カレーライスのトリビア
かつてはカレーライスを毎週必ず食べていましたが、定年退職後はあまり外へ出かけなくなったので、1か月に一回程度になってしまいました。
それでも、しばらく食べていないと、無性に食べたくなるものです。
カレーライス
カレーライスは、カレーを米飯にかけて食べる料理です。
近年では、日本独自の進化を遂げたオリジナルスタイルのカレーライスも数多く存在します。
インド料理を元にイギリスで生まれ、日本には明治時代にイギリスから伝わり、日本で独自に変化した料理です。
イギリスでは「イギリス英語: curry and rice(カリーアンドライス)」の他「イギリス英語: Curried rice(カリードライス)」とも呼ばれます。
日本語では省略して「カレー」と呼ばれることが多く、ラーメンと並んで『日本人の国民食』と呼ばれるほど人気がある料理です。
小中学校の給食メニューの人気アンケートでもつねに上位に挙げられています。
インドのカレーよりとろみが強くなっているのは、イギリス海軍のメニューに採用されたとき、船の揺れに対応するためだったという説があります。
また、ソースを重視するフランス料理の手法を取り入れたからという説もあり、イギリスのクロス・アンド・ブラックウェル社により生産されたカレー粉がフランスに渡り、フランス料理のカリー・オ・リ(フランス語: curry au riz、すなわちカレーライス)の名の西洋料理になったともいわれています。
日本での歴史
日本で初めて「カレー」という料理の名を紹介したとされる書物は福沢諭吉の「増訂華英通語」(1860年、万延元年)で、「Curry コルリ」という表記があります。
カレーライスの調理法を初めて記載したのは、1872年(明治5年)出版の『西洋料理指南』(敬学堂主人)です。
食材として「ネギ・ショウガ・ニンニク・バター・エビ・タイ・カキ・鶏・アカガエル・小麦粉・カレー粉」を挙げています。
また、同じ年に出た『西洋料理通』(仮名垣魯文)は、「牛肉・鶏肉・ネギ・リンゴ・小麦粉・ユズ・カレー粉」を挙げています。
小菅桂子は、材料に蛙肉が入っているところから、フランス料理の要素が取り入れられた可能性を指摘しています。
しかし蛙肉を使ったレシピはあまり普及せず、ネギ(長ネギ)も大正時代にはほぼタマネギに置き替わりました。
現在、カレーの具として普及しているジャガイモ・ニンジン・タマネギは、明治のはじめにはまだ珍しい「西洋野菜」でしたが、開拓地の北海道を中心に徐々に生産が広がりました。
国産の安価なカレー粉が登場したこともあいまって、大正時代の頃に現在の日本のカレーライスの原型が完成したと考えられます。
1905年(明治38年)、道修町の薬種問屋「大和屋」(現:ハチ食品)の二代目今村弥兵衛が国産初のカレー粉「蜂カレー」を発売しました。
1906年(明治39年)、東京・神田の「一貫堂」から、初めての即席カレーといわれる「カレーライスのたね」が発売されました。
その内容は不明ですが、肉やカレー粉の固形化されたものであり熱湯を注げばカレーとなるものとされました。
さらに1914年(大正3年)には、東京・日本橋の「岡本商店」から「ロンドン土産即席カレー」という即席商品が発売されています。
1926年(大正15年)にハウス食品が、カレー粉・小麦粉・油脂・旨味成分などを固形化した「インスタント・カレールウ」を「ホームカレー粉」の商品名で発売しました。
1945年(昭和20年)11月、オリエンタルが、カレーが家庭料理に普及しつつある事に着目し、当時、カレーと言えば、炒めた小麦粉にカレー粉を混ぜるなど大変手間が掛かる事から、「その手間を省き、調理を簡単に出来れば売れる」と考え、事前に炒めた小麦粉とカレー粉を混ぜた粉末状のインスタントカレーであるオリエンタル即席カレーを完成させました。
日本の一般家庭の食卓にスプーンが無いので、オリエンタル即席カレーの景品としてスプーンを付け洋食のスプーンを一般家庭に広めました。
固形製品は、1954年(昭和29年)にエスビー食品が初めて発売しました。
昭和30年代からテレビによるCMを主とした各製造販売会社の販売合戦が起こり、「即席カレー」の生産と消費が急増しました。
1960年(昭和35年)江崎グリコが板チョコの生産技術を生かし、ブロックごとに割って量を加減できるワンタッチカレーを発売しました。
