人が直接空を飛べる機材

昔、オリンピックのアトラクションで直接人がエンジンを背中にしょって、空中を飛行する映像を見たことがありました。

その後、どのように進化したのか調べてみました。



ジェット・パック

ジェット・パック(Jet pack)とは、鞄のように背負ったジェットの噴射によって推進する飛行器具です。

フィクションでは古くから使用されてきましたが、実用化されたのは20世紀末でした。

1984年のロサンゼルスオリンピックや1985年の国際科学技術博覧会で実演されました。 

当初は船外活動のために開発が進められました。

動力として過酸化水素を触媒で分解した時に生成される水蒸気を噴射して飛行します、

一種のヴァルター機関ですが、過酸化水素の分解では数十秒間しか飛行できず、高度な姿勢制御が必要とされました。


近年は飛行時間の長い小型のターボファンエンジンを搭載し揚力を獲る翼を備えた機種が開発され、イブ・ロッシーが各地でデモ飛行を行っています。

最初の飛行実験は2004年6月24日にジュネーヴ上空で行い、それ以降30回以上の飛行実験を重ねてきました。 

2008年5月14日にジュネーブ湖の近くにあるベックスで初の公開デモンストレーションを行い、約6分間、空を飛ぶことに成功しました。 

2008年9月26日には9分7秒の飛行に成功し、フランスのカレーからイギリスのドーバーへとドーバー海峡を横断し、その動画がインターネット上で公開されました。

その際の最高速度は299km/hに達しました。

同じ2008年、今度はアルプス越えに挑戦、その際304km/hを記録しました。 

2019年、フランスのパリ祭軍事パレードにおいて、ジェットスキー世界王者で発明家のフランキー・サパタのアイディアで生まれたホバーボードタイプのFlyboard Airが先陣を飾りました。 

日本では、小型無人機等飛行禁止法により、国の重要施設等と周辺の上空は飛行を禁止される場合があります。