電子マネースリにご注意


電子マネースリというのがいることを、ネットの記事で知りました。

電子機器を使った犯罪は、全く油断も隙もあったものではありません。


電子マネースリ

財布の中に1枚入れておくと小銭が不要になるカード型電子マネーはとても便利です。

しかし、アメリカではこの電子マネーを狙う「電子マネー・スリ(digital pickpocket)」がひそかに広がっているそうです。

スリといえば、懐や鞄から財布を抜き取る泥棒です。

近年では、バッグの底を切り裂くなど、悪質なスリの手口や集団スリなども報告されている。

しかし、「電子マネー・スリ」は、物理的な財布ではなく、高精度のカードリーダーをこっそりかざして、財布の中のRFID(非接触型IC)カードから電子マネーやカードの情報だけを盗み取ります。

やり口としては、リーダーで読み取った電子マネーの情報を元に、千円以下の少額の決済を行うもので、被害者の方はなかなか気づきません。

たとえ気づいたとしても、どこで被害にあったのか見当をつけることも難しいです。

場所:満員電車など、人と人とが密着しても違和感のない場所です。

道具:ICカードリーダー(名刺大)とそれと接続したスマホやPCです。

方法:あらかじめPCやスマホで電子マネー決済対応のネット通販サイトを開き、リーダーに電子マネーを近づければすぐ決済できる状態にしておきます。

更に、電子マネーを読み取るカードリーダーを袖口などに仕込んでおきます。

この状態はコンビニのレジと同じ状態なので電子マネー決済ができます。

その状態で電車に乗り込み、ターゲットにさりげなく近づき、スマホがあると思われるポケットやカバン付近にリーダーを近づけます。

男性の場合はだいたい胸やお尻などの衣類のポケットスマホを入れている事が多く、女性はバッグに入れている事が多いですが、そういうところに近づいてカードリーダーをかざします。


テレビで電子マネースリの手口紹介

2015年1月25日(日曜日)放送のフジテレビ・ニュースな晩餐会「衝撃!スマホが危ない…第2弾!SNS乗っ取り&電子マネースリ」では、ネットセキュリティのプロ・石川英治さん電子マネースリの手口などを紹介していました。

番組では実際に電子マネーを5000円分チャージしたスマホを、優木まおみさんが鞄の中、伊集院光さんがポケットの中にしまい、実際に抜き取ることができるかを検証しました。

犯人役の人は優木まおみさんの横に立ち、伊集院さんの隣に座っただけでした。


怪しい素振りもなく両手は常に見えていた。
しかし二人の電子マネーを確認すると1000円減っていました。


15センチ離れていても危険な場合がある

Edyやモバイルsuicaといった電子マネーは「非接触型」といって、タッチするだけで決済できるのが便利な点です。

この利点を悪用したのが電子マネースリです。

カードリーダーを袖の中に忍ばせ、それを近づけるだけで「スリ」が完了してしまいます。

「電子マネースリ」は、・被害者に直接触れない・被害にあったことがわかりにくい、といった、これまでのスリとは違う特徴があります。

犯人は、小型パソコンと、電子マネー読み取り機(フェリカリーダーなど)を用意します。

パソコンはバッグなどに隠し、電子マネー読み取り機は腕などに固定します。

パソコンと電子マネー読み取り機はUSBケーブルで接続してあります。

パソコンで小額決済の準備をして、被害者のスマホに向かって電子マネー読み取り機をかざします。

この方法だけで、被害者のおサイフケータイや電子マネーカードから小額を盗み取ります。


この犯行は、1回の被害が1000円程度のため、被害者も気づきにくいといわれます。

抜き取った電子マネーを換金する方法は、ネットショッピングなどに犯人自身が商品を出品し、商品代金を抜き取った電子マネーで決済して自分に入金させる、といった手法が多いそうです。

また、電子マネー読み取り機の感度を上げる改造をして、約15cm離れた場所からでも電子スリができるケースもあるといわれます。

パスワードの入力や確認いらずで、かざすだけで決済できるおサイフケータイや電子マネーカードの利便性を逆手にとった悪質な犯行です。


「電子マネースリ」防止対策

電子マネーで使われている「Felica」という技術は「近距離無線通信」の一種で、わかりやすく言えばカードとリーダー(読み取り機)の間で通信をしています。

従って、この通信の電波を遮断すれば、スリの被害を防ぐことができます。


電磁波遮断カード

電子マネーで利用される電磁波を遮断させるカードやシールです。

簡単なのはスキミング防止カードをスマホカバーと本体の間に挟むことです。

カードタイプでは、自分で使いたいときにカードを外すだけで決済できるため、利便性を損なわないメリットもあります。

ただし、スマホ本体のアンテナ部分をカードで覆わなければ意味がありませんから、iPhone6のようにNFCのアンテナが本体背面ではなく上部にある端末では、この対策は意味がありません。


スキミング防止用ポーチ

ネット通販などで「スキミング防止ポーチ」を検索すれば見つけられるポーチです。

主に海外旅行でスキミングされないよう作られた製品です。


このポーチの中にスマホや電子マネーカードを入れておくと、外部から電子マネーの決済ができなくなります。


スキミング防止ポーチにスマホをしまった上で、バッグにいれると良いです。

使う時だけ取り出せばいいですし、スマホ本体の傷予防にもなります。

普段スマホをカバンにいれて持ち歩いている人におすすめです。


おサイフケータイロック

これはおサイフケータイ対応スマホに搭載されている機能で、使わないときはおサイフケータイ機能をロックする機能です。

ロックしておけば、万が一、「電子マネースリ」を仕掛けられても決済されません。

この方法ではおサイフケータイを使うたびにロック解除が必要となってしまう不便さもありますが、スマホを紛失してしまった場合にも電子マネーを使われる被害も防げるため、頻繁にスマホで電子マネーを使わない人は、できるだけ利用したほうが良いです。

Androidの場合は以下の手順でロックできます。

「設定」→「その他の設定」→「NFC/おサイフケータイ 設定」→「NFC/おサイフケータイ ロック」→「次へ」→端末パスワードを入力(初期設定の場合は「0000」)

以上の手順で設定をすると、電子マネー決済が一切できなくなります。

完璧に防ぎたいのであれば、この設定をすることが必要です。