現在の日本の家庭では、「インスタント・カレールウ」を使って調理する事が多いです。
海軍カレー
旧日本軍におけるカレー・ライスの歴史は古く、明治時代最初期の1873年(明治6年)には、早くも陸軍において将校生徒を養成する陸軍幼年学校において、土曜日の昼食に「ライスカレー」が導入されています。
海軍では、土曜日の昼食はカレーライスと決められていました。
これは海上自衛隊にも引き継がれ、交代勤務となる長期航海中に曜日感覚を取り戻すためだと言われています。
週休2日制となってからは、金曜日に変更されています。
カレーライスとライスカレー
カレーライスは、「ライスカレー」と呼ばれる事もあります。
2つはどう違うのか、また「カレーライス」との名称が主流となっていった理由については諸説があり定かではありません。
両者は元来異なるものを指すとみる説
米飯とカレーソースが別々に、あるいは横長の深皿で左右に寄せて出されるハイカライメージのものがカレーライス、ご飯の上にカレーをかけた大衆的なものがライスカレー。
インドにはカレーという料理はない
それでも、しばらく食べていないと、無性に食べたくなるものです。
カレーライス
カレーライスは、カレーを米飯にかけて食べる料理です。
近年では、日本独自の進化を遂げたオリジナルスタイルのカレーライスも数多く存在します。
インド料理を元にイギリスで生まれ、日本には明治時代にイギリスから伝わり、日本で独自に変化した料理です。
イギリスでは「イギリス英語: curry and rice(カリーアンドライス)」の他「イギリス英語: Curried rice(カリードライス)」とも呼ばれます。
日本語では省略して「カレー」と呼ばれることが多く、ラーメンと並んで『日本人の国民食』と呼ばれるほど人気がある料理です。
小中学校の給食メニューの人気アンケートでもつねに上位に挙げられています。
インドのカレーよりとろみが強くなっているのは、イギリス海軍のメニューに採用されたとき、船の揺れに対応するためだったという説があります。
また、ソースを重視するフランス料理の手法を取り入れたからという説もあり、イギリスのクロス・アンド・ブラックウェル社により生産されたカレー粉がフランスに渡り、フランス料理のカリー・オ・リ(フランス語: curry au riz、すなわちカレーライス)の名の西洋料理になったともいわれています。
日本での歴史
日本で初めて「カレー」という料理の名を紹介したとされる書物は福沢諭吉の「増訂華英通語」(1860年、万延元年)で、「Curry コルリ」という表記があります。
カレーライスの調理法を初めて記載したのは、1872年(明治5年)出版の『西洋料理指南』(敬学堂主人)です。
食材として「ネギ・ショウガ・ニンニク・バター・エビ・タイ・カキ・鶏・アカガエル・小麦粉・カレー粉」を挙げています。
また、同じ年に出た『西洋料理通』(仮名垣魯文)は、「牛肉・鶏肉・ネギ・リンゴ・小麦粉・ユズ・カレー粉」を挙げています。
小菅桂子は、材料に蛙肉が入っているところから、フランス料理の要素が取り入れられた可能性を指摘しています。
しかし蛙肉を使ったレシピはあまり普及せず、ネギ(長ネギ)も大正時代にはほぼタマネギに置き替わりました。
現在、カレーの具として普及しているジャガイモ・ニンジン・タマネギは、明治のはじめにはまだ珍しい「西洋野菜」でしたが、開拓地の北海道を中心に徐々に生産が広がりました。
国産の安価なカレー粉が登場したこともあいまって、大正時代の頃に現在の日本のカレーライスの原型が完成したと考えられます。
1905年(明治38年)、道修町の薬種問屋「大和屋」(現:ハチ食品)の二代目今村弥兵衛が国産初のカレー粉「蜂カレー」を発売しました。
1906年(明治39年)、東京・神田の「一貫堂」から、初めての即席カレーといわれる「カレーライスのたね」が発売されました。
その内容は不明ですが、肉やカレー粉の固形化されたものであり熱湯を注げばカレーとなるものとされました。
さらに1914年(大正3年)には、東京・日本橋の「岡本商店」から「ロンドン土産即席カレー」という即席商品が発売されています。
