CPUを交換できるノートパソコン

ノートパソコンは携帯が可能で、外へ出た時に簡単に広げて使える簡便さがあります。

しかし、デスクトップパソコンと比較すると、性能が劣るにも関わらず、価格が高く、メモリーだけは追加交換ができても、マザーボードやCPUは交換できないので、陳腐化するとゴミになるだけと考えてきました。

最近ネットを見ていて、一番安いノートパソコンを中古で購入して、同じ世代の上級のCPUに交換している記事をみてこれは使えるのではないかと思いました。

というのも、私の現在使っているデスクトップが2006年にCor 2 Duo に交換して以来、ネットも動画鑑賞も何不自由なく使えているので、この14年の内のノートパソコンであれば、今の現在の私の使い方であれば、能力的には充分ではないかと考えられるからです。



ノートパソコンのカスタマイズ

ノートパソコンのカスタマイズ可能箇所は、メモリ、HDD(SSD)、CPU の基本的にはこの3つです。

CPUが交換できるノートパソコン

近年のIntel CPUは、比較的すぐにソケットなどの規格が変わってしまいます。

そのため古いシステムだと最新CPUへの交換はできませんが、同世代で下位のCPUから上位のCPUへ交換することでパワーアップすることができます。

一時期はやったモバイルノートパソコンでは、基盤に直接CPUがハンダ付けされているので、モバイルノートではCPU交換はできません。

また、「低電圧版」「超低電圧版」といったCPUも、基盤に直接CPUがハンダ付けされているので、交換できません。

しかし、ノートパソコンの基盤に格納されているCPUは、ソケット型のCPUを使っています。


ソケットからロックを外すだけですから、CPU本体の取り外しは簡単にすることができます。

CPU交換で注意することの一つとして、このソケットの形状が同じCPUでないと交換できないということになります。

また、交換するCPUの種類を選定する際には、ノートパソコン用のCPUを選ぶ必要があります。

万が一、デスクトップパソコン用のCPUは選定すると、ソケット形状が同じでも、動作しないため十分注意が必要です。

デスクトップパソコン用のCPUは電圧も異なるので交換対象にはなりません。

あと、CPUの取り外し・取り付け作業時に組み立てを間違えると、ノートパソコン自体使えなくなってしまいますので、CPUの取り外し・取り付け作業も十分注意して行うことが必要です。

専門的な部分としては、CPU交換後CPUの発熱量が多くなり、熱暴走する危険性もありますが、CPU交換の事例などを調査した上で、交換するCPUの選定を行えば安心して交換することができます。

一番簡単なのは同機種の上位グレードのCPUが使用可能であることが多いです

それであれば、単純に入れ替えるだけの簡単アップグレードが可能です。

基本的には同世代のCPUであれば交換可能と考えますが、BIOS設定、マザーのスイッチの設定等が必要になる場合があります。

この設定を間違うと熱暴走を起こしマザーボードが焼き付くなど取り返しのつかない事になるので注意が必要です。


Sandy Bridge世代以降は2世代ごとに互換性がなくなり、古いシステムからCPUだけを最新のものに交換することはできません。

ただ、どの世代もCore i7とi5ではスレッド数が2倍違い、Turbo Boost時の最大周波数も差が付けられています。

そのため、もとのCPUがCore i5やi3、Pentium、Celeronだった場合、中古などで同世代(あるいは、互換性があれば次の世代)のCore i7を手に入れて交換すれば、マルチスレッド性能を中心に、かなりの性能向上が期待できます。

CPUの確認

最初に、交換する前の現在のCPUの情報を調べます。

調べる方法としては、ノートパソコンのスペック表が取り扱い説明書に必ず記載されています。

取り扱い説明書がない場合、最近ではメーカのホームページでも、電子化された取り扱い説明書がダウンロードできますので、こちらも利用価値ありです。


まずはノートパソコンの型番からメーカーのホームページ等を参考することもお勧めします。

例えば、『i5 520M ソケット』というワードで検索をかけてみると、Intelの公式でi5 520Mの技術仕様が公開されています。

別の方法としては、フリーソフトで「CPU-Z」というソフトウェアがあります。


このソフトウェアを動作させれば、CPU、マザーボード、メモリなどの詳細な情報が表示できますので、こちらでも確認できます。

2011年に発売された第2世代CoreプロセッサであるIntelのSandy Bridgeが近年のCPUの大きな転換点となっており、Sandy Bridge(Z68、P67)より古い世代のチップセットを搭載したマザーボードでは利用できる一番よいCPUに交換したところでパフォーマンス的に厳しいのは変わりません。

マザーボードも本質的には消耗品です。

コンデンサなどが劣化していつ寿命が来てもおかしくありませんので、即交換をお勧めします。

BIOS

交換可能なCPUを選定する際には、CPUのソケット形状が合う合わないといった以前に、パソコンのBIOSに対応しているかが重要です。

BIOSとは、Basic Input Output Systemの略です。

マザーボードに格納されているROMに書き込まれているプログラムのことで、WindowsなどのOSを起動する前の段階で、パソコンが各種装置にアクセスしてパソコンにつながっている装置の管理や制御を行っているものです。

そのBIOSが制御できない装置は、結果的に交換ができないことになります。

CPU交換前に、まずはパソコンのBIOS自体が最新のものになっているかを
確認することも必要です。

BIOSのアップグレードにより、交換できるCPUの種類が増えている可能性もあります。

CPUの発熱

パソコンのCPUに一番関連する装置として、冷却システムというものがあります。

通常は、パソコン内部の発熱に対して冷却することを目的としています。

パソコン購入時、パソコンに搭載されているCPU、ハードディスクなどの装置の発熱に適合した冷却システムが装着されていますので問題ないのですが、CPUの交換には、この冷却システムが交換するCPUに適合するかという点が重要になります。

