映画「ラストウォー1944 独ソ・フィンランド戦線」


ラストウォー1944 独ソ・フィンランド戦線 ( フィンランド語: Kätilö )はフィンランドの戦争・恋愛映画です。

邦題は、この映画の内容と全く合わないと言ってよいくらいです。

監督はアンティ・ヨキネンです。

ラップランド戦争前・戦中を題材にしたカティヤ・ケッツのベストセラー小説『助産婦(フィンランド語版)』の映画化作品です。

ラップランド戦争を背景に、ラップランドの助産師とナチス親衛隊将校との間の恋愛物語を描いています。 

2015年のウォータールー国際歴史映画祭で最優秀映画賞および最優秀女優賞、同年の上海国際映画祭で最優秀女優賞を受賞しました。

ナチスドイツ軍は、たいがい極悪非道の軍隊として描かれているのが常ですが、この映画でもその流れは変わりません。

フィンランドのラップランドの空は晴れていても、黒い雲が流れていて不穏な印象を受けるのに、フィヨルドの風景がとても美しく描かれています。

うっそうとした森も、日本の森とは少し様相が違って、その中に佇む小屋は外からは廃屋のように見えるのに、中はしっかり温もりを保って、人が住める作りになっています。

雪の残る風景なのに、冷たさを感じさせない独特の空気感があります。

分厚い毛皮コートを着て、水の中に入っていくなど、ちょっと考えられないシーンもあります。

映画のストーリーは2人の恋愛が無事成就するのですが、ドイツ軍の人体実験や虐殺があってかなり血なまぐさい場面もありました。


あらすじ

ドイツ兵のヨハネスに惹かれ、恋に落ちたフィンランド人のヘレナは彼の後を追い、看護師としてティトヴカ野営地で働くことになります。

しかしこの地で目にした現実は、ドイツ軍の司令官ゲーデルが指揮を執る、捕虜を利用した非人道的な人体実験でした。

また、ヨハネスは、1941年に行われたバビ・ヤールでの大虐殺を記録するカメラマンとして加わっていたことへの罪悪感に苛まれ続けていました。

そんな現実から逃げ出そうと、二人は意を決しこの地から脱出を試みようとします。