アニメ短編映画「快適な生活〜ぼくらはみんないきている〜(Creature Comforts)」は動物園に住む動物たちが、自分達の生活環境についてインタビューを受ける話


「快適な生活〜ぼくらはみんないきている〜(Creature Comforts)」は、アードマン・アニメーションズが1989年に制作したクレイアニメです。

上映時間は5分25秒です。

本作品は1990年アカデミー短編アニメ賞を受賞しました。

この作品はチャンネル4のために制作されたもので、当初は5分の長さでした。

内容は、動物園に住むゴリラやホッキョクグマといった動物たちが、自分達の生活環境についてインタビューを受けるというものです。

ゴリラ、ブラジルのピューマオポッサム、カバ等は、寒い天候、囲いの質の悪さ、狭いスペースと自由の欠如について不平を言います。

対照的に、鶏、カメ、アルマジロは、動物園の中に居ると、快適で安全だと言います。


ホッキョクグマの家族は、動物園の長所と短所の両方について話します。

シロクマが動物園は心が安らぐ老人ホームみたいな所だと言います。

アルマジロも、動物園にいればとても楽だと言います。

ブラジルから来たピューマは、エサはちゃんともらっているけれど、ドッグフードみたいで物足りないと不平を言います。

子供のカバはオリが少し狭くてフケツだとこぼします。

カバはカメの方が滝やプールがあって楽しそうだと言います。

カメは居心地は悪くはないけれど、前のとこの方がよかったなと言います。

再びピューマ、二重ガラスやヒーターもあって、設備は完璧だけど、空間が無いと言います。

ブラジルのような広い自然の中で、自分も自然の一部だと感じたいと言い、今はまるで箱の中のぬいぐるみだよとこぼします。

有袋類のオポッサムは、家が狭すぎて、これ以上子供が増えたら寝る所もなくなってしまうと言います。

ゴリラは、好きな時に外へ出られなくて、カベを見ているとイライラすると嘆きます。

再びカメ、一生このままなら本でも読んで気を紛らわすよと言います。

コアラは、ここは安全で至れり尽くせりだといって不平はありません。

鶏は、サーカスの動物は玉乗りとかあるしたいへんだけど、動物園は何もしなくてもいいし、好きなことして食べて寝るだけと言いとても肯定的です。

再びピューマ、ブラジルでは狩りの名人だったと言い、血のしたたるフレッシュな肉が食べたいと言います。

再度ゴリラ、もっと暑い所がいいと言い、雨や寒さが大嫌いだとこぼします。

最後にピューマ、天気がよくて、広々として木が生い茂った所がいい言います。

青空の広がる大地で、太陽を拝みながら暮らしたい、照り付ける太陽と、きれいな川が恋しいよと言います。

インタビューが一方的であるとか、一つの視点に偏っているということはなく、映画の中では、自分たちの動物園での生活状況に満足している動物もいれば、そうではない動物もいて、また中立的な意見を持つ動物もいます。

動物たちのインタビューを聞いていると、動物園に住む動物たちと、大都会に住む人間たちの姿が重なります。