲ 

危険物の類別 : 第四類 

危険物の品名 : 第三石油類 

危険物の数量 : 0.1L 

危険物の性状 : 非水溶性 

内容量 : 1缶(100mL)

※冷却水の温度が高い時にラジエータキャップを緩めると高温となった冷却水と蒸気が噴出し大ケガとなります。 施工は必ず冷えてる時かリザーブタンク(非加圧)にて行います。

※冷却系に溜まった錆や水アカ等は除去しないので、注入時は汚れ具合をあらかじめ確認することをお勧めします。錆や汚れがひどい場合は新液に交換してから本品を注入します。