コンコルドの失敗

かつて半世紀以上前に初飛行し、超音速旅客機SSTとして登場した、英仏共同開発のコンコルドは音速の2倍以上の速度で世界の空を飛んでいました。

しかし経済性が極めて悪く、17年前に退役せざるを得なくなりました。

以来現在に至るまで、後継のSSTはまだ現れていません。

コンコルドについて、あらためて調べてみました。


コンコルドとは

イギリスのBACとフランスのシュド・アビアシオンなどが共同で開発した超音速旅客機です。

初飛行は1969年3月1日でした。

原型(プロトタイプ)および量産先行型を含め、計20機が製造されました。 

高度5万5,000から6万フィートという、通常の旅客機の飛行高度の2倍もの高度(成層圏)を、マッハ2.2で飛行しました。

定期国際運航路線に就航した唯一の超音速民間旅客機でもありました。

2020年現在ボーイング747がニューヨーク・ロンドン間をジェット気流に乗り4時間56分で飛ぶ記録を有しますが、コンコルドはわずか2時間52分59秒で同区間を飛行しました。

開発当時は世界各国のフラッグ・キャリアから発注があったものの、ソニックブームなどの環境問題やオイルショック、開発の遅滞やそれに伴う価格の高騰、また大量輸送と低コスト化の流れを受けてその多くがキャンセルとなりました。

最終的にはエールフランスと、英国海外航空を継いだブリティッシュ・エアウェイズの2社のみによる運行に留まりました。 

2000年7月25日に発生した墜落事故、2001年9月11日に発生したアメリカ同時多発テロによって、低迷していた航空需要下での収益性改善が望めなくなった事で、2003年5月にエールフランス、同年10月24日にブリティッシュ・エアウェイズが営業飛行を終了、2003年11月26日のヒースロー空港着陸をもって全機が退役しました。

超音速飛行を追求した美しいデザインや、数少ない超音速旅客機だったこともあり、現在でも根強い人気を持っています。