適合しているかという点を確認するには、現状のパソコンに搭載されている冷却システムが、他のパソコンで使われているかを調べてみると、そのパソコンで使っているCPUのクロック数などの情報もわかるため、交換したいCPUの選定には効果的です。

チップセット

見落としがちなこととしては、パソコンに搭載されているチップセットが、交換するCPUに適応するかということです。

チップセットとは、パソコンのマザーボードに必要な、多種多様な機能を1つのチップにまとめたものです。主に、CPU、メモリー、PCIバス、ポートやいろいろなインターフェースなどの機能がまとまっているものです。

適合しているかという点で言えば、チップセットのクロック数が交換するCPUのクロック数と合っているかという点をまず確認することをオススメします。

交換候補のCPU

ここまでの情報で、交換で可能なCPUの選定をします。

その際には「ソケット形状」「クロック数(FSBとも呼ばれます)」「コア名称」といった情報で情報を集めることをオススメします。

対応ソケットは、CPU名称で検索すると、Intelの公式の技術仕様が公開されていて、そこから知ることができます。

どのCPUが上位互換があるのか調べます。
メーカーのホームページで上位機種に使われているCPUが互換率が高いですが,インテルのホームページでもCPUの型番から調べることも可能です。

ソケットの型式でワード検索すると、例えばインテルの対応CPUのラインナップが発見できます。

例えば i5 520Mの対応ソケット『PGA988, BGA1288』という2種類の呼び方がある場合、『PGA988』というワードで検索をかけてみると、

Intel Core i3 380M
Intel Core i5 460M
Intel Core i5 450M
Intel Core i7 620M
Intel Core i7 740QM
Intel Core i7 720QM


というラインナップを発見できます。

『Core i(3桁)+MもしくはQM』という規格のCPUに交換可能ということが分かります。

i7>i5>i3の順でグレードが上がります。

ここではi5 520Mの上位互換は

Intel Core i7 620M (モバイル版2コア)
Intel Core i7 720QM (モバイル版4コア)
Intel Core i7 740QM (モバイル版4コア)

ということになります。

末尾番号の意味

M=Mobile(モバイル)という意味です。

ノートPCやモニター一体型PCなどに使用されるCPUです。

Q=Quad(クアッド)という意味です。

正確にはQuad Core(4コア)CPUという意味です。

QM=Quad Core Mobileという事になります。

物理コアが4コアあるモバイルCPUです。

また数字が3桁であれば「第1世代型のCPU」、2000番台であれば「第2世代型のCPU」、3000番台なら「第3世代型のCPU」、4000番台なら「第4世代型のCPU」、5000番台なら「第5世代型のCPU」、そして6000番台なら「第6世代型のCPU」と、数字が上がっていくにつれてCPU機能も向上していく形になります。

入手方法

検索で「ドスパラ 中古 CPU」と入力すると、ドスパラCPU中古販売がありますのでそれを選択します。

ドスパラのウェブページが開いたら、「ソケットから選ぶ」で自分のソケット形状番号を選択します。

欲しいCPUシリーズを「シリーズから選ぶ」から選択します。

すると選択ソケット形状にあわせたCPU一覧がでます。

CPUを交換するようなPCは、そこそこ古いタイプだと思われるので、新品のCPUは大概入手できません。

自分のPC(マザーボード)に対応する CPU が分かったら、お求め易いショップで購入します。

ドスパラでそのまま購入してもよいです。

実は Amazon でもけっこうお手頃価格の中古 CPU を購入することができます。

CPU交換に必要なもの

ウェットティッシュ(エタノール入りが好ましい)」は、CPUを取り外した際に、CPUソケットの部分に塗ってあるグリスを拭き取るのに効果的です。

「ドライバーのセット」は、ノートパソコンの筐体を取り外したり、マザーボードに装着されているCPUを外す際に必要になります。

「グリス」は、CPU本体とCPU冷却システムの間に塗るグリスです。CPUの発熱をグリスを通して放熱させ、CPUの冷却システムから外部へ放熱することができます。


CPUはパソコンの要なので、それを冷やすグリスはあまり安物を使うのはやめたほうがよいです。

AINEXのグリスは多くのユーザーが利用していますし、評判も良く安定感があります。

交換手順

まずは外部電源を接続してる場合は外し、ノートPCを閉じた状態で裏返してバッテリーを外します。

必ず作業中はバッテリーを外して下さい。

外さずに作業をした場合に本体が故障する危険は勿論、交換者にも危険が及びますのでご注意下さい。

バッテリーを外した後、裏面のネジを外し、カバーを外して下さい。

ネジは細かいため紛失に注意して下さい。(セロテープなどに貼り付けておくことをお勧めします。)

裏面を外すとCPUらしきものが見えてくると思います。

CPUはクーラー(ファン)の下にあるので、まずはこのクーラーを取り外します。

クーラーを外すとCPUが見えます。

静電気に注意して、CPUの交換に入ります。

ソケットのロックを外し、古いCPUを外し用意したT7500を取り付けて裏蓋を戻しネジを締めなおすだけです。

ネジの緩みが無いかしっかり確認して下さい。

バッテリーを繋げ、電源ONすると問題なければ、起動します。

マイコンピューターのプロパティを確認すると新しいCPUに変わっていることが確認できます。