1926年(大正15年)にハウス食品が、カレー粉・小麦粉・油脂・旨味成分などを固形化した「インスタント・カレールウ」を「ホームカレー粉」の商品名で発売しました。
1945年(昭和20年)11月、オリエンタルが、カレーが家庭料理に普及しつつある事に着目し、当時、カレーと言えば、炒めた小麦粉にカレー粉を混ぜるなど大変手間が掛かる事から、「その手間を省き、調理を簡単に出来れば売れる」と考え、事前に炒めた小麦粉とカレー粉を混ぜた粉末状のインスタントカレーであるオリエンタル即席カレーを完成させました。
日本の一般家庭の食卓にスプーンが無いので、オリエンタル即席カレーの景品としてスプーンを付け洋食のスプーンを一般家庭に広めました。
固形製品は、1954年(昭和29年)にエスビー食品が初めて発売しました。
昭和30年代からテレビによるCMを主とした各製造販売会社の販売合戦が起こり、「即席カレー」の生産と消費が急増しました。
1960年(昭和35年)江崎グリコが板チョコの生産技術を生かし、ブロックごとに割って量を加減できるワンタッチカレーを発売しました。
現在の日本の家庭では、「インスタント・カレールウ」を使って調理する事が多いです。
海軍カレー
旧日本軍におけるカレー・ライスの歴史は古く、明治時代最初期の1873年(明治6年)には、早くも陸軍において将校生徒を養成する陸軍幼年学校において、土曜日の昼食に「ライスカレー」が導入されています。
海軍では、土曜日の昼食はカレーライスと決められていました。
これは海上自衛隊にも引き継がれ、交代勤務となる長期航海中に曜日感覚を取り戻すためだと言われています。
週休2日制となってからは、金曜日に変更されています。
カレーライスとライスカレー
カレーライスは、「ライスカレー」と呼ばれる事もあります。
2つはどう違うのか、また「カレーライス」との名称が主流となっていった理由については諸説があり定かではありません。
両者は元来異なるものを指すとみる説
米飯とカレーソースが別々に、あるいは横長の深皿で左右に寄せて出されるハイカライメージのものがカレーライス、ご飯の上にカレーをかけた大衆的なものがライスカレー。
和風のだしを用いたものがライスカレー、洋風のスープを用いたものがカレーライス。
黄色みの強いものがライスカレー、茶色っぽいものがカレーライス。
とろみの強いものがライスカレー、さらっとしたものがカレーライス(逆の意見もあります)。
「ライスが多けりゃライスカレー、カレーが多けりゃカレーライス」(「ククレカレー」発売当時テレビで流されていたCMのコピー)。
「高粘度のカレーソース」「福神漬とラッキョウが添えられている」「水の入ったコップにスプーンが入っている」「ニンジンとジャガイモは大きめ、グリーンピースが三つ」「冷えるとカレーソースに膜が張る」と「ライスカレーを定義している」(テレビドラマ『ライスカレー』)
両者はもとより同じものを指すとみる説
コメを主食とする日本人の感覚から「ライス」を強調する意味で前に出したものであるとしています。
歴史的に見ると、イギリス人から「カリードライス(英語: Curried rice)」として紹介され、明治後期から大正時代にかけ新聞や雑誌では「ライスカレー」と呼ばれる事が多かったようです。
時期的には1964年東京オリンピック開催の前辺りから「カレーライス」呼称が優勢になったとされます。
ご当地カレー
1990年代後半頃から町おこしを目的として、日本の各地方の特産物を使用したカレーが続々と発売されており、それらは「ご当地カレー」と呼ばれます。
地方のカレー店(ホテルなど)のカレーもこれに含みます。
カレーは地元をアピールする為の食材を利用しやすく、地名を入れて名づけた製品が多いです。
インターネットの発達によりパッケージや調理例の写真が簡単に広く宣伝をする事が出来るので、このような町おこしの材料として開発されるご当地カレーは日本各地に見られます。
昭和時代初期頃には、地元で豊富に存在した食材(北海道 - タコ、福島県 - ホッキ貝、熊本県 - 馬肉など)を利用したカレーが、地方によって食べられていましたが、新たに作り上げた名物が多いです。
インドにはカレーという料理はない
インド料理は香辛料を多用するため、外国人の多くはインド料理の煮込み料理を「カレー」と認識しています。
