超音速旅客機の計画
イギリスとフランスが共同開発したコンコルドが、2003年11月にてブリティッシュ・エアウェイ営業就航終了して以来、後継の超音速旅客機は現れていません。
軍用機が当たり前に、音速で飛ぶ時代に、民間機が存在しないというのも不思議に思われます。
超音速で飛ぶ民間旅客機として、どのような計画があるのか調べてみました。
低ソニック・ブーム設計手法
D-SENDプロジェクト(日本)
また、日本でも宇宙航空研究開発機構 (JAXA) が精力的に研究を行なっており、低ソニックブーム設計概念実証プロジェクト(D-SENDプロジェクト)が進められています。
1994年4月にアエロスパシアル社・ブリティッシュ・エアロスペース(現BAEシステムズ)社・DASA社は第二世代のコンコルドを2010年までに就航させることを目標として、欧州超音速機研究計画 (ESRP: European Supersonic Research Program) を開始しました。
2019年、ボーイングが12人乗りの超音速ビジネスジェット「アエリオン AS2」を開発するアエリオン・コーポレーションへの出資を発表しました。
PDE(パルス・デトネーション・エンジン)
超音速機のエンジンとしては、PDE(パルス・デトネーション・エンジン)が注目されています。
軍用機が当たり前に、音速で飛ぶ時代に、民間機が存在しないというのも不思議に思われます。
超音速で飛ぶ民間旅客機として、どのような計画があるのか調べてみました。
低ソニック・ブーム設計手法
最近では、機体形状に工夫を凝らすことにより、超音速飛行時でもあまりソニックブームを出さない航空機が研究されています。
2003年からはNASAなどがSSBD (Shaped Sonic Boom Demonstration 低ソニック・ブーム設計手法飛行実証) の元、F-5戦闘機を改造した実験機によって飛行試験を行っており、実際にソニックブームの減少が観測されています。
使用している機体はノースロップF-5で、機首の形状を整形することによりソニックブームの低減を試みました。
D-SENDプロジェクト(日本)
また、日本でも宇宙航空研究開発機構 (JAXA) が精力的に研究を行なっており、低ソニックブーム設計概念実証プロジェクト(D-SENDプロジェクト)が進められています。
試験には航空機形状の無人試験機である超音速試験機(英: Silent SuperSonic Concept Model、S3CM)が用いられました。
S3CMは無動力の滑空機で、非軸対称低ブーム機首、多目的最適設計による低抵抗 / 低ブーム主翼、逆キャンパ水平尾翼、後胴揚力面などといったJAXA独自の低ソニックブーム設計概念を用いて設計されました。
試験は215年7月24日に行われ、S3CMは正常に飛行を完了させました。
JAXAは2015年10月27日に、50人規模の小型超音速旅客機(コンコルドの重量の約40%)に適用した場合、ブーム強度0.5 psf以下で、ソニックブームをコンコルドの約1/4まで低減することに成功したとの計測データの詳細解析結果を発表しました。
ブーゼマン複葉翼(二枚の翼に発生した衝撃波を干渉させ打ち消す)の欠点を解消するため、全翼機のように胴体を上の翼上に配置し、上下の翼端を接触させる案などが研究されています。
この二枚翼コンセプトは、将来のサイレント超音速旅客機実現のための重要な糸口であり、衝撃波による空気抵抗(造波抵抗)が従来型に比べ最大85%カット出来き、その結果、衝撃波による騒音が大幅に減少し、かつ燃費も向上することが期待されています。
スーパーコンピュータで実際に計算した結果を見ても、外に広がる衝撃波が軽減していることがわかります。
水色が大気の圧力、緑~黄~赤と圧力が次第に高くなることを示しています。
逆に青いところは圧力が下がっています。
一枚翼の先端から緑になることで、圧力が上がり衝撃波ができていることが分かります。
流れが角を回るとき圧力が下がり最後は元の圧力に戻ります。
二枚翼の中には非常に圧力の高いところがありますが、お互いの頂点を過ぎると逆に圧力が下がります。
衝撃波は二枚翼の中にだけあって、外の衝撃波が消えていることが分かります。
欧州超音速機研究計画
欧州超音速機研究計画
1994年4月にアエロスパシアル社・ブリティッシュ・エアロスペース(現BAEシステムズ)社・DASA社は第二世代のコンコルドを2010年までに就航させることを目標として、欧州超音速機研究計画 (ESRP: European Supersonic Research Program) を開始しました。
並行して、スネクマ・ロールス・ロイス社・MTU München社・フィアット社では、1991年から新型エンジンの共同開発を行っていました。
年間1,200万ドル以上が費やされ、研究計画は材料、空気力学、各種システムやエンジンの擬装に至る分野をカバーしていました。
ESRP計画はマッハ2で飛行し、座席数は250席、航続距離は5,500海里を目指すもので、基本設計案の外観はコンコルドを大型化してカナードを付けたようなものです。
NASAのSST研究
同じ頃、NASAでもSSTの研究が開始されていました。
NASAのSST研究
同じ頃、NASAでもSSTの研究が開始されていました。
Tu-144のエンジンを換装した実験機Tu-144LLを使用して、1996年から1998年にかけてロシアで19回の飛行試験を行いました。
飛行速度はコンコルドを超えるマッハ2.2(時速約2,716km)とされており、実用の旅客機やビジネスジェットは2020年代はじめの運行開始を目指しています。
2019年、ボーイングが12人乗りの超音速ビジネスジェット「アエリオン AS2」を開発するアエリオン・コーポレーションへの出資を発表しました。
PDE(パルス・デトネーション・エンジン)
超音速機のエンジンとしては、PDE(パルス・デトネーション・エンジン)が注目されています。