電気自動車のバッテリー寿命


電気自動車の中古車を買う場合に最も心配なのが、バッテリー寿命です。

買ったばかりで、バッテリー有償交換ということになったら、せっかく安く手に入れても、電気自動車のバッテリーはかなり高価なので、目も当てられません。

寿命目安と走行距離

電気自動車に搭載されている駆動用バッテリーは、現在はリチウムイオン式が主流です。

電装品用などとして使われている鉛バッテリーと比べ、はるかに高いエネルギー密度を持っています。

とはいえ、年数が経過したり走行距離が延びたりするにつれ容量が低下していく点は同じです。

一般的に、バッテリーの容量(一回の充電あたりの走行距離)が新車のときと比較して70%以下になったら、バッテリーの寿命、すなわち交換の時期だと言われます。

電気自動車を新車で購入してからバッテリーが寿命を迎えるまでの年数は、使い方(充放電の頻度など)によって左右されます。

最短で5年くらい、通常は7~8年くらいです。

また、走行距離でいうならおよそ5万km~10万kmほどが目安になります。

三菱「アイ・ミーブ」および「ミニキャブ・ミーブ」




三菱自動車は、軽自動車規格の電気自動車「アイ・ミーブ」(ハッチバック乗用車)および「ミニキャブミーブ」(ワンボックス商用車)の駆動用バッテリーに対し、以下の2つの保証を付けています。

容量保証
「初度登録後8年以内かつ走行16万km以内で駆動用バッテリー容量の70%を下回った場合、無償で修理・交換」

特別保証部品
「初度登録後8年以内かつ走行16万km以内でバッテリー製造上の不具合が原因で故障が起きた場合、無償で修理・交換」
i-MiEVには2種類のバッテリー容量があり、それによってグレード構成も変わります。

容量は10,5kwhモデルと16kwhモデルで、前者が「M」グレード、後者が「ベース」「G」「X」グレードになります。

バッテリーの違いによりメーカーも異なります。

10.5kwhモデルは東芝製のscibバッテリー(チタン酸リチウムを用いたバッテリー)です。

16kwhモデルはリチウムエナジージャパン製のリチウムイオンバッテリーを搭載しています。

東芝製のscibバッテリー(10.5kwhモデル)は安全性と長寿命に優れ、急速充電、低温下の使用が可能ですが、小型化が難しく、同じ大きさでも容量が少なくなります。

リチウムエナジージャパン製のリチウムイオンバッテリー(16kwh)は車載用バッテリーとして、GSユアサ系の子会社と三菱系の会社が合同で作った専用バッテリーです。

小型、軽量のため容量を大きくできます。

scibバッテリーと比べると少し、温度変化に弱い部分があります。

装備の違いとして、スマートキー、LEDヘッドライト、LEDテール、革巻きステアリング、アルミホイール(グレードによります。)、シートヒーター(グレードによります。)、プライバシーガラス、電動格納ミラーなどの快適装備が「M」にはありません。

買う際は、登録が8年以内の車がおすすめです

バッテリーの保証は8年、16万キロですので!保証期間に余裕がある方が、安心して乗れます。

日産「リーフ」




日産自動車の場合、5ドアハッチバックの電気自動車「リーフ」の駆動用バッテリーに対し、以下の保証を付けています。

「正常な使用条件において、新車登録から8年間または16万kmまでのどちらか早い方にて、アドバンスドドライブアシストディスプレイのリチウムイオンバッテリー容量計(新車時12セグメント)が8セグメントになった場合、修理や部品交換により9セグメント以上に復帰させる。」

先代リーフは5年間または10万kmの保証だったので、より手厚くなっています。

日産「e-NV200」



日産自動車のもうひとつの電気自動車である商用バン「e-NV200」の場合は、以下の保証内容になります。

「正常な使用条件において、新車登録から5年間または10万kmまでのどちらか早い方にて、メーターのリチウムイオンバッテリー容量計(新車時12セグメント)が8セグメントになった場合、無償で修理を実施する」

つまり、先代リーフと同じ保証内容です。

バッテリー交換費用

現状でバッテリー交換費用が分かっているのは、先代の日産リーフと三菱アイ・ミーブのみです。

両車種のバッテリー交換費用は、以下のとおりになります。


・先代リーフ 約60万円

・アイ・ミーブ 約95万円

バッテリー容量の小さいアイ・ミーブの交換費用がリーフより高いのは、車両価格がいまよりずっと高かったころのデータだからです。

現在なら、もっと安くなっている可能性があります。

リーフの約60万円という費用はかなり大きい金額と言わざるをえません。