しかし外国人がカレーと呼ぶインドの煮込み料理は、サーグ、サンバール、コルマ、ダールなど、それぞれに固有の名称があり、「カレー」という料理はありません。
ただし、インドの観光客向けのレストランやインド国外のインド料理店では便宜上、メニューに「○○カレー」という表記をしていることも多いです。
これは、旧宗主国のイギリス人がインド料理をカレーと総称して世界に伝えたことがおもな理由です。
インド固有の言語には「カレー」という言葉はありません。
ただしドラヴィダ語族には野菜・肉・食事・おかずなどを意味する「カリ」(タミル語:கறி、kari)という言葉があり、それが英語で「curry」と表記されるようになったと言われています。
イギリス
日本にカレーライスを伝えたイギリスには、日本のカレーライスの原型といえる「カリーアンドライス」(curry and rice)がいまでも存在します。
パブ(大衆酒場)、クラブハウス(ゴルフ場)、学生食堂などで気軽に食べられる庶民性は日本のカレーライスと共通し、冷凍食品もスーパーマーケットで売られています。
もともとポピュラーな家庭料理でしたが、現在は家で作られることは少ないです。
その理由として、元植民地だったインド・パキスタン・バングラデシュから来た移民たちによって、本格的なインド料理を出す店が数多く生まれたことが挙げられます。
イギリス
日本にカレーライスを伝えたイギリスには、日本のカレーライスの原型といえる「カリーアンドライス」(curry and rice)がいまでも存在します。
パブ(大衆酒場)、クラブハウス(ゴルフ場)、学生食堂などで気軽に食べられる庶民性は日本のカレーライスと共通し、冷凍食品もスーパーマーケットで売られています。
もともとポピュラーな家庭料理でしたが、現在は家で作られることは少ないです。
その理由として、元植民地だったインド・パキスタン・バングラデシュから来た移民たちによって、本格的なインド料理を出す店が数多く生まれたことが挙げられます。
中国
「咖哩」(カーリー)もしくは「珈竰」(発音同じ)と表記されます。
中華料理の咖哩飯は、カレー味の中華丼と考えれば理解しやすいです。
中国ではホテルのレストランなどで洋風、インド風のカレーが提供されるほか、日本料理レストランや日式拉面店(日本式ラーメンの店)では日本のカレーが出されます。
日本風のカレーライスは一般の中国人にはあまりなじみのない料理でしたが、CoCo壱番屋などの進出により徐々に広まりつつあります。
がん予防とアルツハイマー病減少に効果がある
カレーに含まれるスパイスの1つとしてアキウコン(ターメリック、C. longa )が含まれ、有効成分にクルクミンが含まれています。
クルクミンの生理作用として抗腫瘍作用や抗酸化作用、抗アミロイド作用、抗炎症作用などの効能が知られています。
抗炎症作用はクルクミンがエイコサノイド合成を阻害することによって得られる効能だと考えられています。
また、フリーラジカルを捕捉する能力を持ち、脂質の過酸化や活性酸素種によってDNAが傷つけられるのを防ぎます。
クルクミノイドはグルタチオンS-トランスフェラーゼを誘導するため、シトクロムP450を阻害します。
クルクミンの生理活性と医学的有用性は近年盛んに研究されています。
抗がん効果では、がん細胞に特異的にアポトーシスを誘導し、がんを消滅させる効能があるとする報告があります。
また、クルクミンはがんをはじめとした多くの炎症性疾患に関連する転写因子であるNF-κBを抑制することができます。
実際、事前に発がん物質を投与されたマウスやラットに、0.2%のクルクミンを添加した食餌を与えたところ、大腸癌が減少したという報告があります。
カレーをよく食べるインドで、がんを死因とするものは8%ですが、中国で22%、米国では25%もあります。
2004年、UCLAの研究チームはアルツハイマー病モデルマウスを用いて実験を行い、クルクミンが脳におけるβアミロイドの蓄積を抑制し、アミロイド斑を減少させることを示しました。
クルクミンが精神的機能に影響をおよぼすとの疫学的調査結果も存在します。
高齢のアジア人を対象としたミニメンタルステート検査で、半年に1度以上黄色カレーを食する群において相対的に高いスコア(より健康な精神的機能)が見られました。