地上へ戻ってくるスペースXのファルコン
ファルコンヘビー
ネットで、アメリカのスペースXのファルコンヘビーの打ち上げのビデオを見ていたら、切り離されたブースターが地上に軟着陸する様子を映していました。
上の写真は2機のロケットを打ち上げている所ではなく、1段目のブースターが戻ってきたところです。
ファルコンヘビーは3本のブースターをクラスターにしたロケットですが、2本が地上の基地へ、3本目が海上の浮基地へ無事に着陸したそうです。
まるでビデオが逆戻しをしている様に、ブースターが、地上へ降り立ちました。
打ち上げ費用が安くなる
このブースターを何回か再使用することにより、格段に打ち上げ費用が安くなるのだそうですが、凄い技術です。
かの有名な電気自動車テスラモータースの創始者、イーロンマスクが率いるスペースXですが、その発想と実現する力に驚きます。
素人考えで、そのように思いつく人は何人かいたと思いますが、ほとんどがそんなことをしたらむしろ金がかかると一蹴されてしまったことでしょう。
夢のようなことを実現するその力には、ただ感嘆するより他ありません。
2020年打ち上げを目指している日本のH3ロケットは、現在のH2Bロケットの打ち上げ費用の半分である50億円を狙っているようですが、再使用されるファルコンヘビーロケットの1㎏当たりの打ち上げ費用を超えることは難しそうです。
かつてのスペースシャトルも、あのような巨大な翼を持った飛翔体が垂直に打ち上げられる様子は驚愕の光景でした。
何のかんのと言っても、新しい未来を必ず実現してみせるアメリカの底力は、驚嘆の一言です。
各国のロケット打ち上げ費用
1.ファルコン9(米国)70億円
2.プロトン(ロシア)72億円
3.ファルコンヘビー(米国)99億円
4.H2B(日本)118億円~147億円
5.アリアン6 127億円
6.アリアン5 200億円
各国の1kg当たりのロケット打ち上げ費用
1.ファルコンヘビー(米国)1.400ドル
2.ファルコン9(米国)2.684ドル
3.プロトンM(ロシア)2.826ドル
4.H2B(日本)6.818~9.000ドル
5.アリアン5
ES(欧州宇宙機関)8.476ドル
6.GSLV
(インド)9.400ドル
商業ロケット比較 出典)“SURPLUS
MISSILE MOTORS” (米会計検査院,2017.8)p.50
1.ファルコンヘビー(米国)63.8t
2.デルタ
IV
ヘビー(米国)28.8t
3.長征5号CZ-5B(中国)25t
4.アンガラA5(ロシア)24.5t
6.プロトンM(ロシア)23t
7.タイタンIV-B(米国)21.6t
8.アリアン5 ES(欧州宇宙機関)21t
9.アトラスV 551(米国)18.5t
10.H2B(日本)16.5t
11.長征3号LM-3B(中国)11.1t
12.GSLV
(インド)8t
ファルコンヘビーがダントツです。
トップランナーは米国、ロシア、中国、欧州、それに続いて日本です。
それにしても中国の追い上げが凄く、ロシアにとって変わるかの勢いです。