ヘリウム( Helium)は、病院の掃除夫の男が、不治の病にかかった少年に“ヘリウム”という幻想的な魔法の世界があると聞かせる話


ヘリウム( Helium)は、アンダース・ウォルター監督の2014年のデンマークの短編ドラマ映画です。

2014年のアカデミー賞の最優秀実写短編映画賞を受賞しました。

出演は、不治の病の少年アルフレッドを演ずるペレ・フォーク・クルセック、病院の清掃員エンツォを演じたキャスパークランプ、アルフレッド担当の看護婦役はマリヤナ・ヤンコビッチでした。

上映時間は23分です。

あらすじ


不治の病で入院する男の子に、清掃員が励ましながら夢を見させ続ける心温まるショートムービーです。


死ぬ事への恐怖を抱く少年に、不器用ながら心温かい清掃員は、ヘリウムの幻想的な世界の事を語り続けます。

不治の病にかかっている少年、アルフレッドは、病室で寝たきりの毎日を送っています。


そんな彼が入院する病院で、清掃員エンツォは仕事中にアルフレッドと出会い、二人は友情を深めていきます。

エンツォアルフレッドに“ヘリウム”という魔法の世界があると聞かせます。





そして、赤い犬の風船を置いておくと、
“ヘリウム”へ行くための飛行船が迎えにくるとアルフレッドに話します。

エンツォの話を楽しみにするアルフレッドでしたが、病気は次第に悪化し、ある日容態が急変して、エンツォが入ることができない救急病棟に移動します。

エンツォは病室に忍び込みますが、看護師長に捕まり、アルフレッドに会うことを禁じられます。

一人寂しそうに病院の庭のベンチに座っているエンツォを見て、看護婦が同情し彼の話を聞きます。

エンツォは看護婦に、「アルフレッドにありもしない嘘をついてしまった」と言います。

彼女はエンツォに向かって「あなたは彼に希望を与えているのよ」と慰めます。

エンツォは看護婦に「物語の終わり」を話してあげたいと言います。

看護婦は、それを聞いて、エンツォがアルフレッドのいる病室へ忍び込む手助けをします。

エンツォがアルフレッドに物語を語るにつれて、映画はアルフレッドの視点に切り替わります。


アルフレッドは、既に服を着ており、ベッドから抜け出して用意していたリュックを背負い、窓の近くへ行きます。



夜更けの空に飛行船が遠くから現れ、音もなく病院へ近づいてきました。



アルフレッドの病室の窓近くに、巨大な飛行船が停止します。


飛行船の乗降口ドアが開き、窓へ向かってはしごが伸びます。


アルフレッドは、病院の窓から飛行船まで長いはしごを渡り歩いていきます。


アルフレッドは病院を振り返り、飛行船に乗り込みます。


飛行船はゆっくりと病院から遠ざかり、飛び去っていきました。


病院の窓という窓には、赤い犬の風船がいっぱい置かれているのが見えました。