中古タイヤについて


12か月法定点検で、ひび割れが進行していたので、タイヤの交換を勧められましたが、私の古いマークⅡも、来年11月の車検は通過できないかもしれないので、たった1年のために新品のタイヤは勿体ない気がしました。

そこで中古タイヤについて、改めて検討することにしました。


中古タイヤ

消耗品であるタイヤは、なるべくなら交換のタイミングにおいて新品を購入する方が望ましいですが、様々な事情で中古タイヤを選ばざるを得ないこともあります。

例えば、お財布の事情が厳しい、来年あたりに車を乗り換えるため今年の冬に使用するスタッドレスタイヤは長く使う必要がない、といったことが想定できます。

中古タイヤショップに行く前に軍手を持っていくと良いです。

出来たら手の平の部分にゴムが貼ってあると安全に手を汚さずチェックできます。

中古タイヤを適切に購入できれば、節約の大きな一助となるだけでなく、資源を無駄にしないエコロジーな生活を送ることができます。

一方で、タイヤは車を構成する部品の中で唯一地面に接触する部品であり、安全性に直結している部品でもあります。

中古タイヤ選びに失敗してしまうと、お金の無駄になるだけでなく、安全面でもリスクを抱えることになります。


メリット


なんといっても、中古タイヤは新品タイヤに比べて安価である、という点が魅力的です。


1年後に車の買い替えを検討しているのでタイヤ交換は安くしたい、車検と同時なのでタイヤ交換は節約したい、1本だけバーストしてしまった、等々の理由によりやむなく中古タイヤを購入する場合があります。

ラッキーなケースとして、未使用の中古品、いわゆる新古品が売りに出されている時があります。

車好きな人が純正タイヤをすぐ他社メーカーのタイヤに付け替えたり、メーカーのキャンペーンや特価品として販売業者に仕入れられたりした場合は、新品同然のタイヤを安価に購入することができます。

メリットをひと言でまとめると「それなりの品質のタイヤを安価に購入できる」ということになります


デメリット

新品タイヤと異なり、中古タイヤは状態が同じものはひとつとしてありません。

どのような使い方をされ、どのように保管されたのか分からないため、場合によっては極端に劣化した状態の中古タイヤを購入してしまうリスクがあります。

中古タイヤを販売している店舗であれば、じっくりタイヤをチェックできるのでそれほど心配ではないのですが、問題は個人間のネット売買です。

現在ではヤフオクやメルカリなどの個人間での商品売買が盛んにおこなわれています。

これ自体は全く問題ないのですが、中古タイヤの購入を写真だけで判断するのはリスクが高いです。

インターネットオークションで中古タイヤを探してみると、多くは「ノークレーム・ノーリターン」と表記されています。

売主と買主との間で無用なトラブルが発生することを防ぐために慣習となっている表記ですが、不良品を購入してしまっても基本的には自己責任となる、というリスクが発生することになります。

また、インターネットオークションの場合、主な判断材料は商品説明と添付された画像になります。

売主に詳細を尋ねることもできますが、やりとりに要する時間は目に見えない負担になります。

デメリットをひと言でまとめると「品質が保証されないというリスクがある」ということになります。


チェックポイント

製造年週

中古タイヤの中でも製造年の古くなったものは、残り溝やヒビ、キズがなくてもゴムが硬くなっている場合が多く、経年劣化により柔軟性が低下しています。

また、ゴムの硬化で柔軟性が低下しているタイヤは、ロードノイズの発生や、乗り心地の悪化、スリップする原因になるので、中古タイヤ選びでは大事なチェックポイントです。

タイヤの柔らかさが、走行中の車に与える影響は大きく、できれば製造年が比較的新しめの中古タイヤを選ぶようにします。

サマータイヤの寿命は一般に、製造直後から10年、使用開始からは6年、と言われています。

製造年が10年を超過していないか、使用後から6年を経過していないか、というポイントはひとつの目安になります。

できれば3年落ち、古くても5年落ち程度を購入の目安とします。

タイヤの側面、サイドウォールには製造された年と週が記載されています。

2000年以降に製造された製品の製造年週は4桁、1999年以前に製造された製品の製造年周は3桁の番号で記してあります。

現在では4桁の製品がほとんどです。

気をつけたいことは「年・週」の順番ではなく「週・年」の順番となっていることです。

例えば「1015」とある場合、「2015」年の第「10」週に製造された、という意味になります。

残溝はあるが、製造年週が古いタイヤは、たとえヒビやキズがなくてもゴムが堅くなっている場合が多く、タイヤのノイズの発生や、乗り心地が悪くなったり、雨で滑りやすくもなりますので、古いタイヤは避けた方が良いです。

中古タイヤ選びではタイヤの溝も大切ですが、製造年月日はそれ以上に重要とも言えます。

5、6年経過した8分山のタイヤより1年使用の6分山のタイヤの方が良い場合もあるとも言え、タイヤの製造年月日はその位重要です。


タイヤの溝

タイヤの溝はしばしば「○分山」と表記されます。

新品時8㎜として、それを10とした時に、何割溝が残っているかで表記されています。

タイヤの残り溝の深さを10分割して考える表記で、8分山なら8割、5分山なら5割、2分山なら2割、溝が残っているという表記です。

中古タイヤでも8分山(6.4mm)残っているとブレーキ制動距離を短くできて理想的です。

残り溝は、スリップサインから5mm〜6mm程度の溝があることがひとつの目安です

JAF(日本自動車連盟)が「雨天時の制動距離」を測定した実験によれば、新品タイヤ(10分山)の制動距離に比べて、摩耗したタイヤは5分山の場合で1.4倍、2分山の場合では1.7倍制動距離が伸びる、という結果が示されています。

中古タイヤを購入したのち、使用に伴ってタイヤは摩耗していきますから、自身が使用する分のタイヤの溝を確保します。


ひび割れの状態

タイヤは時間の経過と共にゴムが劣化し、ひび割れが生じます。



中古タイヤであれば小さなひび割れは仕方ありませんが、小さなひび割れが繋がり、長く深いひび割れになっているものは購入を控えます。

タイヤの横側のキズは中古タイヤ選びでは注意しなければいけない重要なポイントです。

タイヤの横側は駐停車時に縁石などでキズを付けやすい個所で、小さなキズでも大きく裂けてバーストする可能性もあり大変危険です。

タイヤの残溝があり製造年月日が新しくても、タイヤの横にヒビ割れがあれば注意が必要です。

紫外線や熱やシリコン系のワックスの長期間の使用でひび割れは起こるのですが、極端な空
気圧不足での走行や、夏の猛暑によって強くダメージを受けてのヒビ割れは、厳重注意が必要です。

ヒビが深く、爪が簡単に入るようなタイヤはバーストの危険があり避けた方が無難です。


側面の傷

タイヤの側面は、駐車や停車する時に縁石などで傷がつきやすい部分です。


タイヤの中でも側面は特に弱い部分なので少しの傷でも場合によっては、走行中に傷が広がりタイヤが裂けてしてしまう危険性があります。

もしもタイヤサイドが裂けた場合、補修や使用は不可能なので新たなタイヤに交換するしか方法はありません。


ビードの切れ

ビードの切れとは、タイヤとホイールが接している部分に傷がついている状態です。

ホイールとタイヤが接している唯一の部分がビードなので、ここに傷があるとホイールとタイヤがうまく密着しないので、タイヤから空気が抜けてしまう原因になります。

タイヤをホイールに付けたり、取り外したりする時にこの部分をこじるようになってしまうのですが、タイヤチェンジャーの扱いがうまくない場合や素人が無理やり取り外した時に、この部分に傷がつくことがあり、新たにホイールの付けたとしてもきちんとホイールのリムに収まらなかったり、そこからエアが漏れてしまうといったことになりかねません。

タイヤとしては非常に重要な部分ですので、ここに小さなキズや曲がりなどがある場合は絶対に買ってはいけません。




パンク修理跡

クギ等による、小さいパンク修理の跡なら問題なく使用可能ですが、大きな傷をパンク修理した跡があるタイヤに関しては、エアー漏れ、 バーストの可能性が高まる場合があるので避けた方が無難です。

パンク修理してから長期間経過したタイヤも避けた方がよいです。


偏摩耗

ホイールバランスやアライメントなどがとれていないとタイヤの減り方が均一ではなくなり偏摩耗します。

偏摩耗したタイヤは、いびつな減り方をしているのでロードノイズが通常よりも大きくなり、走行性能も低下している場合があります。

表面が均一に減っていない偏摩耗タイヤの寿命は短いです。




激安タイヤも選択肢の一つ

例えば製造年の新しい2年以内で溝がそこそこある中古タイヤをさがすと、中古タイヤにする意味があるのかと思われるほど金額が高くなります。

そこで海外製の激安タイヤを検討することも選択肢の一つとして考えられます。

「とにかく安く」という場合はネット通販による激安タイヤであればかなり安くなります。

中古タイヤを購入するリスクや高いお金を出すのであれば、激安タイヤの選択も入れておきたいところです。